23兆円の水素タービン市場に切り込めるか 三菱重工、川崎重工、IHIが狙う水素発電 水素まとめその3 | EnergyShift

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23兆円の水素タービン市場に切り込めるか 三菱重工、川崎重工、IHIが狙う水素発電 水素まとめその3

2021年12月03日

川崎重工は発電、運搬船、航空機まで、水素サプライチェーンの構築目指す

川崎重工も水素関連事業で2030年度に3,000億円の売り上げを目指している。

同社は水素を天然ガスに0〜100%まで自在に混焼可能な技術を開発し、2018年には大林組などと、水素と天然ガスを燃料とする1,000kW級ガスタービンを核としたコージェネレーションシステムを神戸市に建設、水素をエネルギー源として電気と熱を市街地へ供給する実証を世界ではじめて開始した。2019年からは、高効率な水素専焼発電の技術開発を実施している。


神戸ポートアイランドに建設した水素コジェネシステム
出典:川崎重工業

2021年11月には、水素をエンジン燃料とした水素航空機の研究開発もはじめると表明。エンジン燃焼器やタンクに加え、2,000〜3,000キロメートルの航続性能をもつ機体など基幹技術の開発を手がけ、2030年度までに実証実験をおこなう計画だ。

水素は航空機業界でも脱炭素の切り札と位置づけられており、欧州大手のエアバスは2035年までに水素航空機の市場投入を目指している。先の三菱重工も機体の軽量化に向けた成形技術などを実施しており、水素航空機の開発を通じて、不振が続く航空機部門の浮上を狙う。

川崎重工は世界初となる液化水素運搬船も建造済みで、大量の水素を「つくり」「はこび」「つかう」サプライチェーンの構築を目指し、2025年度には売り上げ1,000億円超えが視野に入っている。

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藤村朋弘
藤村朋弘

2009年より太陽光発電の取材活動に携わり、 その後、日本の電力システム改革や再生可能エネルギー全般まで、取材活動をひろげている。

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