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経産省、半導体企業に5,000億円規模の補助金か 国産半導体の安定供給を狙う

経産省、半導体企業に5,000億円規模の補助金か 国産半導体の安定供給を狙う

2021年11月09日

世界的に需要がひっ迫している先端半導体の増産に向け、政府は生産企業を支援するための法制度を整える。支援は、国内の半導体工場建設に際して、補助金を出す枠組みを定めるというもの。第一号として、経済産業省の誘致のもと、台湾積体電路製造(TSMC)が熊本に新設する「総額1兆円規模」の工場の投資額のうち、最大半額を補助する見通し。今後、国内外の他の半導体メーカーも、認定を受ければその対象となる。

小林経済安全保障担当相は、11月7日、民放のニュース番組に出演した際「経済対策に半導体支援というのを入れるべく調整します」と述べ、11月19日にも決定する経済対策に、その支援案を盛り込むとした。経済安全保障上の重要性が増す半導体産業の供給網を強化して、国として安定供給できるようにするのが狙いだ。

支援は、事業者が提出した計画書を関係省庁で協議したうえで、最終的に経済産業省で認定する。予算や税制などさまざまなオプションを見込む予定。経産省は、関連費用を今年度の補正予算案に盛り込んで財源を確保したうえで、国立研究開発法人の「新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)」に基金を設ける予定だと報じられている。

支援にあたっては、稼働後の安定的な生産や投資、技術開発の継続などを条件に想定しており、需要ひっ迫時の増産要請も視野に入れている。要件を満たさなかったり、違反したりした場合は補助金の返還が求められる。また、技術流出を防ぐための関連法遵守も求めている。

TSMCは半導体の総売上高でアメリカのインテルや韓国のサムスンに次ぐ世界3番手に位置している一大企業。6月には、時価総額がトヨタの倍の60兆円まで急騰した。

工場建設は2022年から始まり、2024年の稼働開始を目指す。

工場では22nmと28nmのいわゆる「ロジック半導体」を製造する。スマホなどに用いられる最先端の半導体ではないものの、減産が続く自動車産業で不足し、需要がひっ迫しているのがこのロジック半導体だ。また、自動車のほかに、家電などにも用いられる算段だ。

この支援策によって、かつて世界で50%以上のシェアを占めた日本の半導体産業の復興となるのか。また、それにより、減産が続くトヨタ等自動車メーカーの救いとなるのか、目が離せない。

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EnergyShift編集部
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