食と文化と再生可能エネルギー 第2回 ウィスキーを巡る時空の旅 | EnergyShift

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食と文化と再生可能エネルギー 第2回  ウィスキーを巡る時空の旅

食と文化と再生可能エネルギー 第2回 ウィスキーを巡る時空の旅

2020/01/31

再エネにはあんまり関係無いけど最後に無理やりオチをつけてアリバイ的に再エネにこじつけるなんちゃってゆるゆる連載、第2回です。第1回はビールの話だったので、お酒の話の続きで今回はウィスキー。ウィスキーはお好きですか?

人生の大事なことは全てバーで学んだ

いきなり個人的な話をすると、わたくし、横浜出身です。正確には大学・大学院時代の9年間、横浜で過ごしました。ヨコハマっていうとオシャレ〜で魅力的な観光地、っていうイメージですが、それはごく限られた一部のエリアの話であって、横浜はもはや東京の植民地なので(個人の意見です)、文化的にもあまり自慢できるものはほとんどありません(個人の意見です)。

まあ、極私的個人的意見としては、ヨコハマがトーキョーに自慢できる唯一のものといえば、バー文化、だと答えます。はい、私も学生時代(特に大学院時代)はヨコハマのバーに通いまくってだいぶ高い授業料を費やして人生の勉強をさせて頂きました。「人生の大事なことは全てバーで学んだ」…、なーんてハードボイルドなことを一度は言ってみたいな。おっと、今、言うてもうた。

横浜のバー文化がどれくらい自慢できるかというと、当時私が下宿していたアパートから歩いて1分のところにバーボンが300種類くらい置いてあるバーがありました。観光地から程遠い大学の近くのフツーの街中のバーで、ですよ? しかもチャージなし。横浜駅のすぐ近くにも足繁く通ってた店があり、そこにはモルトウィスキーが200種くらい置いてありました。近くにこういうレベルの高い店がうじゃうじゃあると、わざわざ東京まで行ってバブリ〜でおしゃれ〜だけど割高〜な酒を飲むのはアホらしくなります。

おそらく普通の人はまずはビールから入ってそのうち趣味が高じてウィスキーに手を出す…、なんてパターンが多いと思いますが、私は大学時代からいきなりウィスキーから入って、その後だいぶ経ってからビールに凝り出す…、という逆パターンでした。故に私にとってウィスキーとは、青春の味。

超特急ウィスキー入門

ウィスキーはお好きですか?

おそらく、あまり普段ウィスキーを飲まれない方が、銘柄を指定せずバーで「ウィスキーをくれ」と頼んだ場合に出てくるのは、大抵はブレンデッドウィスキー blended whiskyとよばれる種類のウィスキーです。値段がお手ごろというのもありますが、味がまろやかで初めて飲む方でも敷居が低い(あまりキョーレツな個性でない)という理由もあります。

ブレンデッドウィスキーがなぜ味がまろやかで初めての方でも飲みやすいかというと、それは大麦の麦芽(モルト malt)から作られる原酒だけでなく、とうもろこしなどの穀類等(グレーン grain)から作られる原酒が配合されており、軽く優しい風味が出るからです。水割りにも合います。

例えばバランタイン Ballantine'sやホワイトホース White Horseといった有名なブランドのスコッチウィスキーがありますが、それらは同名の蒸留所が存在して、そこでウィスキーが作られているわけではありません。バランタインは複数の蒸留所の原酒を購入し、それにグレーンを混ぜ合わせることにより、柔らかでバランスのとれた飲みやすいキャラクターを作り出しています。

一方、グレーンを混ぜないモルトだけで作られるウィスキーは、モルトウィスキー malt whiskyと呼ばれますが、どちらかというと荒々しい強烈な風味を持ち、初めての方はちょっと苦手かもしれません(もちろんハマるとやみつきになり抜け出せなくなります)。

更に、モルトウィスキーの中でも異なる蒸留所の原酒を混ぜるものは、ブレンデッドモルトblended maltまたはバテッドウィスキー vatted whiskyと呼ばれます(ピュアモルトという呼び方もあるがこれは和製英語っぽい)。バテッドウィスキーの商品はあまり多くありませんが、有名なところではニッカの「竹鶴」は余市と宮城峡という2つの蒸留所の原酒を混ぜたものです。

モルトウィスキーのうち単一の蒸留所で生産されるものがシングルモルトウィスキー single malt whiskyと呼ばれます。ちょっとややこしいので、図にまとめてみました。

シングルモルトという場合でも蒸留所が単一なだけで、その蒸留所のオフィシャルボトルは大抵、同じ年に蒸留した複数の樽(カスク cask)から取れる原酒同士を混ぜ合わせています。各蒸留所は自社のブランドの固有の特徴を維持するためできるだけ出荷する製品の特徴を均一にして調整するからです。それ故、例えばラフロイグ Laphroaigとかカリラ Caol Ila(いずれもアイレイ(アイラ)島の有名な蒸留所)と聞けば、ああ、あの味ね…、とあの個性的なキャラクターがパブロフの犬が如く脳内想起され、ウィスキーファンを惹き付けるのです。

稀に特別な企画ものなどの場合、他の樽と混ぜ合わせない原酒のまま(場合によっては割水せずに)ボトリングして出荷する場合もあります。これがシングルカスクウィスキー single cask whiskyと呼ばれるものです。なお、ボトリング前に割水しない度数(通常60度程度)のものはカスクストレングス cask strengthと呼ばれます。チェイサー(追い水)を傍らに置きながらストレートで、ちびりちびりやると旨し。そしてその場合のチェイサーは同じ蒸留所の仕込み水 mother waterであるとベスト。

ウィスキーの流通ルートは王道だけではない

さて、私がウィスキーを飲み始めたのは、バブル絶頂期で日本に本場のモルトウィスキーがじゃんじゃん入ってきて、当時流行り始めた並行輸入屋でも結構な銘柄のモルトウィスキーが安く買えるようになった頃です。

並行輸入は日本の正規代理店以外のサードパーティの輸入業者が輸入してくる商品なので正規価格よりもうんと安く手に入るので、ビンボー学生にとってはありがたや。ところでサードパーティといえば、ウィスキーの流通にもうひとつ別のサードパーティ的なルートがあります。ご存知でしょうか?

それは、ボトラー bottlerとかネゴシアン négociantとか呼ばれる業者を介するものです。ボトラーとは、蒸留所から出来たばかりの原酒を樽買いして、所定の期間貯蔵してボトリングして出荷する仲買業者のことで、仕込んだばかりのウィスキーの原酒を樽ごと買って保管し、何年後かにボトリングして出荷するというのがボトラーの役割です(ネゴシアンはもともとフランスのぶどう買い付け商&ブレンダー&ワイン販売業者から来ている言葉)。

蒸留所が蒸留所オフィシャルボトルとして出荷しようとする場合、自社の貯蔵庫で何年も(典型的なものだと12年間)樽で寝かさなくてはならないので、今年仕込んだウィスキーを売却して現金化するのに12年もかかります。これは資本主義社会の経済行動としては、なんとものんびりしています。

それ故か、蒸留・樽詰直後に第三者へ樽ごと売却して現金化するという方法も実は数多く取られています。目利きのボトラーにとっては、よい樽を比較的安い原価で仕入れ、ストックして高値で売るという投機や資産運用に近い役割を持つことにもなります。

このボトラーズボトル、サードパーティだからといって侮るなかれ。例えば老舗としてはゴードン&マクファイル Gordon & MacPhailやケイデンヘッド Cadenhead、サマローリ Samaroli、キングスバレー Kingsburyなど、ウィスキーマニアだったら「ああ、アレね!」という定番かつ信頼のブランドも多いです。

また、会社組織ではないのでボトラーとはあまり呼ばれませんが、スコッチモルトウィスキー協会 Scotch Malt Whisky Societyが樽貯蔵し販売するボトルも「ソサエティモルト」としてマニア垂涎の品質と個性を誇ります。

ウィスキーの味も、実はvariable

ボトラーは蒸留所から買った樽をボトリングして販売する際、前述のようにブレンドやバットを行うこともありますが、単一の樽ごとにそのままボトリングしてシングルカスクウィスキーとして出荷するケースも多いです。このシングルカスクこそがボトラーズボトルの魅力で、樽ごとに個性の違いが楽しめてウィスキーファンとして面白い! のです。同じ蒸留所(銘柄)の同じ熟成年のウィスキーでもvariableなのです。

さあここで、第1回でも登場した重要なキーワードが出てきました。 “variable” です。みなさんもしかして、同じ蒸留所の同じ熟成年のウィスキー(例えば「ボウモア Bowmoreの12年」)はどのボトルもみんな同じ味だと思ってませんか? ウィスキーは工業製品ではなく農産物です。ビールほどの変動性はありませんので、さすがに同じバッチからボトリングされたボトルは、余程保管が悪くない限りは味は同じですが、特にシングルカスクでは貯蔵に用いた樽やフィニッシュと呼ばれる最終調整によって、それぞれバッチごとにバラツキがあり個性があります。もちろん、蒸留所ごとにも個性はありますが、同じ蒸留所で同じ醸造年のものでも、原酒を貯蔵する樽ごとに個性やキャラクターがあるのです。

例えば、「ボウモア12年」は蒸留所からオフィシャルボトルも販売されてますが、ケイデンヘッド Cadenheadとシグナトリー・ヴィンテージ Signatory Vintage(いずれもボトラーの名前)から出荷される「ボウモア12年」はそれぞれ全く違います。また、同じボトラーから出荷されるものでも、別シリーズで樽の材質やフィニッシュが違えば、当然キャラクターが違います。

ボウモアはボウモアの味なのですが、その中でその微妙な違いを楽しむのが乙なもの。むしろそれぞれの樽の豊かな個性が楽しめ、ファンも多いのがボトラーズボトルの魅力です。variable万歳!

このように、ウィスキーファンに一目置かれるボトラーズボトルは、サードバーティでありながら格やランクが低く見られる…ということは全くなく、オフィシャルボトルと共存共栄しています。蒸留所にとっても、ボトラーは自社正規品のシェアを脅かす存在ではなく、むしろ原酒を早く現金化できる手段として互恵関係にあります。

一方、前述のバランタインやホワイトホースなどのブレンデットウィスキーの場合は、蒸留所の名前が一切出ないので(例えばバランタインの原酒にはスキャパ ScapaやバルブレアBalblairやアードベッグ Ardbegなど私の大好きな蒸留所が混ざっています)、日本酒でいう「桶買い」の形態に近く、原酒を早く現金化できるものの「下請け」の関係に甘んじがちです。

このような小規模ウィスキー蒸留所の立場って、小規模再エネ発電事業者と似てませんでしょうか…?(おっとここで無理やり再エネが登場)。

今はFIT制度で買取が保証されているからまだいいですが、ポストFIT時代になると自分で買い手を探さなければなりません。大手の傘下に入って相対(あいたい)契約するか(ブレンデットウィスキーのように)、自力で、電力市場で販売するか(オフィシャルボトルのように)、発電源証明を明示しながら信頼できる小売事業者やアグリゲーターと手を組むか(ボトラーズボトルのように!)、という選択肢です。もちろんどれか一つだけがベストな解ではなく、それらを程よく組み合わせてリスクヘッジするのが経営手腕の見せどころでしょう。

時を翔けるモルト

…と、ここまでボトラーズボトルのマニア全開モードですみません。が、ご安心下さい。これでもまだ中級編です(笑)。ここから先、更にずぶずぶなディープな世界にご案内します。ボトラーズボトルの多様性はいわゆる「水平方向」のvariableですが、それに対して「垂直方向」のvariableもウィスキーにはあります。それは、オールドボトル old bottleです。

オールドボトルとは、結局のところそのまんま「古いボトル」です。例えば先の「ボウモアの12年」を例に取ると、2019年に出荷されたもの(すなわち2007年樽詰め)と、2000年代後半に瓶詰めされたもの(すなわち1990年代前半に樽詰め)と、1990年代に製造されたもの(すなわち1970年代後半〜1980年代前半に樽詰め)がまだ飲まれずに残っていて現在でも飲めるもの…とでは、アロマもフレーバーもテイストもフィニッシュも全く別物なのです。

みなさんもしかして、同じ蒸留所の同じ熟成年のウィスキーは、毎年みんな同じ味だと思ってませんか? ビールほどの変動性はありませんので、さすがに去年と今年のオフィシャルボトルでだいぶ違う…ということはあまりありませんが、ラベルのデザインが変わった時は要注意です。また、オーナーやチーフブレンダーが変わったりすると、その後数年で徐々に方針が変わるということもあるようです。

いずれにせよ、激変というよりは徐々に少しずつ…というイメージですが、それが10年ほど経つと、同じ蒸留所のオフィシャルボトル(例えばボウモアの12年)でも、2010年代後半と2000年代初頭と1980年代後半では雲泥のごとく差があります。

え? 古いボトルだから味も劣化してるかもしれないって? はい、劣化している可能性はあります。またエンジェルシェア(天使の分け前)と呼ばれるアルコールの揮発による容量減損も確実にあります。しかし、きちんとした流通業者やバーの保管庫で保管されたボトルは、時空を超えて現代の我々の前に往年の魅力的な姿をほぼ保ったまま降臨してくれます。

え? 30年前のオールドボトルと「30年物」の現行ボトルとどう違うのって? いやいや、むっちゃ違います。現在、高級ウィスキーとして珍重されている30年物(場合によっては60年物)のいわゆるオーバーエイジのウィスキーは、30年以上も樽の中に寝かされているので、それはもう素晴らしく熟成が進んでおり、正に時間と自然が作る芸術作品なのですが、実は私のストライクゾーンではありません(個人の見解です)。基本的に私は若くて荒々しいやんちゃなウィスキーが好きなので、12年物が中心で、まあ大体10〜15年物の範囲で攻めてます。

ある12年物のオールドボトルが30年前に樽詰めされたものである場合、瓶詰めされたのは18年前なので、その後18年間は(劣化がわずかだとしたら)12年物の若々しさを保ったまま瓶というタイムカプセルの中に閉じ込められているのです。そのような18年前に瓶詰めされた「12年物」と、現行の「12年物」では確実に味が違うのです。

オールドボトルマニアはつらいよ

このように、私は自他共に認めるオールドボトルマニアですが、はっきり言ってオールドボトルマニアは自慢できる趣味ではありません。単に「昔は良かった」的な嫌味な年寄りの懐古趣味です。私自身、オールドボトルマニアの人とはあまりお友達になりたくありませんし、スノッブなマニア談義もしたくありません(笑)。

私が初めてシングルモルトを飲んだのが大学生の時ですので(いちおう公式には20歳の時に…、としておきましょう)1980年代後半、それから30年以上ウィスキーを飲み続けてますが、現行オフィシャルボトルを飲むたびに、「嗚呼…、私が学生時代に飲んだのはコレじゃない」とか、ないものねだりの徘徊老人のうわ言状態です。嫌なヤツですね…、すみません。故に、オールドボトルマニアを吹聴する人がいたら、生温かい目で見て適度な距離を取って下さい(笑)。

実際、多くのオールドボトルマニアは決して自らカムアウトせず、バーでも符牒や暗号のような呪文を唱えながらひっそり棲息しています。私自身、馴染みのバーでもこっそり控えめにオールドボトルを注文しますし、初めて行くバーでも何杯かお勧めされた現行ボトルをショットで楽しんだ後(大抵、マスターと相談しながらお薦めのものを出してもらう)、マスターが察して「お客さん、もしお好みでしたらこんなのもありますが…」と奥からゴソゴソとボトルを取り出してくる…的な形で飲ませてもらいます。

特に地方に行くと、良心的な店がプレミアム価格で釣り上げずに良心的な値段で出してくれるところもありますが、良心的でシャイなオールドボトルマニアはどこのバーに何のオールドボトルがあるということは絶対口外しないので(私もそう簡単には教えませんよ…)、当然ながらインターネットでもオールドボトル情報はあまり多くありません。

なぜって、そのボトル(例えば1980年代のボウモア12年のダルマボトルとか)はボトルが空いたらそれでおしまいだから。もちろん、地球上のバーにあと何本(何百本?)かは大事に保管されてるでしょうが、それも飲み終わったら地球上から永遠に消えてなくなります。個人的には「世界無形記憶遺産」に認定したいほどです。オールドボトルマニアがオールドボトルの情報をベラベラとネットで口外しないのは、野鳥の希少種の巣の場所を絶対に口外しない自然保護団体の方々と同じ心情かもしれません。

カッコつけて空気読まず「俺はオールドボトルファンだ!」なんて初めて行くバーでうっかり吹聴しながら注文すると、バーテンダーの方にとても嫌な顔をされるか、目が飛び出るようなプレミアム価格でぼったくられることでしょう(特に東京のバーでは)。良い子は迂闊にマネをしないよーに。

ウィスキーを巡る不可逆的な旅

私自身、絶対的な味覚を持っているわけではないので、昔はよかった的な発言は安易にしたくありませんが、実際に1980年代後半のオールドボトルと同じ銘柄の現行ボトルと飲み比べてみると、やはり失礼ながら「雲泥の差」です。もちろん、1980年代の方に(多少の劣化があったとしても)軍配が上がります。ちなみに、私は学生時代にやはり「昔の(1960〜70年代)のウィスキーはよかった」と嘆いていた老紳士に、70年代の(その当時の)オールドボトルをおごってもらったこともあります。

何故でしょうか? こればかりは私自身この分野の専門家ではありませんし、専門論文を読み漁ったわけではないので断定はできません。しかし、一消費者(呑ん兵衛)としてバーに行くたびに専門家(バーテンダー)に質問しまくると、ある人は生産量の急増に伴う品質の低下を挙げ、ある人は樽材(主にシェリーの中でもオロロソの空き樽)の不足を挙げ、ある人は専門技術者の後継者不足を挙げ、ある人は農薬の問題や土壌の劣化の問題を挙げ、ある人は気候変動による大麦の品質の変化を挙げ…、と枚挙にいとまがありません。

しかも、どれもなかなか説得力があります。その変化はもはや不可逆的であり、如何に人類の科学技術が高度化しても、つい10〜20年前と同じ品質の農業生産物を生産することが不可能になってしまったことを示唆しています。もしくは、高度化した科学技術のせいで、品質の維持や再現が不可能になってしまったのかもしれません。もしかして、我々人類は知らず知らずのうちに徐々に衰退しているのではないでしょうか…。

もちろん、10〜20年前に比べウィスキーの味が劣化している、と思うのは単なる個人の味覚の感想です。昔は良かった式の年寄りの戯言かもしれません。しかし、ウィスキーは農産物であり工業製品ではない以上、10年単位の長期に亘ってベースロード電源がごとく品質が一定…という幻想を抱くことは危険かもしれません。単に今の若者がウィスキーに求める味が昔と変化してきてそれに応えただけ…であればいいですが、人類のいかなる叡智を結集しても昔の品質を再現できない…という状態に陥っているのであれば、我々は一旦立ち止まって、我々が歩んで来た道を振り返って見る必要があるかもしれません。

…と、馴染みのバーでこっそりとオールドボトルを出してもらって、ショットグラスに注がれた30年前の人々の叡智の結晶を眺めながら、このボトルを飲み干した時が地球が終わる時…となりませんように!と祈りつつ、とりあえず今日まで生きててよかったとお酒の神様に感謝するのでした…。

次回はワイン。ワインといっても、あまりスノッブじゃないウンチク垂れない軽い話(と、ときどき再エネ)。

 
(イラスト:ヤマサキタツヤ)

2020年2月5日:軽微な誤りを修正

安田陽
安田陽

1989年3月、横浜国立大学工学部卒業。1994年3月、同大学大学院博士課程後期課程修了。博士(工学)。同年4月、関西大学工学部(現システム理工学部)助手。専任講師、助教授、准教授を経て2016年9月より京都大学大学院経済学研究科 再生可能エネルギー経済学講座 特任教授。博士(工学)。日本風力エネルギー学会理事。IEA Wind Task25(風力発電大量導入)、IEC/TC88/MT24(風車耐雷)などの国際委員会メンバー。 現在の専門分野は風力発電の耐雷設計および系統連系問題。技術的問題だけでなく経済や政策を含めた学際的なアプローチによる問題解決を目指している。 主な著作として「世界の再生可能エネルギーと電力システム」シリーズ(インプレスR&D)、翻訳書(共訳)として「風力発電導入のための電力系統工学」(オーム社)など多数。

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