容量市場は自家発やFIT電源を除けば、原則としてすべての電源が応札することになる。また、電源種別は、
の4つに分類される。このうち①の安定電源が圧倒的に多く、全体の応札容量の94.1%を占める。一方、②は2.5%、③は0.2%、④は3.2%という割合だ。
安定電源の内訳は図2の通りだが、石炭等の微減と原子力の微増が指摘できる。新たに関西電力美浜3号機が再稼働したことと、非効率石炭火力の一部が廃止される見込みということだろう。
図2
出所:電力広域的運営推進機関
今回の応札電源で注目されるのは、④の発動指令電源が上限以上の応札があり、0円応札であっても落札できないケースがあったことだ。
発動指令電源は需給ひっ迫時の節電(デマンドレスポンス)などを含むもので、必ずしも電力を供給するわけではない。そのため、調達の上限は最大電力需要(正確にはその3日間の平均)の3%となっている。昨年度のオークションでは上限約定量473万kWに対し、88%の応札があった。ところが今回のオークションでは上限を超える応札があった。うち557万kWは0円での応札である。そのため、ランダムに未落札を選ぶこととなった。
今後も、最大電力需要の3%を上限としていくのであれば、デマンドレスポンスを含むVPPビジネスに制約がかかることになる。しかし、再生可能エネルギーの増加はVPPによる需給バランスの調整を必要としており、VPPそのものは拡大が期待されている。対象年度の1年前に実施される追加オークションでの対応が望まれるところだ。
その一方で、わずかではあるが、小規模変動電源のアグリゲートは増加している。これは、卒FITとなった住宅用太陽光発電などをまとめた電源が想定されているものだが、前回の24万kWから今回は38万kWに増加し、この分野の事業が進んでいることをうかがわせる。
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