2020/2/7~2/14までの海外ニュースピックアップ | EnergyShift

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2020/2/7~2/14までの海外ニュースピックアップ

2020/2/7~2/14までの海外ニュースピックアップ

EnergyShift編集部
2020年02月21日

日本ではあまり紹介されない海外のエネルギー業界最新ニュース。EnergyShift編集部が厳選してお送りする。

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スウェーデン、ガソリン車の売上数40%減少。EVは3倍、市場の30%に

スウェーデンでは2020年1月のガソリン車の売上が、前年同月比でほぼ40%減少した。ディーゼル車もおよそ50%以上減少する一方、EVの市場シェアは30%を上回った。スウェーデンの自動車産業組合は2020年を通してEVのシェアは30%を維持するだろうと見込んでいる。
今年1月のEVシェアの内訳は、プラグインハイブリッド(PHEVs)が全市場の内23.1%、純正なバッテリー電気自動車(BEVs)は7.1%だった。ディーゼル車の売り上げ台数は2019年1月の8,113台から3,840台に減少し、マーケットシェア21.6%という結果となった。
EVセールスの飛躍は、CO2排出量へのインセンティブ制度の導入月から始まった。スウェーデンでは、自動車のCO2排出量が0~70g/kmだと最大5,700ユーロのインセンティブを受け取ることができ、95g/km以上だと追加で税が毎年かかる。ディーゼル車のCO2排出量は、2018年平均で122g/kmで、最大425ユーロ/年の年間税額がかかる。225g/kmのスポーツカー(例えばポルシェ911)は年間税額1,250ユーロだ。

Fossil Fuel Vehicles Plummet 40% In Sweden As EVs Triple To Over 30% Market Share(CleanTechnica 2020/2/7)

米サンディエゴで開催される展示会Intersolarで、革新的な太陽光モジュールを展開

米サンディエゴで開催されたIntersolar2020では、様々な新しい技術が紹介された。その内の一つがカナダ産ISP Solarのモジュール革新。シリコンの消費とコストの最小化を可能にし、太陽光パネルの価格を半減する可能性を秘めているとMITと米国立再生可能エネルギー研究所(NREL)は見ている。同企業は24.3%の変換効率セルを細長くスライスし、さらに反射鏡で囲み、パネル全体の変換効率を20%まで上げることを可能にした。2020年夏までの実証データ提供を目指している。ほかにも同展示会のみどころを紹介。

Innovative PV modules at Intersolar San Diego(pv magazine 2020/2/7)

シェル、イギリスのガソリンスタンドをEV充電スタンドへ転換

CleanTechnicaではシェルが2019年10月に発表した内容を詳しく取り上げている。同リリースによれば、英ウェストロンドンのFulhamにあるシェルの既存ガソリンスタンドは、EV充電ステーションを追加するのではなく、完全にガソリンスタンドからEV充電スタンドに作り直す。充電ステーションには1台あたり最大150kWの充電力を備える充電器10台が設置され、各最大150kWの充電力を備える。ほかにもイギリスでのEV充電ステーションを拡充している。
シェルは同時期に「カーボン・ニュートラル・プログラム」も発表。イギリスのサービス・ステーションでGo+ カードを利用して燃料を購入すれば、CO2排出量を無料で相殺するというものだ。これらから、シェルの再生可能エネルギーへの転換を考察している。

Shell Transforming Petrol Station To EV Charging Station In UK(CleanTechnica 2020/2/7)

ロシアでⅢ-V族太陽光セルの新しい製造プロセスを発表

ロシア、サンクトペテルブルクのITMO大学の研究者が、Ⅲ-V族半導体を用いた新しい太陽光セルの試験をしている。Ⅲ-V族半導体とは、Ⅲ族元素とV族元素の化合物で、半導体材料として発光素子や受光素子に使われている。
ITMO大学のチームは、Ⅲ-V族であるGaNPをシリコン基板上にMBE法で成長させることに成功した。Solar Energy Materials and Solar Cells誌に論文が発表された。
これにより、安価で高効率な太陽光セルの開発につなげることができる。シリコンはIIV-V太陽光セルに使用される素材よりも低価格だからだ。研究者によれば、変換効率が40%を超える可能性もあるという。

Russian scientists unveil new manufacturing process for III-V solar cells(pv magazine 2020/2/11)

フランス軍事省、246MWの太陽光発電所を計画

フランス軍事省は、パリ北部のクレイユ空軍基地太陽光発電所入札の落札者を発表。フランス企業Photosolが契約を確保し、246MWの発電所の開発と施工を担当する。費用は約1億3,000万ユーロとなる見込みだ。発電所候補地の253ヘクタールの内、180ヘクタールに547,000枚の太陽光パネルを設置。同プロジェクトは、2022年の試運転を目標に、年間発電量は241GWhの予定。フランス国内では2番目に大きいメガソーラー発電所となる。
同政府の“place au soleil”計画の一環として、フランス国内の太陽光容量を増やすために、軍事省は2022年までに2,000ヘクタールの土地を使用可能にすると明らかにした。

French Army plans for 246 MW solar plant(pv magazine 2020/2/12)

(執筆:EnergyShift編集部 柴田 奈々)

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