5月7日、住友商事はグループの重要社会課題と長期・中期目標を具体的なアクションプランとともに策定した。同時に、重要社会課題のひとつ「気候変動問題に対する方針」も見直した。
気候変動問題に対する方針の見直しで、石炭火力について、新規の発電事業・建設工事請負に取り組まないことを発表。発電ポートフォリオをより環境負荷の低いものへすることを明確にする一環だとしている。
住友商事の石炭火力発電事業は、2035年までにCO2排出量を2019年比で60%削減し、2040年代後半にはすべての事業を終え、石炭火力事業から撤退するとした。
一般炭鉱山開発事業についても新規の権益取得はおこなわず、2030年に一般炭鉱山持分生産量ゼロを目指す。
発電ポートフォリオは2019年に石炭50%、ガス30%、再エネ20%を、見直し前で2035年石炭30%、ガス40%、再エネ30%を、見直し後に石炭20%、ガス50%、再エネ30%とする。2035年の見直し前と見直し後を比べると、石炭が10%減る分はガスが10%上がることで相殺されており、再エネの30%目標は変更がない。
また、新規石炭火力の建設について、唯一の例外としてバングラデシュ マタバリでの火力発電所の拡張案件については今後参画の是非を検討するとしている。
今回の発表を受けて国際環境NGO350.org Japanなどは共同声明を発表。バングラデシュの「唯一の例外案件」にも入札の不参加とすることを求めた。さらに住友商事が出資しているベトナムで建設中のバンフォン1、インドネシアで建設中のタンジュン・ジャティBの5・6号等の建設も「2040年石炭火力事業撤退」にそぐわないとし、見直しを求めた。
住友商事は2019年3月にTCFDに賛同を表明、ESG情報の開示をおこなっている。
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