JREの設立は2012年とまだかなり新しい会社であり、再エネに特化して事業を展開している。
太陽光、風力、バイオマスの開発から、再エネ発電所の保守メンテナンスも事業展開している。現在、日本や台湾で計60の太陽光や風力、バイオマスの発電所を手掛けており、HPによれば、開発中の発電所を含めた設備容量は約88万kWとなっている。ただ、設備容量とだけしか書いておらず、再エネ企業あるあるなのだが、その数字が全て保有している発電所なのかどうかが分からない。参考値としての設備容量と捉えておくほうがいいだろう。ちなみに、この設備容量は原子力発電所1基分に相当する。
実態としては、出資者がゴールドマン・サックスとシンガポールのGICであるため、外資から資金を調達しながら、そのお金で発電所を建てていった、というところだろう。これだけの発電所を手掛けるとなると、かなりの資金が必要となり、発電所自体は資金回収を10年程度で考えるため、2012年創業ということは、まだその途上にいる状況だ。
そのあたりは、売上、利益のところにも出てきている。2020年12月期の連結売上高は224億円、純利益は9億1,200万円の赤字であった。
この数字に照らすと、ENEOSの事業規模からすると現時点の売上、利益を考えた場合には微々たる貢献であり、さらに、2,000億円を出してまで買う企業か? と疑問に思った読者もいるのではないか。
そこで次に、ENEOSがJREを買収する狙いはズバリ、どこなのか。その後の戦略も踏まえて解説したい。
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