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中国の次はインドか 石炭最高値更新、電力不足が深刻化

中国の次はインドか 石炭最高値更新、電力不足が深刻化

中国に続き、インドでも電力不足への懸念が高まっている。新型コロナウイルスの感染者が減り、経済活動の再開で、産業界向けの電力需要が急増した一方で、主力電源の役割を果たすべき石炭の供給が追いついていないためとされている。

「インディア・トゥデイ」やロイター通信などの報道によると、石炭火力発電所の半数以上で燃料の在庫が3日分を割り込んでいることが明らかになった。インドに135ある石炭火力発電所のうち、10月1日時点の石炭在庫は平均で4日分しかなく、半数以上では在庫が3日未満という。政府が推奨する最低2週間分の確保を下回り、8月初めの同13日分から減少した。

石炭の需給逼迫による電力不足は、中国でもすでに深刻化しており、約20の地域で電力不足が相次ぎ、東北部の遼寧省などでは停電が起きた。米アップルや米テスラなどが電力不足で工場の稼働停止に追い込まれた。

インドは世界第2位の石炭輸入国でもあり、総発電量の70%以上を石炭に依存している。石炭価格の世界的な高騰を受け、インドの石炭輸入量は8~9月に7月以前の月平均と比べて3割以上減少。電力各社は代わりに割安な国産石炭の調達などを増やそうとしたが、9月の豪雨による減産に見舞われ、見通しが外れた。

インド国内の石炭供給の80%を担う国営企業「石炭インディア」は、10月以降の発電所向けの供給量引き上げを表明しているが、国内需要の変動に追いつけずにいる。

中国に続いてインドでも電力不足が深刻化すれば、世界的な供給網の混乱に拍車をかける恐れがあるとの懸念が出ている。

中国は冬の電力不足を回避するために化石燃料の確保に動いており、アジアで石炭価格のさらなる上昇が予想される。インドでの石炭の供給回復には時間がかかる可能性がある。

日経新聞の報道によると、米金融情報会社S&Pグローバル傘下の印クリシルは9月末のリポートで「短期的には石炭の輸入が唯一の選択肢」と指摘した。石炭の供給不足が続き、「発電所の石炭在庫は22年3月まで徐々にしか改善されない」との見通しを示した。

現時点で大規模な停電は確認されていないが、インドの電力部門が「パーフェクトストーム(複数の災厄の同時襲来)」に直面しているとの見解もあり、インドのモディ首相はかねてより自立した経済圏の確立を唱えてきた。

各国が低炭素化・脱炭素化に向けたエネルギー需給転換を加速させていた中、インドの電力セクターはパリ協定を踏まえ、インドにおいても再生可能エネルギーの積極的な導入を通じて化石燃料への依存度を低減させようとしているが、当面は電力の供給安定化に関する課題に取り組むことが求められている。

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EnergyShift編集部
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