車載モーターの企業へ進化が進む日本電産、四半期の増収が続く中で2022年3月期予想が注目される:脱炭素関連銘柄を読み解く | EnergyShift

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車載モーターの企業へ進化が進む日本電産、四半期の増収が続く中で2022年3月期予想が注目される:脱炭素関連銘柄を読み解く

車載モーターの企業へ進化が進む日本電産、四半期の増収が続く中で2022年3月期予想が注目される:脱炭素関連銘柄を読み解く

2021/04/12

車載モーター事業の成長への期待感から昨年株価が急騰した日本電産<6594>は、新型コロナウイルス問題の影響を受け2019年3月期から減益が続いている。しかし四半期決算では、2期続けて過去最高の売上高を計上した。2022年3月期から利益面でも成長がなされるか注目される。

脱炭素関連銘柄を読み解く(1)

電気自動車の普及でモーターの使用量は増加、2030年には2018年比74.9%増の予想も

米国でのバイデン政権誕生以降、世界的に脱炭素化の流れが加速しており、その中で電気自動車(EV)に対し各国で普及の取り組みが進んでいる。

自動車が電動化することでエンジンのモーターへの置き換えが容易に想像されるが、矢野経済研究所の調査では車載モーターの世界市場について、2030年には2018年比74.9%増と急拡大が予想されている。

車載モータのシステム領域別世界市場予測
矢野経済研究所 プレスリリースより 2020年6月22日

日本電産はHDDモーターの会社から車載モーターの会社に変わりつつある

電気自動車などの普及により車載モーター市場の急拡大が予想される中で、モーターの世界的大手の日本電産<6594>の将来性が注目されている。

日本電産はかつてHDDモーターの会社、というのが一般的な見方であった。しかし圧倒的な市場シェアを持つHDDモーター(世界シェア85%)を軸に事業展開を行いながら、積極的なM&Aにより車載モーター中心にモーターのあらゆる市場を攻める、という経営がなされてきた。

既に電動パワステ用モーターで世界シェア40%を有する中で、電気自動車の本格普及に向け自動車の動力の本丸である駆動用モーターシステム領域にも製品の投入を開始して、中国の自動車メーカー向けに販売されている。自動車で利用されるモーターのあらゆる製品ラインナップを持つ同社は、今後のEV普及とともに成長が期待されている。

HDDはSSDの普及とともに市場自体が縮小しているが、日本電産は電気自動車の普及とともに、HDDモーターの会社から車載モーターの企業に変わりつつある。

2018年3月期以降の業績は足踏み続く

日本電産の過去3期の業績は下記で推移している。

 売上高営業利益当期利益
2018年3月期14,880億円1,676億円1,314億円
2019年3月期15,183億円1,386億円1,107億円
2020年3月期15,348億円1,103億円600億円
2021年3月期(予想)15,500億円1,550億円1,200億円

※当期利益は親会社の所有者に帰属する当期利益 ※同社はIFRSを採用

車載モーター市場の成長とともに成長が期待される日本電産だが、2018年3月期以降の業績は増収の反面、利益は2018年3月期がピークとなった。新型コロナウイルス問題の影響もあり、2020年3月期の当期利益は2018年3月期比で半減している。

2021年3月期は1月の第3四半期(Q3)の決算発表時に上方修正(今期2回目)が行われたが、それでも2018年3月期の利益水準には及ばない。しかし2021年3月期はQ2及びQ3の2四半期連続で売上高が車載モーターの増収を背景に過去最高を更新しており、増収を背景に2022年3月期からの増益が期待される。

2020年コロナショック後の5,000円台の株価は、2021年2月には15,000円到達、現在は14,000円台での取引に

日本電産の株価は2020年のコロナショック後に急騰している。2020年3~4月は5,000円台にあった株価が、2021年2月には15,000円台まで上昇しており、約1年で約3倍の上昇を見せた。

その後は3月に一時12,000円を割れたものの、4月に入り14,000円を回復している。今後更に上昇して15,000円を回復するか、ヘッド&ショルダー(三尊観音)のチャートパターンを形成して本格的に反落するか注目される。

尚、1月の上方修正後の一株当たり当期利益は204円であり、株価14,000円の場合の予想PERは68倍である。東証1部の予想平均PERは24~25倍のため、予想PERの観点では株価は期待先行の状態といえよう。

EV普及で急騰だが直近の利益面では伸び悩みか

電気自動車の普及によるモーター市場の拡大、という分かりやすい構図もあり、日本電産の株価はコロナショック後に急騰した。ただし予想PER60倍を超す株価水準に加え、直近の業績は利益面では伸び悩んでいる、という点の注意は必要である。

一方で2021年3月期のQ2及びQ3は過去最高の売上高を計上するなど、今後の利益成長に向け着実なステップアップがなされている。

2022年3月期予想利益がどのような数字となるのか、またその予想利益の発表を受けて株価がどのように反応するのか、という点が今後注目される。

石井 僚一
石井 僚一

金融ライター。大手証券グループ投資会社を経て個人投資家・ライターに転身。株式市場や個別銘柄の財務分析、為替市場分析を得意としており、複数媒体に寄稿中。過去多数のIPOやM&Aに関与。ファンダメンタルズ分析に加え、個人投資家としてテクニカル分析も得意としている。

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