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日本の車産業の負の序章か 中国EVが日本の商用車市場に攻勢

2021年10月15日

なぜ、日本の物流企業は中国製EVを導入するのか

いま、世界で脱炭素化が進んでいるが、その中でもESG投資の拡大の文脈で企業はESGスコアを上げないと投資が呼び込めないようになってきている。

加えて、TCFDと呼ばれる気候関連財務情報開示の動きも拡大しており、日本では2021年6月にコーポレートガバナンス・コードが改定され、2022年4月にプライム市場に移行する企業は、気候関連財務情報の開示を行う方向性が初めて盛り込まれた。

ESG、TCFDいずれにも関係する論点がCO2の排出量の算定と、削減に向けたアクションになる。ここが企業に問われる形となってきているのだ。

さらに、自社のCO2排出のみならず、TCFDなどはサプライチェーンにおけるCO2排出も関係してくる。その中には、当然「物流」という項目も入ってくる。

つまり、物流企業にとっては、自社の企業価値の観点に加えて、クライアント側からも脱炭素転換をしろと要求されつつあるわけだ。これが例えば鉄鋼業界だと、脱炭素転換には時間がかかり、早期実現は難しいという理解を得られやすいのだが、物流の場合、ソリューションはEV化とはっきり見えてしまっているので、なぜEV化をしないのか? と問われてしまう。

この点に関しては、LOGISTICS TODAYの「SBSグループがラストワンマイル輸送車両を全てEV化する狙いは」という問に対する次のSBSホールディングスの回答にも集約されている。

「政府が宣言した「2050年までのカーボンニュートラル実現」を達成するには、現状のままで排出抑制策を講じても限界がある。それならば、車両を全てEV化すればよいとの結論に至った」

ガソリン高騰前から、燃費よりも電費の方がよいとされてきていた・・・次ページ

前田雄大
前田雄大

YouTubeチャンネルはこちら→ https://www.youtube.com/channel/UCpRy1jSzRpfPuW3-50SxQIg 講演・出演依頼はこちら→ https://energy-shift.com/contact 2007年外務省入省。入省後、開発協力、原子力、官房業務等を経験した後、2017年から2019年までの間に気候変動を担当し、G20大阪サミットにおける気候変動部分の首脳宣言の起草、各国調整を担い、宣言の採択に大きく貢献。また、パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略をはじめとする各種国家戦略の調整も担当。 こうした外交の現場を通じ、国際的な気候変動・エネルギーに関するダイナミズムを実感するとともに、日本がその潮流に置いていかれるのではないかとの危機感から、自らの手で日本のエネルギーシフトを実現すべく、afterFIT社へ入社。また、日本経済研究センターと日本経済新聞社が共同で立ち上げた中堅・若手世代による政策提言機関である富士山会合ヤング・フォーラムのフェローとしても現在活動中。 プライベートでは、アメリカ留学時代にはアメリカを深く知るべく米国50州すべてを踏破する行動派。座右の銘は「おもしろくこともなき世をおもしろく」。週末は群馬県の自宅(ルーフトップはもちろん太陽光)で有機栽培に勤しんでいる自然派でもある。学生時代は東京大学warriorsのディフェンスラインマンとして甲子園ボウル出場を目指して日々邁進。その時は夢叶わずも、いまは、afterFITから日本社会を下支えるべく邁進し、今度こそ渾身のタッチダウンを決めると意気込んでいる。

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