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エシカルな素材

エシカルなファッション素材9選!

2022年02月07日

多くの人に親しまれているファストファッションは、大量生産・大量廃棄が基本であり、日本でも毎日たくさんの衣服が焼却・埋め立されています。環境保護が求められる現代において、地球に優しい素材で作られたアイテムを積極的に取り入れていきましょう。

今回はエシカルなファッション素材をまとめました。

エシカルファッションとは

エシカルとは英語で、直訳すると「倫理的な」という意味です。今ひとつ釈然としないかもしれませんが、一般的に「人や地球環境、社会、地域に配慮した考え方や行動のこと」を指します。

ファッションに対して使われるエシカルとは、素材の選定、生産工場での労働環境、流通、販売、リサイクルに至るまで、倫理的な基準のもとに活動を行います。

大量生産かつ低コストで商品を流通させるファストファッションは、手頃な価格でファッションを楽しめることから世界中に広まりましたが、その裏側には東南アジアなどの発展途上国に生産工場を置き、低賃金で過酷な労働の上に成り立つ不均衡が存在しています。こうした事実が立て続けに発覚して、「エシカルファッション」の考え方が広まりました。

エシカルなファッション素材9選

アップルレザー

アップルレザーは、廃棄予定だった有機リンゴの皮をアップサイクルすることで生まれた、環境や動物に優しい素材です。環境に優しいだけでなく、パウダー状の粒子が有機組織を創りだすため、従来の合成皮革よりも通気性に優れています。

原料にはリンゴ由来のバイオ成分が20%~30%含まれており、本来であれば100%石油由来の合成皮革素材に対して、石油系の樹脂の含有率を効果的に減らすことができます。

サボテンレザー

サボテンの熟成した葉のみを切り取り、数日太陽の下で乾燥させて製造されます。本革のような柔らかな弾力性と耐久性、通気性に優れ、10年程度の使用が可能といわれています。

サボテンは乾燥した地域でも育てることができ、葉を収穫した後も半年ほどで断面から新しい葉が生えてくるため、自然を破壊することなく原料を繰り返し調達できます。

オーガニックコットン

オーガニックコットンは、各生産地で設定されている有機農産物の基準に則って栽培されたコットンであることを、第三者認証機関によって認証されたコットンのことです。

普通のコットン栽培では、害虫駆除、落葉剤など、たくさんの化学肥料と農薬が使われていますが、オーガニックコットンは農薬と化学肥料を使わずに栽培するため、土壌や水質汚染が少なくなります。環境や身体への悪影響が少なく、地球にも自分の身体にも良い素材だといえます。

リヨセル(テンセル)

リヨセル(テンセル)とは、ナイロンやポリエステルのように石油を原料としておらず、ユーカリ(木材)をオーガニック溶剤で溶かして作られる繊維素材です。溶剤を回収して再利用するため、廃液が自然環境に放出されず、地球にやさしい繊維です。

「リヨセル」はオーストリアのレンチング社、「テンセル」は英国のコートルズ社の商標として使用されていましたが、2004年に両社は合併し、ブランド名を「テンセル」。総称として「リヨセル」と呼びます。

麻(リネン、ラミー、ヘンプ)

麻はセルロースから構成される植物繊維の総称。20種類近くあり、代表的なものに「亜麻(リネン)」、「苧麻(ラミー)」、「大麻 (ヘンプ) 」、などがあります。

地球規模の課題となっている砂漠化現象を食い止め、緑化への貢献が期待されている植物でもあるのです。工業製品としても利用価値が高く、紙・衣類・建材・燃料・薬品・プラスチック、化粧品等々、生活に必要な製品のほとんどを生産することができます。

リサイクルポリエステル

一般的なポリエステルは、石油や石炭、天然ガスを原料として人工的に作られています。それに比べてリサイクルポリエステルは、繊維製品やペットボトル、フィルムくずを原料として作られたものです。

原材料としての石油依存が削減されるだけでなく、廃棄されたものを活用することで、製造段階の温室効果ガスの排出量を削減します。また、リサイクルポリエステルは強度が強く、熱でさまざまな形に形成できるため、多様な用途で使用できます。

和紙

森林破壊に繋がることがないエシカルな素材として、日本の伝統的な「和紙」がファッションの世界から注目されています。持続可能な資源である針葉樹の間伐材やアバカから作られていて、天然繊維でありながら吸水性と速乾性を兼ね備えています。

パイナップルレザー

主にパイナップルの葉を原料に作られたヴィーガンレザーの一種です。シャネルやナイキ、H&Mといった大手ブランドがこれを活用した商品を発表するなど、現在、世界規模で注目されている新素材です。

柔らかく軽い生地感が特徴で、簡単にプリントや裁断が行えるため、サステナブルでおしゃれな製品を作ることができます。

マッシュルームレザー

きのこの菌糸体を培養させて生産する人工レザー。この菌糸体の生産は、綿生産に使用される水の半分の量で済み、動物性食品はもちろん不使用です。生産過程で発生してしまった不要物は、堆肥として菌糸体の培養に使用し環境への配慮を徹底しています。

ステラマッカートニーやアディダス、エルメスなどもマッシュルームレザーを用いた商品を発表しています。

おわりに

私たちの身近にある植物を活用した素材をご紹介しました。意外なものが原料として使われていて驚いたのではないでしょうか。

大手アパレルブランドからもエシカル素材を活用した製品が続々と販売されているので、これらが新しいトレンドになるのも近いかもしれません。

EnergyShift編集部
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