ドイツの大手電力会社の1つ、RWEは、Nordexからヨーロッパの陸上風力および太陽光発電開発事業の買収について独占入札者となった。買収すれば、現在の22GWのパイプラインに2.7GWが追加されることになる。
ヨーロッパの再エネ事業を強化
2020年7月31日、RWEは、世界最大の風力タービンメーカーの1つであるNordex SEから、ヨーロッパの陸上風力発電および太陽光発電の開発プラットフォームを買収する意向があることを発表した。
パイプラインは、フランスの約1.8GWに重点を置いたほか、スペイン、スウェーデン、ポーランドにもあり、合計で2.7GWとなっている。購入価格は、Nordex SEによると、4億250万ユーロになるとしている。
パイプラインの15%は最終投資決定に近い段階で、0.23GWについては差額契約(CfD)または同等の固定価格買取制度となる予定。開発プラットフォームには70名のチームが在籍しており、取引が完了すれば従業員はRWE Renewableに転籍する。この取引により、RWEは既存の22GWの開発パイプラインにさらに追加されることになる。
この取引を通じて、RWEはヨーロッパにおける再エネ事業を強化することになる一方、Nordexグループは資本構成を強化することになる。
RWEのCFOである、Markus Krebber氏は、今回の買収について「ターゲット市場の1つであるフランスでのポジションが強化される」とした上で、「再エネ部門で世界をリードする企業の1つとしての役割を果たすために成長する」という野心を強調している。
一方Nordex側では、CEOのJosé Luis Blanco氏が「基礎となる製品の品質と開発実績により、Nordexの優れた成果が明らかになった」と述べている。
(Text:本橋 恵一)
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