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23兆円の水素タービン市場に切り込めるか 三菱重工、川崎重工、IHIが狙う水素発電 水素まとめその3

2021年12月03日

IHIが狙うのは水素ではなく、100%アンモニア発電

IHIが得意とするのが水素と窒素の化合物であるアンモニア発電だ。

IHIは航空エンジン技術を応用し、2018年に2,000kW級のガスタービンで20%アンモニアを天然ガスに混焼させることに成功。2021年3月にはアンモニア70%混焼および、限定的とはいえ、100%アンモニア専焼でのガスタービンの運転にも成功した。同社は2025年をめどにアンモニア専焼ガスタービンを商用化する計画だ


液体アンモニアと天然ガスを混焼した2,000kW級ガスタービン(IHI 横浜事業所内)
出典:IHI

このほか、トヨタ自動車は中外炉工業とともに、少量の水素と酸素を燃焼させ酸素濃度を下げることで、NOx排出量を低減させる汎用バーナーを開発するなど、日本企業による開発を通じて、NOx発生という水素の課題は克服されつつある。

国内最大の火力発電事業者であるJERAも、2030年ごろから水素混焼発電を開始することを表明しており、関西電力など大手電力会社も実証実験に取り組む。

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藤村朋弘
藤村朋弘

2009年より太陽光発電の取材活動に携わり、 その後、日本の電力システム改革や再生可能エネルギー全般まで、取材活動をひろげている。

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