10月2日、テスラは第3四半期の売り上げを発表した。それによると、当期は24万1,300台の販売台数で、前年同期の10万2,000台増になる。テスラは地域別の販売台数を公開していない。
一方、他の大手自動車メーカーは販売減に苦しんでいる。米GMは第3四半期の売り上げは44万6,997台の販売だったが、これは前年同期比33%減になる。
他にも主に半導体不足の煽りを受けて、自動車大手メーカーは軒並み減産を強いられている。トヨタ自動車はグループでの今年8月の世界生産台数が前年同月比13%減の63万台に。トヨタ単体では16%減だった。日産も8月生産台数が前年同月比13%減の約26万台。ホンダも同30%減の約27万台と落ち込みが目立つ。
テスラはどうやってこの半導体不足を乗り越えたのか?
今年7月の第2四半期の決算発表で、イーロン・マスク氏が答えたところによると、不足した半導体とは別の半導体を調達し、テスラの車体で動作するようにファームウェアの方を書き換えたのだという。
7月の発表では「当社の電力、およびファームウェアエンジニアリングチームは、半導体不足が続く中、19種類の新しいコントローラーの設計、開発、検証に懸命に取り組んでいます」と述べており、米メディアのThe Verveの取材にも「我々は、代替チップで代用し、数週間でファームウェアを作成することができました。単にチップを交換するだけでなく、ソフトウェアも書き換えなければなりません」とコメントしている。
テスラは10月2日の発表で「世界的なサプライチェーンと物流の課題に取り組む中、忍耐強く対応してくださったお客様に感謝いたします」とコメントしている。
もちろん、テスラは半導体不足の問題を完全に解決したわけではない。ただ、イーロン・マスクは楽観的なようだ。9月24日のイタリアでのテック・ウィークのイベントで、「多くの半導体製造工場が建設されている。来年には半導体チップを提供するための十分なキャパシティは確保できるだろう」とコメントした。
イーロン・マスクにとっては半導体不足の問題とともに取り組まなければならない問題が山積しているのも確かだ。中国のリコール問題、アメリカでの国家運輸安全委員会による調査、サイバートラックなどの開発の遅れ等々。
EVの販売台数では五菱(Wuling)の宏光MINI EVに猛追を受けている。もちろん、グレードも値段も大きく違う宏光MINI EVとテスラ・モデル3を比べるべきではないが、参考までに。
今年8月までのEV販売台数テスラ・モデル3の285,047台に対して宏光MINI EVは253,704台。8月単月では宏光MINI EV41,188台に対してテスラ・モデルYは28,144台、モデル3は22,889台と追い抜かれている。
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