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自治体で広がる再エネ導入義務化 東京都、群馬県が2月に条例案提出 大企業も中小企業も迫られる脱炭素

2022年02月16日

カーボンハーフ実現に向け、EVや水素普及も強化

東京都は2030年までにガソリン車の新車販売禁止も打ち出している。

2月4日に公表したロードマップでは、電気自動車(EV)や燃料電池自動車の普及拡大に向けた目標も盛り込んだ。まずEV普及に欠かせない急速充電器を2030年までに1,000基まで増やす(2020年度326基)。2020年度時点で22ヶ所しかない水素ステーションは、2030年に150ヶ所に拡大させる計画だ。

運輸部門における2030年目標と現状


出典:東京都

都は、2022年度の当初予算案においてゼロエミッション・ビークルの普及促進に前年比2倍強となる176億円、水素エネルギーの普及拡大に約9倍となる269億円を計上。カーボンハーフ実現に向けた予算総額は約3倍となる971億円になる見込みだ。

群馬県も再エネ導入を義務化、大規模建物を対象に

群馬県も太陽光発電などの再エネ設置義務化に乗り出す。

延べ床面積2,000平方メートル以上の大規模建物を新築、または増改築する場合、太陽光発電などの再エネを導入義務化する条例案などをまとめた「ぐんま5つのゼロ宣言実現条例案」を2月に開催される県議会に上程する。

群馬県は2019年12月、「ぐんま5つのゼロ宣言」を打ち出し、2050年までに自然災害による死者、温室効果ガス排出量、災害時の停電、プラスチックゴミ、食品ロスの5つを「ゼロ」にする目標を掲げていた。実現に向け、大規模建物に対して再エネの導入を義務づける。群馬県によると、2,000平方メートル以上の施設は年間50棟程度、建てられているという。違反した事業者には指導などをおこなう方針だ。

さらに県内事業者に再エネ導入計画の提出や報告を求め、その内容を公表することも検討している。

2月4日の臨時記者会見において、山本一太群馬県知事は条例化について「かなり踏み込んだ取り組みだ。産業界を丁寧に説得していかなければならない。難しいチャレンジだが、しっかりと進めていきたい」と述べ、2022年度の予算案に「ぐんま再生可能エネルギープロジェクト」として約24億円を計上。企業の再エネ投資を促すために金融機関と連携して低金利の融資制度を新設する。さらに住宅にも太陽光発電の導入を拡大させたい考えだ。

京都府、京都市ではじまった太陽光発電の設置義務化が、東京都、群馬県に広がったことで、全国的に波及する可能性が出てきた。東京都は国に先んじて、義務化対象を住宅にまで拡大させた。大手企業はもちろん中小企業、さらに一般家庭も対応を迫られることになりそうだ。

 

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藤村朋弘
藤村朋弘

2009年より太陽光発電の取材活動に携わり、 その後、日本の電力システム改革や再生可能エネルギー全般まで、取材活動をひろげている。

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