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国土交通省、空の脱炭素へ工程表を公開 JAL、ANA、日揮、ユーグレナ、IHIなど今後の動きに注目の企業を一挙紹介

2021年12月21日

SAF導入のために必要なそのほかの動きとは

だが、国産SAFを製造するにあたっては、それがSAFとしての規格を満たしていると認められることが必要になる。それが冒頭で述べたSAFの国際標準化だ。加えて、ここに関してはICAO(国際民間航空機関)やIATA(国際航空運送協会)などで行われている検討との整合性をとる必要がある。

そのため、国際標準化は下記のステップに分かれるものとなる。

①国産SAFをCORSIA(国際民間航空のためのカーボン・オフセットおよび削減スキーム)においてCO2削減効果のあるものとして使用するために、ICAOの認証スキームに従い、CORSIA適格燃料としての認証を受ける。

②SAFのCO2削減効果を高めるためにASTM(世界最大・民間・非営利の国際標準化・規格設定機関)で定められているSAFの混合率の上限を引き上げる。

※現状ではASTMにおいて、最大混合率50%。

現状、①に関しては今年の7月に、(一財)運輸総合研究所と連携し、「CORSIA 持続可能性認証スキーム(SCS)に関するタスクグループ」を設立。各製造業者に認証取得に必要な情報の共有を行っているところだ。②についても米国航空当局(FAA)と環境対策に係るワーキンググループを設立し、情報交換を行っている。SAF混合率引き上げに必要なデータを収集し、日本の状況に見合った方法の調査検討を進めた後に、予算請求するという動きが考えられている。いずれにしても、国際ルールづくりを主導して行うことで、国内の航空産業の競争力を廃らないようにする狙いだ。

また、SAFの入手方法は国産に限ることなく、海外産のサプライチェーンを構築するというものもある。そのため、今回の工程表ではSAFのエンドユーザーとしての航空会社、導入支援策等を促進する政府など各プレーヤーに、それぞれの役割が求められるとしている。

国産サプライチェーンの整備は2022年までに調査を終えて、翌2023年からは関係者協議に進む予定。

一方で、海外輸入に基づくサプライチェーン構築のための取り組みも必須だ。そちらについては、下記の4つが大きなテーマとなっている。

  • 国内空港における輸入SAFの直接受入に向けた検討
  • 品質管理の在り方
  • 輸入ニートSAF受入
  • 国産SAFサプライチェーン整備

上記に関して、諸外国調査や国内外事例調査などを2023年までに終える目処となっている。中でも、ニートSAF(混合率100%のSAF)は現時点で輸入実績がないものの、サプライチェーンの構築を済ませておくことの意義は大きいとみなされている。

もちろんSAFの輸入に関しては、品質検査の合理化や施設整備など、現時点でも課題が残っており、今後の会合で議論されていくことに期待することになる。

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高橋洋行
高橋洋行

2021年10月よりEnergyShift編集部に所属。過去に中高年向け健康雑誌や教育業界誌の編纂に携わる。現在は、エネルギー業界の動向をつかむため、日々奮闘中。

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