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新電力パネイルに破産報道、過去にはNEXTユニコーン選出も

新電力パネイルに破産報道、過去にはNEXTユニコーン選出も

EnergyShift編集部
2021年05月18日

企業価値が100億円以上を超える「NEXTユニコーン」に選出されたパネイルが5月18日、民事再生法を申請したと報道された。以前から経営不安説が飛び交っていたが、ついに経営が息詰まったようだ。

人工知能とビッグデータを活用した電力需給管理システム「パネイルクラウド」を展開するパネイルは、スタートアップの中でも有望株と期待され、2018年に日経新聞が発表した「NEXTユニコーン」では2位に選出されていた。また「Forbes JAPAN」が発表した「日本の起業家ランキング2019」では、代表の名越達彦氏が6位に選出されるなど、新電力スタートアップの中でも常に注目を集めてきた。

そのパネイルが5月18日、東京地裁に民事再生法の適用を申請したという。負債総額は約61億円にのぼる見込みだ。

同社は2012年の設立当初は、太陽光発電事業を手がけていたが、パネイルクラウドの開発・運用に集中したことで、短期間で急成長を遂げる。2018年9月期には売上高が300億円を超えていた。

さらに2018年4月には、東京電力グループと合弁会社「PinT(ピント)」を設立。同年11月には丸紅の新電力子会社と組み、「丸紅ソーラートレーディング」を設立するなど、アライアンス事業も拡大し、順風満帆だった。

ところが2020年1月、パネイルの最高技術責任者(CTO)がPinTに移籍したことで、東京電力グループとのトラブルが表面化する。CTOの移籍は、パネイルクラウドなどの中核技術が外部流出し、盗用される恐れがあるとし、パネイルは2020年4月、東京地裁にCTOの就業差し止めなどを申請していた。

トラブルが表面化して以降、パネイルの業績は悪化。リストラに着手し、2020年11月にはほぼ全社員にあたる90%の社員を削減したと報道されていた。

2021年3月末には日本卸電力取引所の会員を脱退しており、今後の動向が注目されている中、今回の民事再生法の申請に至ったと見られる。

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