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日本の車産業の負の序章か 中国EVが日本の商用車市場に攻勢

2021年10月15日

中国製EVの先駆者、佐川急便 2022年9月から本格導入

2021年4月、佐川急便はSBSと同様にEVを導入していく方針を発表した。佐川急便が組んだ相手はクロステック(X-Tech)のベンチャーであるASFという会社だった。

ASFが、今回のSBSのケースでいうフォロフライに当たる。

導入される車両のプロトタイプはASFが企画・開発・製品管理などを行う一方で、製造を手掛けるのは広西汽車集団有限公司(グァンシー)という中国の会社だ。

この構図、ASFがファブレスで、広西汽車集団有限公司がOEMということで、今回のSBSと全く同じ構図になる。ASFが最終納品者になるという意味では日本車になるが、実質、中国製のEVと言っていいだろう。

導入台数だが、佐川急便は宅配事業で使っている全ての軽自動車7,200台をEVに切り替えるとしている。佐川グループの全車両台数が2万7,000台なので、3割近くがこれでEVに切り替わることになる。

当時発表された導入スケジュールは、2021年3月から走行性能や機能を検証するための実証実験に着手しており、早ければ9月中の量産開始を予定としていた。続報はまだないが、すでに時期的には製造が開始されている形になる。そして、1年の製造期間を経て、2022年9月から順次、首都圏などの都市部を中心とした佐川急便の営業所へ納車される予定というのがスケジュールとなる。

計画通りにいけば、2022年から本格的に実質中国製のEVが日本に入ってくる形になる。

しかし、一体なぜこのようなことが起きるのか? 疑問に思われた読者も多いだろう。そこで次に、なぜ、日本の物流企業は中国製EVを導入するのか。脱炭素経営を迫られる物流企業の構図を解説したい。

なぜ、日本の物流企業は中国製EVを導入するのか・・・次ページ

前田雄大
前田雄大

YouTubeチャンネルはこちら→ https://www.youtube.com/channel/UCpRy1jSzRpfPuW3-50SxQIg 講演・出演依頼はこちら→ https://energy-shift.com/contact 2007年外務省入省。入省後、開発協力、原子力、官房業務等を経験した後、2017年から2019年までの間に気候変動を担当し、G20大阪サミットにおける気候変動部分の首脳宣言の起草、各国調整を担い、宣言の採択に大きく貢献。また、パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略をはじめとする各種国家戦略の調整も担当。 こうした外交の現場を通じ、国際的な気候変動・エネルギーに関するダイナミズムを実感するとともに、日本がその潮流に置いていかれるのではないかとの危機感から、自らの手で日本のエネルギーシフトを実現すべく、afterFIT社へ入社。また、日本経済研究センターと日本経済新聞社が共同で立ち上げた中堅・若手世代による政策提言機関である富士山会合ヤング・フォーラムのフェローとしても現在活動中。 プライベートでは、アメリカ留学時代にはアメリカを深く知るべく米国50州すべてを踏破する行動派。座右の銘は「おもしろくこともなき世をおもしろく」。週末は群馬県の自宅(ルーフトップはもちろん太陽光)で有機栽培に勤しんでいる自然派でもある。学生時代は東京大学warriorsのディフェンスラインマンとして甲子園ボウル出場を目指して日々邁進。その時は夢叶わずも、いまは、afterFITから日本社会を下支えるべく邁進し、今度こそ渾身のタッチダウンを決めると意気込んでいる。

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