日産自動車は日本の国産車メーカーとしてはじめてSBT(サイエンス・ベースド・ターゲット)の認証を取得した。8月26日に発表した。
また、SBTの承認機関であるSBTi(SBTイニシアチブ)がおこなっている、企業が気温上昇を1.5度未満に抑えることを目指す「Business Ambition for 1.5℃」キャンペーンに賛同を表明した。
SBTとは、サイエンス・ベース・ターゲット、つまり科学的根拠に基づく目標であり、SBTiは、世界中の企業が2030年までに排出量を半減させ、2050年までに排出量をゼロにすることを目標に、企業が最新の気候科学に基づいて野心的な排出削減目標を設定できるよう活動しているグローバル組織だ。
日産は、これまで世界で初めてグローバルに量産型EV「日産リーフ」を発売したり、独自のe-POWER技術の採用を拡大しながら、「日産アリア」などの新型EVの投入を発表したり、主要市場に投入する新型車すべてを電動車両とすることを目指したりとカーボンニュートラルの実現に向け、電動車両と電動化技術の普及促進に取り組んできた。
今回のSBT認定は、同社のこうしたCO2削減目標がSBTiによって検証され、最新の気候科学に沿ったものであると認定された。
同社は以前、SBTiに対して脱炭素に取り組むとコミットしていたが、2年の猶予期間中に目標を提出できず、一度目標承認プロセスリストから外されていた。(SBTの認証はコミット発表から2年の間に削減目標などを提出しなくてはならない)。その後、同社は改めてSBTiに「WB2.0℃」目標(2℃を十分に下回る)を提出し、7月30日承認された。
ただし、SBTiは削減目標を今年7月に引き上げており、今回のWB2.0℃の承認を得た企業であっても、今後は1.5℃目標にしなくてはならない。
本発表の中で、日産の社長兼CEOの内田誠氏は、「今回のキャンペーンへの参画やSBTの認証を通じて、気候変動の課題解決に取り組み、持続可能な社会を実現していく決意を新たにしている。カーボンニュートラルの実現に向けた世界的な取り組みを加速させるため、自らの役割をしっかりと果たしていく」と述べている。
また同じリリースで日産は、国連が支援するRace to Zeroキャンペーンに参加すると発表した。同キャンペーンに日系企業が正式に参加するのは初となる。
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