アメリカ・カリフォルニア州サンディエゴ郡に、容量250MWと、世界最大となるリチウムイオンバッテリー施設が9月1日に完成した。建設を担当したMcCarthy Building Companiesの再生可能エネルギー&ストレージグループが発表した。
このプロジェクトはGateway Energy Storage Projectといい、北米のエネルギーベンチャーLS Powerが開発。カリフォルニア州全体で行われている大型バッテリープロジェクトの一環となる。
バッテリーはCAISO(California ISO)のグリッドに接続されている。2020年6月には容量62.5MWだったが、8月1日には早くも200MWに達した。。9月1日現在、既に230MWで運営されており、9月中には250MWに達する予定で、これは蓄電施設としては世界最大のものになる。プロジェクトにはLGのセルが使われ、NECも協力しているという。
LS PowerのCEO、Paul Segal氏は「LS Powerは30年以上にわたり、よりクリーンで革新的なエネルギーへの移行をリードしてきました。再生可能エネルギーとエネルギーインフラ分野の複数のセクターへの投資を通じて、LS PowerはCO2排出量を削減し、我々が提供する市場の信頼性を向上させています」と述べている。
McCarthy Building Companiesの再生可能エネルギー&ストレージグループ、EPC担当シニアバイスプレジデント、Dhruv Patel氏は「私たちはこのプロジェクトに引き続き取り組み、州が野心的な再生可能エネルギーの目標を達成できるよう、費用対効果の高いクリーンエネルギーソリューションを提供できることを楽しみにしています」と述べた。
テスラとPG&Eは、カリフォルニア州モントレーにエネルギー貯蔵施設がある。この施設では最大182.5MWの容量で、グリッドには最大で4時間電力をおくることができる。
今回のGatewayプロジェクトはそれを上回る規模だ。しかし、テスラとPG&Eはモントレーの容量をさらに拡大すると見られている。Gatewayプロジェクトが世界最大であるのも、そう長くないのかもしれない。
カリフォルニア州ではこのような施設(Gatewayやモントレー)は、州の電力貯蔵プロジェクトの一端にすぎず、ほかのバッテリー施設の開発もすすめられている。同州では石炭火力発電からの脱却をすすめており、今年8月14日に起こった計画停電などの問題を解決するためにも、このようなバッテリー施設は重要視されている。
(Text:小森岳史)
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