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ENEOSの必死の脱炭素転換 再エネ企業買収は吉と出るのか?

2021年10月11日

ENEOSの先例ともいえる世界的な企業とはどこなのか

代表例が、デンマークの再エネ大手企業のオーステッドだ。

日本の洋上風力市場の参入も狙う同社の元々のルーツは国営石油・ガス会社である。オーステッドは2000年代に電力事業に進出すると、2006年に洋上風力に投資していた会社と合併、その後、どんどん洋上風力を手掛けていき、台湾などにも進出。2017年10月には石油・ガス事業をイギリスの石油会社イネオスに売却し、色としては再エネ中心の電力企業という形になった。

オーステッドは華麗なる転身を遂げたわけだが、いまでは完全に脱炭素銘柄となっており、2020年には東京電力や関西電力など日本の電力大手10社の時価総額の合計よりも、オーステッド1社の方が、時価総額が上回るという事態になっていた。

当然、株価もどんどん上昇し、いまのESGの流れや、脱炭素の流れを完全に追い風として成長を続けている。

ENEOSが目指している姿は、究極はここだろう。もちろんオーステッドの例とは時期も違えば、先発と後発という違いもあるが、その足掛かりとして、今回のJREの買収がある。

そうなると次に気になるのが、銘柄としてどうか、という点だ。最後に投資対象としてどうなのか、分析していきたい。

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前田雄大
前田雄大

YouTubeチャンネルはこちら→ https://www.youtube.com/channel/UCpRy1jSzRpfPuW3-50SxQIg 講演・出演依頼はこちら→ https://energy-shift.com/contact 2007年外務省入省。入省後、開発協力、原子力、官房業務等を経験した後、2017年から2019年までの間に気候変動を担当し、G20大阪サミットにおける気候変動部分の首脳宣言の起草、各国調整を担い、宣言の採択に大きく貢献。また、パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略をはじめとする各種国家戦略の調整も担当。 こうした外交の現場を通じ、国際的な気候変動・エネルギーに関するダイナミズムを実感するとともに、日本がその潮流に置いていかれるのではないかとの危機感から、自らの手で日本のエネルギーシフトを実現すべく、afterFIT社へ入社。また、日本経済研究センターと日本経済新聞社が共同で立ち上げた中堅・若手世代による政策提言機関である富士山会合ヤング・フォーラムのフェローとしても現在活動中。 プライベートでは、アメリカ留学時代にはアメリカを深く知るべく米国50州すべてを踏破する行動派。座右の銘は「おもしろくこともなき世をおもしろく」。週末は群馬県の自宅(ルーフトップはもちろん太陽光)で有機栽培に勤しんでいる自然派でもある。学生時代は東京大学warriorsのディフェンスラインマンとして甲子園ボウル出場を目指して日々邁進。その時は夢叶わずも、いまは、afterFITから日本社会を下支えるべく邁進し、今度こそ渾身のタッチダウンを決めると意気込んでいる。

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