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電気自動車(EV)の充電

電気自動車(EV)の充電について徹底解剖

2021年07月01日

脱炭素社会の実現に向けて、世界ではガソリン車・ディーゼル車から電気自動車(EV)へとシフトする動きが活発です。EU圏では、多くの国が2035年までにガソリン車・ディーゼル車の新車販売を禁止することを決定しています。日本でも、2030年には電気自動車の新車販売台数のシェアが全体の55%を占める見込みです。

今後、自動車業界の主流になることが予想される電気自動車。このページでは、電気自動車の充電方法について紹介するとともに、充電にかかるコストや必要な時間、どこで充電できるのか、といったことをご説明します。

電気自動車(EV)の充電方法

電気自動車の充電方法は、大きく分類すると2種類あります。住宅や商業施設で使用できる普通充電と、高速道路のサービスエリアやカーディラーで使用可能な急速充電です。ここからはそれぞれの充電方法について、詳しくご紹介します。

一般家庭でも手軽にできる「普通充電」

普通充電とは、低い電圧でゆっくり充電を行う方法です。単相100Vまたは200Vのものがあり、当然ながら200Vの方が短時間で充電できます。

一般家庭でも利用可能な電力を使用すること、また充電器が小型で価格が安価という点から、急速充電器よりも導入のハードルが低いです。最近ではレストランや旅館など、長時間の駐車が想定される場所にも設置されています。

普通充電器にはコンセントタイプと充電ケーブル付タイプの2種類があります。コンセントタイプは、充電用のコンセントと電気自動車を繋ぐために車載充電ケーブルが必要です。一方、充電ケーブル付タイプは充電器本体に充電ケーブルが装備してあるので、それを自動車に繋ぐだけで充電できます。

戸建住宅に普通充電器を設置する場合は、コンセントタイプが一般的です。マンションやビル、店舗などではどちらのタイプも設置できます。

コンセントタイプは本体価格が数千円と安価ですが、100Vの場合は充電速度が遅いので注意が必要です。ケーブル付タイプは電圧が200Vありますが本体価格が数十万円します。

「安くて充電速度がすぐれたものが欲しい」とお考えの方には、200Vのコンセントタイプの充電器を、「ケーブルをいちいち接続したくない」方はケーブル付タイプがおすすめです。100Vの充電器にしか対応していない車種の場合は、コンセントタイプのものを使用しましょう。

それぞれの充電器には壁掛けタイプとスタンドタイプがありますので、設置場所の広さに合わせて選ぶことをおすすめします。

とにかく早く充電できる「急速充電」

普通充電(コンセントタイプ)の30倍以上の速度で充電できるのが急速充電です。三相電力という大容量の電気を一気に流し込むため、短時間で充電を完了することができます。

しかし、充電器の本体価格が百万円以上したり、電気会社と高圧供給の契約を結ぶ必要があったり、充電器が大型であるなど、急速充電器は一般家庭向きではありません。短時間で充電する必要のあるサービスエリアなどで導入されるケースが多いです(詳しい設置場所については後述します)。

こちらの充電器は充電ケーブル付タイプのものしかありません。そのため、普通充電器のコンセントタイプと比較すると手軽に利用できます。

急速充電器は出力50kWのものが一般的です。しかし、出力100kWの超急速充電器や出力20kWの中速充電器など、さまざまな種類のものが開発されています。

ちなみに自動車業界を牽引するポルシェやテスラは自社で充電ネットワークを構築しているため、超急速充電器よりもさらに短時間での充電が可能です。

電気自動車の充電方法

電気自動車(EV)の充電にかかるコストと時間

ここからは電気自動車の充電にかかるコストと時間を、充電する場所ごとにご説明します。

自宅で充電する場合のコストと時間

まずは、自宅に充電器を設置する場合の費用から見ていきましょう。

普通充電器にはさまざまなタイプがありますが、設置工事費は10万~20万円程度です。これに加えて、先述した本体価格(コンセント型は数千円〜、充電ケーブル付タイプは数十万円〜)がかかります。

急速充電器は本体価格が高いだけでなく、設置工事費も高いです。初期費用として300万〜1,500万円ほどかかると考えておいた方がいいでしょう。

次に、1回あたりの充電でかかる電気代について見ていきます。電気代は電力量によって変動しますが、1kWhあたりの平均価格は20〜30円です。そのため、バッテリー総電力量が60kWhの電気自動車をフル充電するには一回あたり1,200〜1,800円がかかります。

フル充電のために必要な時間については、充電器の電圧や航続距離、車種などによって異なります。普通充電器は100Vの場合は大体8〜14時間、200Vの場合は4~7時間ほどが必要です。急速充電器の場合、30分ほどで充電が完了します。

充電スタンドで充電する場合のコストと時間

充電スタンドには、ポール型普通充電器(コンセント型)、ポール型普通充電器(ケーブル付)、急速充電器の3つがあります。野外にある普通充電器は、ほとんどが200Vです。

充電スタンドはいくつかの企業が運営していますが、ここでは代表的なものだけをご紹介します。充電にかかる料金はサービスごとにバラバラですが、充電に要する時間は家庭で充電をする場合とほとんど同じです。

CHAdeMO

国内にある急速充電器の多くは「CHAdeMO」です。料金は450〜600円と、各スタンドによってバラツキがあります。

NCS(合同会社日本充電サービス)

NCSは、国内自動車メーカー4社(TOYOTA、HONDA、日産、三菱自動車)が合同で設立した企業です。「チャージスルゾウ」というカードを販売しており、月会費を支払えばNCSの充電器を全て利用できます。

NCSカードは全部で3種類です。「急速充電のみ」「普通充電のみ」「急速・普通併用」があります。登録手数料は1,540円です。料金設定は以下をご参照ください。

カードの種類急速充電器用普通充電器用急速・普通併用
使用可能な充電器急速のみ普通のみ急速・普通
ともに使用可能
月会費(税込)4,180円1,540円4,640円
都度利用料金(税込)急速15.0円/分
 ※30分以上使用する場合
普通2.5円/分・急速15.0円/分
・普通2.5円/分
 ※急速充電を30分以上行う場合は、急速充電の追加費用が発生します。

ZESP3(日産自動車)

日産自動車では、日産の店舗に設置されている充電器とNCS充電器を利用できる「ZESP3」というプランがあります。主なプランは以下の4つです。

出典:ZESP3

三菱自動車 電動車両サポート(三菱自動車工業)

こちらは、三菱自動車工業が提供するサポートプログラムです。NCSネットワークの充電器が利用できるだけでなく、EVやPHEVに関するサービスを受けることができます。

個人・法人の2種類のプランがあり、個人向けはベーシックプランとプレミアムプランから選べます。

出典:三菱自動車 電動車両サポート

Honda Charging Serivice(Honda)

Hondaが提供しているのが「Honda Charging Serivice」です。このサービスに登録すれば、Honda Carsやコンビニ、NCSネットワークの充電器を使用することができます。

出典:Honda Charging Serivice

充電スタンドがある主な施設

電気自動車充電スタンド情報サイト「GoGoEV」を運営する株式会社ゴーゴーラボによると、2021年6月23日時点で、全国には約19,285箇所の充電スポットがあることがわかっています。これは、全国のガソリンスタンド数の約6割です。

ここ数年はガソリンスタンドの数が減少傾向にありますが、その一方で電気自動車の充電スポットは急増しています。ここでは、充電スタンドがある主な施設については下記をご参照ください。

飲食店Charge Café、すかいらーくガスト、とんでん、和食麺処サガミ、コメダ珈琲店
コンビニセブンイレブン、ファミリーマート、ミニストップ、ローソン、デイリーヤマザキ
スーパーアピタ、ピアゴ、アリオ、オリンピック、ライフ、イトーヨーカドー、ゆめタウン など
モールイオン、ららぽーと、三井アウトレットパーク、プレミアムアウトレット
小売エディオン、カインズ、ジョーシン、ニトリ、ヨドバシカメラ、島忠ホームズ など
駐車場・カーショップオートバックス、システムパーク、三井のリパーク、タイムズ など
ディーラー・レンタカー日産自動車、BMW、トヨタ、三菱自動車、日産レンタカー、Honda など
施設全国の道の駅、市役所 など
高速道路・有料道路阪神高速道路、NEXCO西日本、NEXCO中日本
宿泊施設ホテルルートイン、サンルート、ドーミーイン、ホテルニューオータニ、プリンスホテル など
金融・通信・公共機関JA、ドコモショップ、auショップ など

施設によっては24時間営業充電できるスタンドや無料で使用できるお店もあります。ぜひ、お近くの充電スタンドを活用してください。

充電スタンドがある主な施設

終わりに

今後、自動車業界は電気自動車が中心になっていきます。充電設備の導入については、多くの自治体が補助金を支給するなど支援を行なっておりますので、積極的に活用してみてはいかがでしょうか。

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EnergyShift編集部
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