バイデン米大統領は7日、ホワイトハウスで演説をおこない、バイデン氏が3月31日に発表したインフラ投資計画、「アメリカン・ジョブ・プラン(米国雇用計画)」への支持を訴えた。このインフラ投資計画は2兆2,500億ドル(約247兆円)に及ぶ大規模なものだ。3月に議会を通過した1兆9,000億ドルの経済対策を上回る。
このインフラ計画についてバイデン氏は「アメリカにおける1世代に一度の投資だ」「アメリカへの単独の投資としては第2次世界大戦後、最大の規模になる」と強調。アメリカの雇用と競争力のため、今すぐに行うべき、避けられない投資であると述べた。
インフラは時代のニーズに合わせて変化しているため、その時代に合った投資が必要であり、高速インターネット、高齢者サービスなどへの投資を挙げた。
気候変動についてはアイオワ州の洪水や2020年の山火事、東海岸やメキシコ湾岸でのハリケーンなどに言及し、それに対抗するクリーンエネルギーへの投資が重要であると強調した。
「近代的な送電網のために送電線を敷設する電気技師は、新しく建設する高速道路に50万台以上の充電ステーションを設置し、電気自動車に対応することで未来に貢献できる」(バイデン氏)
以前はGDPの約2.7%がインフラに投資されていたが現在は約0.7%に落ち込み、これがアメリカが立ち後れていると指摘。GDPにおける研究開発への投資も減少しているなか、リチウム電池やLED技術、新型コロナウイルスワクチン開発等の研究予算には積極的な投資が必要だと述べた。
中国はインフラや研究開発への投資を時を待たずにおこなっていると述べ、アメリカの民主主義的やり方の先を行こうとしていると指摘。しかし、民主主義国家と独裁国家の競争が顕著になったいま、アメリカの民主主義は中国に負けることはないと証明しなければいけないと強調した。
インフラ投資の予算確保には法人税を見直すと言及。かつての35%からトランプ政権時には21%になったが、これを28%にするとも述べた。
共和党との議論にはこれから応じるとし、「これは共和党の橋、民主党の空港、共和党の病院、民主党の電力網ではない」と述べ、さらに「トップからのトリクルダウンではなく、ボトムアップとミドルアウトから構築される経済の基礎を築くことができるかどうか。21世紀の経済におけるインフラを築くことができるかどうか」、重要な転換点であると訴えた。
民主党系の世論調査機関、ナビゲーターによる最近の調査では、共和党有権者の少なくとも70%がハイウエーや橋の建設、新たな職業訓練プログラム、高速インターネットの拡大、もっと手頃な保育サービスなどのための拠出拡充を支持。50%はクリーンエネルギーへの政府投資を支持すると回答している。
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