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カルバン・クライン、TOMMY HILFIGERのPVH、オランダの倉庫に世界最大規模の屋根上太陽光発電を設置

カルバン・クライン、TOMMY HILFIGERを束ねるファッションの巨人PVHが、世界最大規模の屋根上太陽光発電を稼働

EnergyShift編集部
2020年10月26日

カルバン・クライン、TOMMY HILFIGERなどを擁する世界的なファッション・ライフスタイル企業であるPVH。オランダの倉庫に屋根上型としては世界最大となる18MWの太陽光発電を設置した。これはピーク時にはPVH Europeの全オフィスや倉庫、店舗の電気を全てまかなう規模だという。

脱炭素化の一歩 世界最大の屋根上太陽光発電

2020年10月6日、CALVIN KLEINやTOMMY HILFIGERなどのブランドを展開しているファッション/ライフスタイル企業のPVHは、オランダのフェンローにある倉庫・物流センターに18MWの屋上ソーラーを設置したことを発表した。

屋上には48,000枚を超えるソーラーパネルが設置されており、ピーク時における18MWの電力は、11万m2に及ぶ物流センターが消費する電力やサプライチェーンなどを含む電力フットプリントをすべてカバーするだけでなく、間接的にヨーロッパにある倉庫、オフィス、店舗に100%再エネの電気を供給することができるという。

倉庫はベルギーの物流倉庫企業のHeylen WarehousesがAG Estateとの合弁で所有しており、太陽光発電の設置にあたっては、オランダの太陽光発電技術企業IZENが行った。発電した電力の供給にあたっては、PVH Europeのパートナーであるオランダの総合エネルギー企業Enecoが担当している。

フェンローにある物流センターからは日量最大60万個の商品が、ヨーロッパ、中東、アフリカなどに供給されているが、倉庫はBREEAM(イギリス建築研究所による環境性能評価)で「非常に良い」というグリーンビルディング評価の認定を受けている。ここには、エネルギーだけではなく、水、輸送、材料、廃棄物、汚染、生態への影響、健康、福祉などの基準も組み込まれている。さらに、すべての梱包材はFSC(森林管理協議会)認証を受け、段ボール、プラスチック、印刷物はすべてリサイクル品を使用している。

RE100実現に向けての野心的ステップ

PVHは事業運営を100%再生可能エネルギーで調達することを目指すRE100のメンバーとして、2030年までに自社の全世界のオフィス、倉庫、店舗で使用する電気を100%再生可能エネルギーに由来することを目標としている。また、サプライチェーンではCO2排出量を30%削減する目標を立てている。これは、パリ協定における最も野心的なレベルのCO2排出削減に沿ったものだ。

また、こうした取り組みを通じて、PVHは会社のバリューチェーン全体で100万人以上の生活を改善することを目的とした、フォワードファッションにもつながっていくCSR戦略の優先事項の1つでもあるという。

世界的NPOのThe Climate GroupにおけるRE100責任者Sam Kimmins氏は、今回の屋根上型太陽光発電に対し「2025年のRE100目標に向けた彼らのグローバルな活動とパートナーシップにおけるもう一つのエキサイティングなステップです。これは、オンサイトの自然エネルギーの水準をもう一度引き上げてくれます」と述べている。

また、Heylen WarehousesのCEOであるPhilippe Deschilder氏は、「屋根上太陽光発電に関するPVH Europeとのパートナーシップは、再生可能エネルギーに投資し、CO2排出量の削減を可能にすることでお客様に付加価値を創造するという我々の野心をサポートしています」と述べている。


オランダ・フェンローの物流センター(Photo: Business Wire)

参照
Installation Completed of the World’s Most Powerful Solar Roof Currently Operating at PVH Europe’s State-of-the-Art Warehouse and Logistics Center

(Text:高森徹夫)

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