北欧エクイノールと英BPは、それぞれCO2排出量の削減を発表し、さまざまなプロジェクトを加速させている。今回、この2企業は共同でアメリカ東海岸の大規模風力発電プロジェクトを推進すると発表した。
ノルウェーに本社がある北欧最大のエネルギー企業であるエクイノールは現在、アメリカ東海岸に洋上風力発電の開発を計画している。
ひとつはエンパイア・ウィンドと呼ばれ、ロングアイランドの南東、15〜30マイルに位置しており、容量は2GW以上が見込まれている。もうひとつはビーコン・ウィンドと呼ばれ、ロングアイランドのさらに北東に位置し、こちらは2.4GW以上の容量を見込んでいる。
エンパイア・ウィンドは2017年に米国洋上風力リース権が落札された。既にニューヨーク州と816MWの契約を結んでおり、2024年の完成を目指している。ビーコン・ウィンドのリース権落札は2019年と最近であり、完成予定は未定だ。
2020年9月10日、このふたつの開発プロジェクトの50%の株式をBPが11億ドル(約1,170億円)で購入することが発表された。今回の取引は、開発地域として魅力的なプロジェクトの進行を速め、エクイノールにとっては高額な株式保有ポジションのリスクを回避する戦略がある。取得は2020年1月1日に発効され、2021年初めまでに終える予定。
今回取引された株式には運営は含まれておらず、引き続きエクイノールが開発、建設、操業までを担当する。
エクイノールのエルダー・セトレCEOは「私たちは、再生可能エネルギー分野での成長を目指す強い野心を共有するBP社との協業を楽しみにしています。このパートナーシップは、エネルギーシフトを加速させるという両社の強いコミットメントを強調しており、両社の強みを組み合わせることで、米国で収益性の高い洋上風力発電事業を一緒に成長させることができるでしょう」と述べた。
エクイノールは2026年までに自然エネルギー容量を4~6GW、2035年までに12~16GWまで拡大するとしており、移行を加速させると発表。同社は、北海、米国、バルト海などの主要地域で規模拡大を図る一方、その他の市場では海底固定式洋上風力と浮体式洋上風力の両方で成長オプションを確保している。
一方のBPは今年2月、バーナード・ルーニー新CEO体制のもと、CO2排出量を2050年にゼロにすると発表している。それに伴い、2030年までに低炭素エネルギーへの投資額を今までの10倍、年50億ドルにし、再エネ発電量も20倍の50GWを目指すとしている。ルーニーCEOは「新しい戦略への重要な1歩だ」と強調した。
(Text:小森岳史)
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