石炭火力支援停止に 深刻な電力不足 どうした中国 | EnergyShift

脱炭素を面白く

EnergyShift(エナジーシフト)

石炭火力支援停止に 深刻な電力不足 どうした中国

石炭火力支援停止に 深刻な電力不足 どうした中国

2021/10/01

中国に異変が起きている。中国といえば、カーボンニュートラルを掲げたとはいえ、2030年までの目標は、CO2排出量を増やす方向を示唆しており、引き続き、CO2を排出しながら、経済を優先する模様だが、石炭火力をめぐって、2つの異変が起きている。一つ目は、気候変動界隈では衝撃の大きかった中国による石炭火力支援の停止。二つ目が中国における深刻な電力不足だ。すでに日系企業の工場の操業にも影響が出ている。なぜ、中国がこのような状況に至ったのか、ゆーだいこと前田雄大が解説する。

エナシフTV連動企画

2つの異変の裏にある中国の思惑とは

中国で起こった2つの異変はいずれも、脱炭素が関係している。

一方で、「こんなことがあるのか?」という違和感がある事案でもある。中国がこんなにも簡単に、こうした状況を招くのか、という違和感だ。

筆者が外交官人生で学んだのは、違和感があるときには、必ず理由がある、ということだ。なぜ、そんなことが? というときには、必ず背景に理由がある。

今回の異変、米中対立の文脈の中で起きたことであるが、石炭火力の支援停止については、何か中国にとって決定打となったものがある。そして、国内電力不足はもっと深い中国の思惑がある。そしてその両者は関連していることが見えてきた。

それを紐解くと、中国が直面する窮地とともに、長期的な国家ビジョンも見ることができる。今回は中国の思惑についてお伝えしたい。

まず、中国の石炭火力支援停止について解説をした上で、次の3つの論点について分析をしていきたい。

  1. なぜ、中国国内で電力不足が起こったのか
  2. 米中の文脈から、2つの現象を引き起こすに足る事案とは何か
  3. 中国が国内の経済成長を一時的に失ってでも取りたいものとは何か

 なぜ、中国は石炭火力支援停止を表明したのか・・・次ページへ

前田雄大
前田雄大

YouTubeチャンネルはこちら→ https://www.youtube.com/channel/UCpRy1jSzRpfPuW3-50SxQIg 講演・出演依頼はこちら→ https://energy-shift.com/contact 2007年外務省入省。入省後、開発協力、原子力、官房業務等を経験した後、2017年から2019年までの間に気候変動を担当し、G20大阪サミットにおける気候変動部分の首脳宣言の起草、各国調整を担い、宣言の採択に大きく貢献。また、パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略をはじめとする各種国家戦略の調整も担当。 こうした外交の現場を通じ、国際的な気候変動・エネルギーに関するダイナミズムを実感するとともに、日本がその潮流に置いていかれるのではないかとの危機感から、自らの手で日本のエネルギーシフトを実現すべく、afterFIT社へ入社。また、日本経済研究センターと日本経済新聞社が共同で立ち上げた中堅・若手世代による政策提言機関である富士山会合ヤング・フォーラムのフェローとしても現在活動中。 プライベートでは、アメリカ留学時代にはアメリカを深く知るべく米国50州すべてを踏破する行動派。座右の銘は「おもしろくこともなき世をおもしろく」。週末は群馬県の自宅(ルーフトップはもちろん太陽光)で有機栽培に勤しんでいる自然派でもある。学生時代は東京大学warriorsのディフェンスラインマンとして甲子園ボール出場を目指して日々邁進。その時は夢叶わずも、いまは、afterFITから日本社会を下支えるべく邁進し、今度こそ渾身のタッチダウンを決めると意気込んでいる。