2021年の流行語大賞にノミネートされた「SDGs」。博報堂の調べによると日本での認知度は今や56%*と国民の半分以上に認知されているキーワードとなっている。中でも10代(16~19歳)の認知率は69.9%とオトナ世代を大きく上回っている。
その背景には、学校などでSDGs教育が取り入れられていることがあると言えるだろう。
今回はSDGs教育に力を入れる青稜中学校・高等学校と、グリーン電力のしろくま電力(ぱわー)の共同プロジェクトをレポートする。
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SDGs教育を深化させ、学校や生徒のアクションにつなげているのが、東京都品川区の青稜中学校・高等学校だ。
同校では、生徒の発案からSDGs部を発足。中・高校生からなる40名ほどの部員が、SDGsに関連する社会問題をテーマに複数のチームに分かれて活動をしている。
「『物資支援』『農福連携』『ヤングケアラー』など、生徒たち自らがなんとかしたいと思っている社会的な課題別にチームを作ってアクションをしています。彼らにはたくさんのアイディアがあります。でも、実行に移すには大人のサポートが必要な場面は少なくありません。そんな時、彼らに手を貸すのが私たち教師の役割だと思っています」
と、自らSDGs部の顧問を務める校長の青田泰明氏は話してくれた。
青稜中学校・高等学校 青田泰明(あおたやすひろ)校長
「SDGsに関心が高いのは生徒だけではありません。青稜中学校・高等学校としても、環境意識の高い企業とコラボレーションするなど様々な取り組みを行っていますが、そのひとつが実質100%グリーン電力を供給するしろくま電力の導入です。子供たちの未来のためにも、世界的・社会的ニーズから考えても、教育機関や公的施設もグリーンエネルギーの導入には積極的に取り組むべきだと思ってきました。ただ、唯一の課題ともいえるのがコスト問題でした。
ところが、しろくま電力なら電気料金はそのままグリーン電力に切り替えられると聞いて、切り替えない理由はないなと即決しました。
青稜中学校・高等学校ではこれまでもCO2排出係数の低い電力を利用していましたが、しろくま電力を導入することで、電力によるCO2排出ゼロを実現できました」
と青田校長は話した。
しろくま電力の導入をきっかけに、もっと生徒やその家庭に脱炭素の重要性・必要性を知ってもらうことはできないか、そんな青田校長の思いとしろくま電力の理念が重なり、SDGs部 環境問題チームの生徒たちとのプロジェクトがスタート。
青田校長は次のようにコメントした。
「『子供が変われば親も変わる』 生徒たちにも常日頃そう伝えています。子供の正しい言動やストレートな視線に、襟を正す大人は少なくありません。子供が正しい方向に変わろうとすれば、親も変わろうとするものですよね」
しろくま電力(ぱわー)が生徒向けに用意したのは、3つのステップだ。
この3ステップを経て、環境問題チームの7名の生徒たちが考えるオリジナルの「脱炭素アクション」のアイディアを、保護者が集う「父母の会」でプレゼンするというのが、今回のプロジェクトのゴールであり、最も優れたアイディアはしろくま電力が実現をサポートするとのことだ。
生徒が自ら取り組む「脱炭素アクション」。考え抜かれたアイディアとは・・・次ページ
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