いま、世界で脱炭素化が進んでいるが、その中でもESG投資の拡大の文脈で企業はESGスコアを上げないと投資が呼び込めないようになってきている。
加えて、TCFDと呼ばれる気候関連財務情報開示の動きも拡大しており、日本では2021年6月にコーポレートガバナンス・コードが改定され、2022年4月にプライム市場に移行する企業は、気候関連財務情報の開示を行う方向性が初めて盛り込まれた。
ESG、TCFDいずれにも関係する論点がCO2の排出量の算定と、削減に向けたアクションになる。ここが企業に問われる形となってきているのだ。
さらに、自社のCO2排出のみならず、TCFDなどはサプライチェーンにおけるCO2排出も関係してくる。その中には、当然「物流」という項目も入ってくる。
つまり、物流企業にとっては、自社の企業価値の観点に加えて、クライアント側からも脱炭素転換をしろと要求されつつあるわけだ。これが例えば鉄鋼業界だと、脱炭素転換には時間がかかり、早期実現は難しいという理解を得られやすいのだが、物流の場合、ソリューションはEV化とはっきり見えてしまっているので、なぜEV化をしないのか? と問われてしまう。
この点に関しては、LOGISTICS TODAYの「SBSグループがラストワンマイル輸送車両を全てEV化する狙いは」という問に対する次のSBSホールディングスの回答にも集約されている。
「政府が宣言した「2050年までのカーボンニュートラル実現」を達成するには、現状のままで排出抑制策を講じても限界がある。それならば、車両を全てEV化すればよいとの結論に至った」
ガソリン高騰前から、燃費よりも電費の方がよいとされてきていた・・・次ページ
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