脱炭素目指す裏で、太陽光関連業者の倒産が再び増加 2030年46%削減は達成可能なのか? | EnergyShift

脱炭素を面白く

EnergyShift(エナジーシフト)
EnergyShift(エナジーシフト)

脱炭素目指す裏で、太陽光関連業者の倒産が再び増加 2030年46%削減は達成可能なのか?

2021年10月28日

CO246%削減には、太陽光発電を倍増させなければならない

国は2030年CO246 %削減を目指し、再エネ導入比率を2019年度の18%から2030年度には「36〜38%」とほぼ倍増させる計画だ。

政府は2050年脱炭素に向けては、洋上風力発電を原発45基分導入して、再エネの切り札にする方針である。しかし、漁業者など利害関係者との調整や環境アセス、さらに大型風車などの製造などにも時間がかかるため、あと9年で結果が求められる2030年目標には間に合いそうにない。やはり、2030年に向けては比較的設置が容易な太陽光発電の大量導入が欠かせず、経済産業省では今の導入量6,200万kWを2030年度までに10,350〜11,760万kWまで増やす方針を掲げている。

だが、達成に向けた進捗率は約56%しかなく、あと9年で倍増させなくてはならない状況だ。経産省では毎年500万kW導入し、失速した日本の太陽光発電産業を再興することで、達成させる計画だが、事業者の倒産件数が止まらない中において、果たして実現できるのだろうか。


出典:経済産業省

倒産件数の増加に反映されるように、太陽光発電のFIT認定量はここ数年伸び悩んでいる。2019年度は前期比57%減となる約245万kWまで減少し、2020年度に至っては89万kWまで落ち込んだ。その背景にあるのがFIT制度の改正だ。日本の太陽光発電の最大のボリュームゾーンであった出力10kW以上50kW未満の小規模太陽光は、2020年度から全量固定価格での買い取りから、自家消費率30%以上を義務づける余剰電力買い取り制度に移行した。この変更が大きく響いた。ピーク時には643万kW(2013年度)を超えた認定量は、2020年度には23万kWに急減。市場はほぼ消失した。

大規模太陽光は2017年から導入された入札制度を機に減少に転じた。募集容量をはるかに下回る札割れの状況が続き、経産省では入札価格を非公表から事前公表に変えるなど、入札制度の見直しを迫られた。

また、1,000kW以上の太陽光は2022年度より、今のFIT制度から、市場価格に一定の金額を上乗せした価格で買い取る、「FIP」と呼ばれる新たな制度に移行する。2021年度は大規模太陽光にとって、FIT制度下で最後の入札となる。そのため駆け込み需要が生まれているものの、2021年度4〜9月までの落札容量は43万kW。わずか3ヶ月間で1,000万kWを超える駆け込み需要を生んだ2013年度のような面影はない。

2021年度のFIT認定量は80万kWを上回る見込みだが、2022年度はFIP制度の移行により、事業環境が再び激変する。FIP制度に関しては、すでに金融機関などから「市場連動によって、月間収入にばらつきが生じるため、キャッシュフローが読めない。プロジェクトファイナンスの組成などは難しい」という意見があがっており、太陽光発電の開発が停滞しかねない状況だ。

日本でも本格化するPPA・・・次ページ

藤村朋弘
藤村朋弘

2009年より太陽光発電の取材活動に携わり、 その後、日本の電力システム改革や再生可能エネルギー全般まで、取材活動をひろげている。

エネルギーの最新記事