総務省、グリーン専門家派遣し、地方の脱炭素加速 農水省、文科省も予算積み増し 2022年度概算要求 | EnergyShift

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総務省、グリーン専門家派遣し、地方の脱炭素加速 農水省、文科省も予算積み増し 2022年度概算要求

総務省、グリーン専門家派遣し、地方の脱炭素加速 農水省、文科省も予算積み増し 2022年度概算要求

2050年の脱炭素社会の実現を目指し、各省庁から再生可能エネルギーやCO2削減に向けた事業が2022年度予算の概算要求で盛り込まれている。総務省は、自治体の脱炭素を支援するため民間専門家の地方派遣を新たにはじめる。農林水産省や文部科学省は、農林水産分野や学校などの脱炭素に向けた予算を計上した。

総務省、脱炭素の専門家を民間から募集

地域における脱炭素社会の実現には、再エネや省エネを推進し、これら再エネ、省エネを基盤とした住民サービスの創出、さらにはデジタル技術を使った脱炭素の促進や地域課題の解決が欠かせない。

しかし、自治体の中には、「2050年脱炭素宣言をしたものの、何から取り組めばいいのかわからない」「長期的な再エネ事業の運用計画を検討したいが、経営感覚がない」「最新の省エネ技術の知見がない」といった悩みを抱えている市町村は多い。

総務省は、民間からグリーン専門人材を派遣し、地方の脱炭素を加速させる。市町村長の補佐役などの役職に就かせることで、国と地域の橋渡し役を担う。10億円を計上した。

脱炭素専門家の業務分野は「調査・地域計画・金融」「電気・ガス」「情報通信、土木・建築、交通、観光、農林水産」などが想定されている。

まず「調査・地域計画・金融」では、どうすれば地域の事業者や住民による再エネ、省エネの取り組みが進むのか。対応策の検討や、再エネ、省エネ事業による雇用の創出、新たな住民サービスの検討などの推進が期待されている。

「電気・ガス」では、再エネ導入に向けた立地の選定や利害関係者との合意形成、あるいは地域新電力の事業開始に向けたノウハウ提供というニーズがある。

また交通、観光、農林水産分野における省エネに向け、効果的なデジタル技術の活用のほか、庁舎や公共施設、交通機関の脱炭素に向けた実行計画の策定、自然災害などが発生した際、地域内エネルギーをどう利用すべきか。こうした課題を推進することができる脱炭素の専門家を民間などから募集し、2022年度から派遣する計画だ。なお、民間企業からの協力情報リストの提出期限は9月10日となっている。

このほか総務省では、通信の高速大容量化や、低消費電力化の実現に向け、グリーン社会に資する光ネットワーク技術の研究開発に新たに20億円を計上した。

農水省、農林水産分野の脱炭素に向け65億円要求

農水省は、農林水産分野における脱炭素戦略である「みどりの食料システム戦略」に関して、新たに65億円を要求した。バイオテクノロジーや最新機械を活用した新たな栽培方法などの研究開発を支援することで、脱炭素に向けた基盤技術を底上げする。

また、持続的な食料システムの構築に取り組む先進地区の創出を目指し、「みどりの食料システム戦略推進交付金」を新たに設け、30億円を計上した。バイオマス利活用施設の導入や、営農型太陽光発電など再エネの導入によって、地域循環型エネルギーシステムを構築した先行モデルをつくり出す。

このほか、森林によるCO2吸収量の強化や国土強靭化、林業の発展などに向けて、2020年当初予算比18%増となる総額1,478億円を計上している。

文科省、学校施設の脱炭素を推進

文科省は、学校施設の脱炭素化をはじめ、次世代半導体の研究開発強化や人材育成や次世代蓄電池の研究開発などを盛り込んだ。

文科省では教育環境の脱炭素を目指し、学校施設への太陽光発電などの再エネ導入やZEB(ゼロ・エネルギー・ビル)化などを推進している。2021年5月時点で全国の公立小中学校おける太陽光発電設置率は34%であり、さらなる普及拡大に向け取り組んでいく。

脱炭素の研究開発には前年度比38%増となる490億円を求めた。

このうち、313億円をITER(国際熱核融合実験炉)計画などにあてる。

残る25.9億円は、日本の半導体産業基盤の強化に向けた次世代半導体の研究開発力の強化や、人材育成、デジタル化を支える徹底した省エネの推進などに計上した。気候変動予測技術の高度化・データ利活用強化には13億円を予算化した。

また経済産業省と連携し、グリーン水素製造に向けて、はじめて高温工学試験研究炉(HTTR)の事業を要求した。

このほか、航空分野の脱炭素に向けて40億円を計上し、超低燃費航空機技術や航空機の電動化などを推進することで、航空機産業における世界シェア20%を目指す方針だ。

(Text:藤村朋弘)

EnergyShift編集部
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