9月27日、法人向け電力オークションを展開しているホールエナジーは、日本初の「コーポレートPPAオークション」を立ち上げると発表した。再生可能エネルギーの開発、売電などに特化した電力会社のafterFITとの業務提携を通じて、需要家が再生可能エネルギーを入札で発電事業者から調達できる仕組みの提供を年内に開催する。
コーポレートPPA(CPPA)は、再エネから作られた電力を需要家が発電事業者から10~25年間の長期にわたり購入する契約だ。小売電気事業者からの電力調達ではなく、再エネ電源を直接調達する手段として注目されている。今回立ち上げる「CPPAオークション」は、需要家と発電事業者を直接結びつけ、マッチングするオークションプラットフォームサービスだ。
再エネ電力の固定価格買取制度(FIT)の価格が下がる中、発電事業者の間では企業に直接売る機運が高まっている。一方で再エネの比率を高めたい需要家の企業も調達手段の1つとして注目している。
需要家は、FIT制度を利用しない、いわゆる「非FIT」の再エネ電源の(発電所)の中から最適な案件を選択できる。それにより発電事業者は「非FIT」電源の契約先の確保が可能になるという。
まずはホールエナジーが発電事業者と需要家を仲介するという仕組みで第一号案件を2021年12月に実施、2022年中にウェブサイトで需要家を集めるプラットフォームをスタートさせる予定だ。
ESG投資の流れが世界的に加速し、企業自らが再エネ発電所への投資や直接調達、開発に乗り出すことが求められている。同社はそれを実現する手段として注目されるのが「CPPA」であると強調している。
さらに「CPPA」を入札にすることで、需要家にとっては複数の案件を比べられる他、調達価格の透明性も担保できる。また、こうした需要家に幅広いアプローチができるとして発電事業者にとっても利点がある。
「CPPA」は世界で普及しており、同社はオークションの導入で再エネの導入拡大を後押しする。
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