再生可能エネルギーやサステナビリティにまつわる情報を分かりやすく解説!再エネ・サステナビリティ・環境問題・eモビリティなど、役立つ知識を配信していきます。

再生可能エネルギーとは

2018年に日本政府は、再生可能エネルギーを主力電源にする計画を閣議決定しました。地球温暖化問題の緊急性が増す中、再生可能エネルギーの普及は重要な役割を担っています。

この記事では、再生可能エネルギーの基本から、推進されている理由、今後の課題・政策まで詳しく解説します。

再生可能エネルギーとは

再生可能エネルギーとは太陽光・風力・水力・バイオマス・地熱など、自然に補充される資源から収集されるエネルギーです。自然エネルギー、持続可能なエネルギー、クリーンエネルギーと呼ばれることもあります。

現在の主要なエネルギーは石油・石炭・天然ガスなどの化石燃料です。これらは有限なのでいずれなくなってしまうエネルギーです。また、政情等により価格の変動も激しいため、紛争のもとにもなりますし、資源の乏しい国は資源の豊富な国からの輸入に頼らざるをえないため、お金が国外に流れてしまう原因になります。 さらに、化石燃料を燃焼させてエネルギーを生み出す際には、温室効果ガスである二酸化炭素が発生してしまいます。地球温暖化が緊急性の高い問題となっている現在、化石燃料に依存したエネルギーシステムからの脱却が世界の課題です。

そんな中、再生可能エネルギーであれば、日々降り注ぐ太陽光や、吹いている風力を使ってエネルギーを生み出します。よほどの天変地異や地球・太陽の寿命を迎えない限り、ほぼ無限です。また、その国・地域にある資源によってエネルギーを生み出せるため、他国からの輸入に頼る必要もなく、経済を自国内で循環させられます。

さらに、エネルギーを生み出す際に温室効果ガスが発生しないため、地球温暖化問題の改善策として、普及が促進されているのです。

主な再生可能エネルギーの種類

ここでは、主な再生可能エネルギーである以下の5種類を解説します。

  • 太陽光
  • 風力
  • 水力
  • バイオマス
  • 地熱

経済産業省資源エネルギー庁によると、2016年(平成28年)は、日本全体の発電量(以後、発電電力量)のうち、大型の水力発電を含む再生可能エネルギーによる発電が15%でした。これから解説する再生可能エネルギーのそれぞれの発電割合もご紹介します。

太陽光

再生可能エネルギーで最も有名なのが太陽光発電でしょう。2012年のFIT制度施行以降、日本国内の至るところで太陽光発電所を見かけるようになりました。シリコン半導体に光が当たると電気が発生しますが、そのシリコン半導体を使った太陽電池を内蔵したパネル(太陽光パネル)に、太陽光を当てることで発電します。

太陽光が当たる場所ならどこでも発電できるため、空き地になっていた土地や民家の屋根の上など、様々な場所で発電できるのが大きな特徴です。また、1つ1つのパネルは大きくないため、小型の発電所から大型の発電所まで、様々な場所に適応した規模で発電できるのも特徴と言えます。

デメリットは、太陽の光が当たる日中にしか発電できないことと、晴れの日には発電量が増え、曇りや雨の日には減るなど、天候に発電量が大きく左右されることです。発電量を予測しにくいため、常に電気の供給が求められるベースロード電源には使えません。

2016年(平成28年)は、日本の発電電力量のうち、太陽光による発電が4.7%でした。水力発電に続いて、日本の再生可能エネルギーによる発電では第2位です。特にFIT制度が施行された2012年から2016年の5年間で年平均伸び率が26%と、今一番設備容量が伸びている発電方法です。 現在、導入コストがどんどん下がっていますが、さらなる普及のために、より一層の低コスト化が期待されます。

風力

風のエネルギーでブレード(羽)を回して発電するのが風力発電です。風力発電は、2003年から導入された、電力会社に一定量の再生可能エネルギーを義務づける制度(RPS制度)にともなって導入が進みました。また、現在もFIT制度によってさらに導入が進み、山や海沿い、または海上などで目にすることもあるかと思います。

大きな特徴は、昼夜問わず発電できること。風さえ吹いていれば発電できるので、夜間でも発電できます。そのため、常に電力供給が求められるベースロード電源にも使用可能です。ただし、風が多い日は発電量が増え、風が少ない日は発電量が減るため、正確な発電量は予測できません。また、風が強すぎても事故の可能性があるため、ブレードの回転を抑制します。 一方、風力エネルギーは高効率で電気エネルギーに変換できるため、大規模に発電できれば経済性の高い発電方法と言えます。

問題点として、発電できる場所が限られる点があります。導入して安定した運営を続けるには、どのくらいの風が吹く場所なのか事前に調査しなければなりません。 風力発電は20kW以下の小型のものから、5000kWを超える大型のものまでありますが、近年はどんどん大型化する傾向にあります。

2016年、日本の発電電力量のうち、風力による発電は約0.5%程度。少しずつ発電容量が増えているものの、まだまだ少ないのが現状です。その原因として、風力発電を導入するには用地探し・確保が難しく、建設時の膨大なコストや運営費が必要なことがあげられます。導入コストに関しては、世界では急速に低下しているものの、日本では高止まりしてしまっています。 また、20~30年ほどで寿命を迎えるため、運営し続けるにはリプレイス(取り壊して立て直す)を行う必要があり、その都度コストがかかります。

水力

日本の再生可能エネルギーによる発電の中で最も容量が大きいのが水力発電です。2016年のデータでは、日本の発電電力量のうち、水力による発電が7.3%でした。島国である日本において、水力発電は昔から盛んに行われており、ダムを用いた水力発電所がつくられてきました。近年ではダムを必要としない中小規模の水力発電の建設が進んでいます。

特徴は、昼夜問わず発電できることや、一度発電所を作れば数十年に渡って発電が可能なことです。もちろん発電時に二酸化炭素は排出しません。発電量は安定しているとはいえ、渇水などで発電しなくなるということもあります。

日本ではまだ発電電力量のうち7.3%程度ですが、カナダでは58.3%、ノルウェーに至っては95%が水力発電です。このように国によっては水力が主力電源となっています。

日本も水資源に恵まれた国なので、カナダやノルウェーのように水力発電に大きな可能性があるでしょう。普及への課題は、河川の調査に長い時間が必要で、コストがかかることと、地域住民の理解や水利権の調整などが必要不可欠なことです。特に未開発地域は奥地になるため、開発初期にコストがかかります。

バイオマス

バイオマスとは、動植物から生まれた生物資源の総称です。火力発電と同じ仕組みで、燃料となる生物資源を直接燃焼したり、ガス化して燃焼させることで発電します。生物資源には様々あり、木質バイオマス、メタン発酵バイオマス系、液体燃料バイオマス、一般廃棄物バイオマスが代表的です。

  • 木質バイオマス:間伐材や工場や建設現場で発生する廃材、ヤシ殻など
  • 家畜・汚泥系バイオマス:牛・豚・鶏など家畜の排泄物や下水汚泥、生ゴミの発酵によるメタンガス
  • 液体バイオマス:パーム油など
  • 一般廃棄物バイオマス:生ゴミ等の食品廃棄物、剪定材、農業残渣物、木くず、紙など

バイオマスを「燃焼」や「ガス化」と聞くと、温室効果ガスを排出しそうな気がします。しかし、植物の光合成により二酸化炭素を吸収してつくられたるバイオマス資源を燃料にする発電は、二酸化炭素を排出しないものとされています。

バイオマス発電では、未活用の廃棄物を利用して発電するため、廃棄物の再利用・減少につながり、循環型社会の構築やごみ処理問題の改善にも貢献します。また、農山漁村にある資源を使えるため、地域の発展にも貢献できます。 近年では、輸入した木質バイオマスによる大規模な発電所の建設も進められています。この場合、輸送にかかるエネルギーや森林破壊などが懸念されています。

2016年、日本の発電電力量のうち、バイオマスによる発電は約0.5%程度で、風力より少し少ない程度です。バイオマス発電は資源が分散しているため、集めて、運んで、管理するコストがかかります。国内の資源だけで発電する場合、小規模な設備になりがちで、発電容量が増えづらいことが課題です。 一方、排熱を温室の加温などに使えるというメリットもあります。

地熱

日本は様々な大陸プレートがぶつかり合う場所にあり火山活動が活発なので、地熱資源が豊富です。日本で最初の本格的な地熱発電所は、1966年に完成した岩手県の松川地熱発電所です。

地熱発電の特徴として、地熱は天候に関わらず発生するため、安定して発電できることがあげられます。もちろん昼夜も問いません。また、発電に使った蒸気・熱水は農業用ハウス・魚の養殖・暖房などに再利用可能で、とてもエネルギー効率に優れています。

2016年は、日本の発電電力量のうち、地熱による発電は約0.08%程度となっており、これまでにあげた5種類の再生可能エネルギーによる発電の中ではもっとも発電容量が少ない発電方法です。国外においても、一番発電容量の多いアメリカでも日本の7倍弱ほどの発電容量しかないため、主力電源にはなっていません。一方、発電容量第2位のフィリピンでは、2010年の発電電力量のうち地熱発電が17%を占めるなど、主力電源となっています。

地熱発電が進んでいない理由として、建設が想定される地域は、国立・国定公園内や、地熱が豊富な温泉施設が多い地域と重なるため、関係者との調整が必要なことがあげられます。 また、建設コストも高いことから、あまり建設は進んでいませんでした。 最近は、地中深いところの高温の熱水ではなく、温泉の熱を利用した、バイナリー発電という小規模な発電も注目されています。

なぜ今、再生可能エネルギーが推進されているの? 

現在、日本政府も再生可能エネルギーの主力電源化に向けて動きはじめていますが、なぜ今世界で再生可能エネルギーが推進されているのでしょうか? 実際、2015年に世界で導入された発電設備の50%以上を再生可能エネルギーが占めています。その理由は大きくわけて2つです。

  • 地球温暖化
  • 経済

それぞれ解説します。

地球温暖化

現在、世界では「地球温暖化」が緊急性の高い問題になっています。2018年9月10日に国連本部で、アントニオ・グテーレス国連事務総長が、国連気候行動サミット2019の開催を以下のように呼びかけました。

“気候変動は私達の決定的な問題であり、驚異に直面しています。2020年までに気候のコースを変えなければ、気候変動を回避できるポイントを逃す危険性があり、全ての自然システムに悲惨な結果もたらします。 緊急性に疑いの余地はありません。世界気象機関によると、過去20年間に1850年以降最も温かい18年間が含まれています。2018年5月には、二酸化炭素濃度が411ppmを記録しました。これは300万年ぶりの高濃度です。 産業革命以前の気温より2℃以内に気温の上昇を抑え、1.5℃程度に抑えることが、最悪の影響を回避する最低限のものでした。しかし、科学者たちはこの軌道に乗っていないと言っています。(つまり想定より気温が上昇する見込み) 化石燃料への依存から急速にシフトしなければなりません。水・風・太陽からのクリーンエネルギーに置き換える必要があります。森林伐採を停止し、劣化した森林を回復させ、農薬を変えなければなりません。これが、来年9月に気候変動サミットを招集し、気候変動対策を国際的な課題のトップに据える理由です。”

Remarks on Climate Change ー United nations Secretary-General より一部抜粋

地球温暖化による地球の高温化で、北極や南極の氷が溶けて海水面が上昇すれば、現在人が住んでいる土地の一部が海に沈んでしまいます。異常気象が増え、災害が増加し、人々の命を奪うでしょう。化石燃料の燃焼による大気汚染によって、肺がん等の疾病が増え、亡くなる人も増えています。

このように、地球温暖化はまったなしの状態まで進んでしまいました。その解決策として、再生可能エネルギーが推進されています。

経済

再生可能エネルギーが推進される理由として、経済もあげられます。現在地球の主力エネルギーは原油(石油)・石炭・天然ガスといった化石燃料ですが、これらは産出できる国が限られています。そのため、化石燃料を産出できない国は、産出できない国からの輸入に頼らざるを得ません。

日本も化石燃料を産出できない国の一つで、ほぼ全てを輸入に頼っており、その分国内のお金が国外に流れてしまいます(国内で産出されるのは、全体の1%未満にすぎません)  。2014年の化石燃料輸入額は約25兆円でした。これらのお金は化石燃料輸出国である中東の国々やオーストラリアに流れてしまいます。

再生可能エネルギーであれば、化石燃料を輸入することなく、国内の太陽光や風力などをエネルギーに変えられます。2014年、化石燃料輸入に使った約25兆円も、国外に流出しないため、国内で循環させられます。

再生可能エネルギーの今後の課題 

日本の再生可能エネルギー導入は世界と比べて進んでいるとは言えない状況です。2014年の日本の発電電力量のうち、再生可能エネルギーが15%だったということは先ほど解説したとおりですが、カナダ(2014年)が63.1%、イタリア(2014年)が44.6%、スペインが40.3%など、日本より導入が進んでいる国があります。

ではどうすれば日本は、もっと再生可能エネルギーを導入できるのでしょうか?解決しなければならない問題は以下の3つです。

  • 他国と比べて、コストが高い
  • 電力系統の制約
  • 調整力

それぞれ解説します。

他国と比べて、コストが高い

世界では太陽光や風力発電を導入するコストが、技術の向上に伴い急速に低下しています。一部地域では、既に化石燃料や原子力よりも安くなっているほどです。一方、日本の導入コストは、徐々に低下しているものの、まだまだ世界と比較すると高いのが現状です。

*平成 31 年度以降の調達価格等に関する 意見(案)(2019) ー 環境省

上の図を見ていただけるとわかるように、ドイツ・イギリス・フランスなどの欧米諸国の太陽光発電のコストが8.3円/kWhなのに対し、日本は15.2円/kWhと、約1.8倍ほど高いのが現状です。導入コストを安くするために、さらなる技術の革新が期待されます。

電力系統の制約

日本はこれまで、少数の原子力や火力発電所などの大規模な発電所で発電した電力を、日本各地に送電する形をとってきました。ですが、再生可能エネルギーを導入する場合、発電所が各地に散らばるため、新しく電力系統を建設・増設する必要が出てきます。その際に、大きなコストがかかるため、予算を捻出しなければなりません。

調整力

電力は、需要予測に基づいて発電されます。つまり「この時間はこれくらいの電力が必要だと予測されるから、このくらい発電する」といった具合に予測をたてて発電します。従来は、原子力発電で常に必要とされるベースロード電源分を発電しつつ、火力で発電量を調整していました。

しかし、太陽光や風力といった再生可能エネルギーの場合、発電量は天候や時間によって左右されるため、自由に調整できません。安定した電力供給を実現するためには、火力のように発電量を調整できる電源を維持するか、大型蓄電池の技術開発を進め、多めに発電した電力を蓄電池に貯めておいて必要に応じて送電する方法が考えられています。

再生可能エネルギーを主力電源にするための政策

現在、日本政府は再生可能エネルギーを主力電源にする方針を固めています。「2018年に第5次エネルギー基本計画」を閣議決定し、2030年と2050年を目標にしています。

  • 2030年 再生可能エネルギーを22~24%に
  • 2050年 「脱炭素化」と再生可能エネルギーの主力電源化
  • 技術革新が必要不可欠

それぞれ解説していきます。

2030年・再生可能エネルギーを22~24%に

2015年に国際的な温暖化対策の枠組みである「パリ協定」が合意され、世界が「脱炭素化」に向けて本格的に動き出しました。日本政府も同様で、まず2030年には、発電電力量のうち再生可能エネルギーによる発電を22~24%にする計画を閣議決定しています。

この段階ではまだ「主力電源への布石」と位置づけていて、先ほど課題にあげた「低コスト化」「系統制約の克服」「調整力の確保」に取り組んでいきます。

2050年・「脱炭素化」と再生可能エネルギーの主力電源化

日本政府は2050年に「温室効果ガス80%削減」という目標を掲げました。しかし発電電力量のうち、再生可能エネルギーが何%かという具体的な数値目標は、変化する状況に対応できなくなる恐れがあるとして立てていません。 再生可能エネルギーに関する目標は“経済的に自立し「脱炭素化」した主力電源化をめざす。”としています。

技術革新が必要不可欠

これらの目標を達成するには、いずれにせよ技術革新が必要不可欠です。太陽光や風力発電など、再生可能エネルギーの導入や維持コストを削減すること、蓄電池の性能を向上させ需給調整を可能にすること、効率のいい系統連系の実現などが技術革新によって求められます。

おわりに 

再生可能エネルギーの主力電源化に向けて、個人でできることもあります。家を建てる時に太陽光パネルを設置することや、再エネを推進する企業等を応援するといったことです。また、電力小売り自由化によって、再生可能エネルギーの電気を供給する電力会社に変更する、といったことも可能になりました。

再生可能エネルギーが主力電源となれば、地球温暖化防止に大きく貢献できます。地球環境が保たれれば、大気汚染・熱帯化による病気・大型化する自然災害等から命の危機にさらされるリスクを減らせるでしょう。

国外に流出していた化石燃料の輸入額も、国内で循環するようになります。さらに再生可能エネルギーは地域で発電できるため、それらのお金が各地域で循環するようになるでしょう。そうすればそこに住む人々の暮らしもより豊かになるかもしれません。 再生可能エネルギーの主力電源化は、環境面でも経済面でも、私達の暮らしを豊かにしてくれます。