12月3日、三越伊勢丹ホールディングス(HD)は、自社保有の国内百貨店で使う電力の100%を、2030年までに再生可能エネルギー(再エネ)由来にすると発表した。自社保有でない物件に、テナントとして入居した店舗も含めた国内百貨店事業全体での目標導入比率は60%。これらの取り組みによって、2030年の温室効果ガス(GHG)排出量削減目標を50%(2013年度比)とし、2020年時点の目標だった42%から上方修正する見通しだ。
100%再エネ切り替えの対象となるのは、三越伊勢丹HDが運営する国内の百貨店16店。同社が経営する百貨店は国内に20店(持分法適用会社を含む)あるが、伊勢丹立川店(東京都立川市)、名古屋三越星ケ丘店(名古屋市)、ジェイアール京都伊勢丹(京都市)、福岡三越(福岡市)の4店は、他社物件に入っているので100%の対象からは外れる。
再エネ切り替えは2022年1月に伊勢丹浦和店(さいたま市)から始まり、順次、他店舗にも広げていくことが報道されている。
脱炭素化が進みにくい百貨店業界の中にあって、三越伊勢丹HDの脱炭素に向けた取り組みは積極的で、2020年度のスコープ1(直接排出)とスコープ2(間接排出)を合わせたGHG排出量は前年比16%減となっている。太陽光パネル設置の検討、再エネの調達、省エネ推進などの取り組みが身を結んだ形だ。また、同グループのスコープ3(スコープ1、2以外の全ての排出)は、サプライヤーの省エネ推進や容器包装等資材の絞り込み、代替素材への転換を行ったことにより、2019年度比で13.1%削減となった(数値は第三者検証を受審してのもの)。
三越伊勢丹HPより
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