STEP2の「次世代半導体技術の確立」の概要をまとめるならば、2020年代中盤から後半の実用化を目指して、自国の技術開発拠点を整えた後に、海外半導体企業との連携の下、次世代半導体技術を開発するということになる。
開発したい次世代半導体技術とは、先端半導体製造プロセスの前工程技術(微細化技術、More Moore技術)や後工程技術(多機能化技術、More than Moore技術)、次世代パワー半導体などになる。
前工程技術に関してはビヨンド2nm(現在の最先端である2nm世代以降の製造プロセス)など先端半導体の、後工程技術に関しては先端実装の3Dパッケージなどの技術開発を目指しており、そのために日本の素材・製造装置産業や産業技術総合研究所(以下、産総研)等との連携がすでに進められている。
半導体は微細化するほど最先端となる。集積度が向上して、同じサイズの半導体チップ上により多くのトランジスタが集積可能となり、多機能化や消費電力の低減が可能となる。また、こうした開発拠点をベースとして将来の本格的な量産工場立地を目指す予定だ。
なお、先端半導体製造プロセスについては「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発基金(2,000億円)」を活用しており、産総研 TIA推進センターが中心となって研究が進められている。また、パワー半導体の次世代研究については「グリーンイノベーション基金(2兆円)」の一部が活用されている。
そして、これらの国内での取り組みに対して、米国政府・企業との連携の枠組みを構築し、技術革新を加速させ、経済安全保障の確保に動くことを経産省は発表している。
STEP3で日本の強みを強化し、オープンイノベーションで世界水準の発展を目指す・・・次ページ
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