2050年に市場規模40兆円の鉄鋼業界の脱炭素 日本製鉄、神戸製鋼が挑む奥の手とは 水素まとめその4 | EnergyShift

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2050年に市場規模40兆円の鉄鋼業界の脱炭素 日本製鉄、神戸製鋼が挑む奥の手とは 水素まとめその4

2021年12月06日

中国勢には規模ではかなわない。生き残るには脱炭素

とはいえ、どの製法も課題は多い。

高炉法はエネルギー効率が高く、不純物を除去できるため、日本の強みである高級鋼の製造に欠かせない。やはり石炭を使わざるをえず、100%水素還元は現状難しい。CO2排出ゼロのハードルは高い。

直接還元法にしても、100%水素還元をおこなえばCO2排出をゼロにできる可能性があるものの、高炉法のように鉄鉱石の還元と溶解をひとつの炉で一貫しておこなうことができないため、エネルギー効率が低いという課題がある。

電炉は高炉に比べて不純物を除去することが難しいうえ、使う電力が化石燃料由来であったら、脱炭素を実現できないという難点を持つ。

さらにゼロカーボンスチールを実現できたとしても、「粗鋼の製造コストは現状の倍以上となる」(日本製鉄)ため、誰がそのコストを負担するのかといった課題もある。

多くの課題を抱える中、国も鉄鋼の脱炭素に向け、最大1,935億円の支援をおこなう予定だ。

中国の粗鋼生産量は10億トンを超え(2019年時点)で世界シェア55%を握る。世界最大の鉄鋼メーカーである中国宝武鋼鉄集団の生産量は日本製鉄の約3倍まで膨らんだ。規模ではもはや中国勢にはかなわない。日本の鉄鋼3社は、生き残りをかけゼロカーボンスチールの開発に挑んでいる。

藤村朋弘
藤村朋弘

2009年より太陽光発電の取材活動に携わり、 その後、日本の電力システム改革や再生可能エネルギー全般まで、取材活動をひろげている。

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