平井陽一朗のテスラに乗って 第5回 テスラ君がこわれちゃた♪ | EnergyShift

脱炭素を面白く

EnergyShift(エナジーシフト)

平井陽一朗のテスラに乗って 第5回 テスラ君がこわれちゃた♪

平井陽一朗のテスラに乗って 第5回 テスラ君がこわれちゃた♪

2021/08/22

自動車検査登録情報協会の令和2年データによると、軽自動車を除く乗用車の平均車齢(初度登録してからの経過年の平均)は、8.72年だそうな。そんな従来の自動車の常識なんて「ワレカンチセズ」なイメージのテスラですが、やっぱりお別れのときはやってくるのです。ちなみに人間の男女平均交際期間は、1年以上3年未満と言われており、3年目はヤバイというのが世間の通説。ヤバイ理由は、マンネリ化してドキドキがなくなるからとか、相手の嫌な部分が見えて冷めてくるからと言われておりますが、さて平井氏とテスラのあの愛に満ち満ちた日々はどうなってしまうのでしょう!? 衝撃の、第5回!

(第5回)はじめての故障

さて、テスラに乗り始めて最初の2~3年間は、充電に多少の不便さは感じつつも、前回の記事で語ったテスラの魅力が完全に不満点を上回っており、とてもゴキゲンだったのですが、段々と「うーん・・・」と感じざるを得ない事態となってしまったのです・・・。

はじめての故障は、3年目の真夏のことでした。購入して2年半、中古でのテスラ入手ですので、クルマの年落ちでいうと4年くらいの時ですね。

長野の親戚の家からの帰り道、中央道は記録的な大渋滞。そして外は38度の炎天下。そこでなんとテスラのクーラーが故障したのです・・・。

全然冷たい空気が出てこない・・・、いや、むしろ温かい空気になってきた・・・。

まず心配したのは、子供たちが田んぼでとってきた蛙たち。「家で育ててみたい」と言うので、餌のコオロギまで購入して積んでいましたが、このままだと蛙さんたち死んじゃうし、僕らも暑くて死んじゃうよ、ということで、とっさの判断ですぐ近くの甲府インターで高速を降り、最初に発見した川辺で、まず蛙たちとコオロギたちを自然に帰しました(ちょっと川の流れが急で、蛙さんたち、すごい勢いで流されていっちゃいましたが・・・)。

次に家族を最寄りの駅まで送って新幹線で帰ってもらい、自分は現地のシティホテルで一晩を明かしたのでした。で、翌朝5時のまだ涼しい時間帯に都内まで戻って仕事に行く、ということがありました・・・。

まあ、自分の経験上、外車は一般的に電気系統の故障が多いですし、搭載カーエアコンのフロンもなくなってきていたタイミングだったみたいですしね。

こういうトラブルは、どんなクルマにもあり得ます。ドンマイです。と思っていたのですが段々ドンマイですまなくなってきちゃったのです。

4年目に入ってから、さらに3回ほど立て続けに故障がありました。そのうち2回はサンルーフの故障で、要はサンルーフが閉まらなくなってしまったのです。

1度目はすぐに直してもらえたのですが、その後2度目の時は交換部品を間違えたなど、その後も交換部品がないから本国から取り寄せないといけない、などの理由で、結局2ヶ月ほど修理に預けっぱなしという事態になり(結局直らなかった・・・)、

なんとその間にリース期間が終了!

そして不本意ながら「テスラくん、さようなら」という・・・。

テスラくん、さようなら

まあ、サンルーフ開閉の問題も一種の電気系統の不具合ですからね。車に乗っているとありがちと言えばありがちです。ですが、やっぱりこのあたりのメンテナンスサービスや、電気系統は正直イマイチだなぁ、と・・・。

もちろん、このまま買い取って乗り続ける、新しいテスラに乗り換えるなどの選択肢はあったわけですが、やはり最後の1年の顧客体験が悪すぎまして、結局手放すこととあいなりました・・・。

ちなみに、前述のサンルーフ以外にもいくつか故障を経験しましたが、一番怖かったのは、アップデートエラーです。

ある時、知らぬ間に大きなアップデートがあったようなのですが、その際に2017年式以前のクルマは根こそぎバグが出て、大きなiPadのようなフロントのインパネも、ハンドル奥のインパネもブラックアウトしてしまったのですね。その状況で東雲のサービスステーションまでクルマを乗っていったのですが、この時は正直ちょっと怖かった・・・。

何が怖いかというと、ブラックアウト自体はそれはそれで怖いのですけどね、このいま乗ってるクルマって万が一ハッキングされたらどうなってしまうのだろう? 制御不能になってしまうのだろうか?? というリスクの部分ですね。(こうした故障やトラブルに関しては、いろいろな記事が出ていますので、ぜひご一読いただくことをおススメします。)


■テスラのサイトのサポートページによると、同社はソフトウェアを更新し、メディアコントロールユニット(MCU) に搭載された8GB埋め込み型MultiMediaCard (eMMC) を交換するために、一部のModel S、およびModel X車両を自主的かつ積極的にリコールすることを決定している。このリコールは、2018年3月より前に製造されたModel S、およびModel X車両にのみ適用されるとか。ブラックアウトなどの原因は、MCUに8GB埋め込み型MultiMediaCard (eMMC) が搭載されており、長期使用による書き換え摩耗により当該症状が発生するとのこと。自動車の話ではないが、任天堂のゲーム機、Nintendo Switchなどでは、このフラッシュメモリーの書き換え問題を回避するために、サードパーティのソフトハウス側に対し、ゲームソフト側でも本体への書き換え回数を制限する開発ガイドラインを予め課している。
参考参照元:テスラ社サイト

まあ、テスラにとってもセキュリティは死活問題ですから、持ちうるすべての英知と財力を結集して万全な対策を期していると思いますが、とはいえ、Facebookなどの巨大IT企業でもハッキングされる世の中です。何事にも絶対はない、と考えると、やはり怖いな、という感覚もあります。

自動運転のレベル4以降の世の中では、こうしたセキュリティがいかに万全なのかという信頼が、企業やサービスの成否を分けていくのだろうな、と思わされます。

まあ、それも含めて、各方面のオピニオン・リーダーは「レベル4以降なんてのは、この先10年や20年くらいでは難しいよ」という見解に変わってきているのかもしれませんね。

そういう意味では、ハッキングプルーフなITに強い企業群が、この先こうしたモビリティ分野にさらに打って出てくるという可能性もあるのかもしれませんが、何しろちょっとIDを盗まれたというレベルとは違い、クルマは命を預ける乗り物ですからね。

テスラに限らず、あらゆるコネクテッドカーに言えることですが、これからのモビリティ領域は、今までにも増して、ネットワークセキュリティを含めた品質保証というものが特に重要になるのだろうな、と改めて感じた次第でした。

 

第6回に続く(次回8月下旬配信予定)

「平井陽一朗のテスラに乗って」のバックナンバーはこちら

平井陽一朗
平井陽一朗

BCG Digital Ventures Managing Director & Partner, Head of Asia Pacific & Japan 三菱商事株式会社を経て2000年にBCGに入社。その後、ウォルト・ディズニー・ジャパン、オリコンCOO(最高執行責任者)、ザッパラス社長兼CEO(最高経営責任者)を経て、2012年にBCGに再入社。キャリアを通し、一貫して事業開発に関わっており、特にデジタルを活用した新規事業立ち上げを多く主導。 BCGハイテク・メディア・通信グループ、およびコーポレートファイナンス&ストラテジーグループのコアメンバー。メディア、エンターテインメント、通信業界を中心にアライアンス、成長戦略の策定・実行支援、特にデジタル系の新事業構築などのプロジェクトを手掛けている。 また、BCG Digital Ventures 東京センターの創設をリードし、2016年4月の同センター開設後は、マネージングディレクター&パートナー、およびジャパンヘッドとして、2021年からはアジア・パシフィック地区のヘッドとして、新規事業アイデアの創出、新規事業の出資を含めた立上げなどを幅広く手掛けている。同デジタルベンチャーズ出資先数社の社外取締役を兼務。