環境省、消費者の購買行動を脱炭素へ、グリーンライフ・ポイント創設 2022年度概算要求 | EnergyShift

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環境省、消費者の購買行動を脱炭素へ、グリーンライフ・ポイント創設 2022年度概算要求

環境省、消費者の購買行動を脱炭素へ、グリーンライフ・ポイント創設 2022年度概算要求

環境省は8月31日、2022年度の概算要求を発表し、節電や再エネ電気、省エネ機器への切り替えなどに使える新たなグリーン・ライフポイント事業を設け、10億円を計上した。また再生可能エネルギーの導入などに積極的に取り組む自治体の支援強化に向け、200億円を盛り込むなど、2030年温室効果ガス46%削減の実現を目指す。

温室効果ガス排出の約6割は家計関連

日本の温室効果ガス排出量のうち、約6割は家計関連だ。脱炭素社会の実現には、国民一人ひとりの消費行動を脱炭素型に転換することが欠かせない。

環境省は、2022年度から新たに「グリーンライフ・ポイント」事業を設けることで、消費者の購買行動を脱炭素型に促す。具体的には省エネ機器への買い替えや節電、再エネ電気への切り替えのほか、フードロス、ファッションロス、カーシェアなど環境に配慮した消費行動に使えるポイントを付与するというもの。10億円を計上した。

自治体の脱炭素目指し、200億円の交付金

自治体の支援強化にも乗り出す。

再エネや蓄電池などの導入に積極的に取り組む自治体を対象に、事業費の最大75%を補助する「地域脱炭素移行・再エネ推進交付金」を新たに創設し、200億円を計上した。

政府は今年6月、2030年度までに温室効果ガスの排出を実質ゼロとする「脱炭素先行地域」を全国で100ヶ所以上つくりだすことを目指し、地域脱炭素ロードマップを策定している。

環境省では新たに交付金を設け、先行地域に優先的に配分することで、成功モデルをつくる考えだ。2022年度は20〜40自治体を支援する予定で、2030年度まで継続的に交付金を予算化する。

さらに、民間企業の再エネ事業に出資する官製ファンドも創設する。

200億円の財政投融資を盛り込み、太陽光発電などを導入する民間企業を継続的に支援し、民間資金を脱炭素分野に呼び込む。200億円の公的資金を呼び水に、民間投資や銀行融資と合わせて1,000億円規模の脱炭素事業を実現させるとともに、数兆円規模の投資を誘発したい方針だ。

CO2削減量が多いと補助率アップ、新たな中小企業支援

コロナ禍で疲弊する中小企業が脱炭素化に取り組めるよう、新たな支援も実施する。

省エネ機器などを導入する際に、CO2の削減量に比例する補助金を交付することで、コロナ後のCO2排出量のリバウンドを回避しつつ、グリーンリカバリーの実現を後押ししたい考えだ。10億円を計上した。

また、初期費用ゼロで太陽光発電を導入できるPPA(電力購入契約)の加速に向け、2020年度当初予算比2.3倍となる165億円を求めている。環境省ではPPAに加え、再エネの最大限の普及に向けて、新たに洋上風力に5億円、地熱発電3億円、潮流発電の実用化にはじめて7億円を盛り込んだ。再エネ由来の水素活用の推進には、前年度比17%増となる77億円を投じる予定だ。

さらに余った再エネを有効に活用するため、EV(電気自動車)と再エネの同時導入を促す事業を新たに設け、10億円を計上している。 

2022年度、脱炭素予算に4,077億円を要求

日本でも今、炭素税や排出量取引といったカーボンプライシングの検討が進んでいる。

産業界からは国際競争力の低下につながるとし、反対意見が根強いが、環境省では経済社会の転換に向け、「成長に資するカーボンプライシングについては躊躇なく取り組む」とし、最大21億円を盛り込んだ。

このほか、政府が掲げる「2030年、新築住宅6割に太陽光発電搭載」目標の実現に向けて、ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)の支援に66億円、集合住宅のCO2削減に65億円を計上し、住宅・建築物の脱炭素に向けたルールの見直しにも取り組む。

2022年度の概算要求額は一般会計とエネルギー対策特別会計で前年度比32%増となる4,077億円となった。環境省では、これら予算措置によって、2030年46%削減の実現、JCM(二国間クレジット制度)の資金援助などを通じた脱炭素インフラ輸出1兆円、さらにサーキュラーエコノミー関連のビジネス市場規模80兆円以上とする目標に取り組む方針だ。

(Text:藤村朋弘)

EnergyShift編集部
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