リンナイは11月5日、温暖化ガスの排出を実質ゼロにする「リンナイグループのカーボンニュートラル実現に向けて」を策定したと発表した。2026年3月期までの5年間累計で500億円以上を投じる。
500億円のうち、開発部門には300億円超を投資する。新たに研究開発拠点を立ち上げ、水素を燃料とする機器やヒートポンプ式の電気機器などの次世代開発へ投資する。
製造部門では再生可能エネルギーの設備導入やグリーン電力への切り替えなどに150億円超を投資する。
事業活動におけるCO2排出量の削減は、工場や事業所においてグリーン電力の購入や非化石燃料設備の導入によって、スコープ2は国内を2030年までにCO2排出ゼロ、海外は2050年までにゼロを目指し、スコープ1については国内・海外ともに2050年までにゼロを目指す。
さらに、自社製品使用時のCO2排出量の削減も2050年に実質ゼロにする。同社の報告によると、同社が関わるCO2排出量は「商品使用時」が圧倒的に多いという。従来型給湯器に比べCO2排出量を約50%削減する「ECO ONE(エコワン)」の販売を2030年に年間30万台に引き上げ、海外でも脱炭素ガスであるメタネーションや、水素燃焼機器と再エネ技術を組み合わせた給湯器の普及を促すことで、実質ゼロを実現するという。
グループとしては、 既存製品(イギリス・オセアニア・アメリカ・イタリア)において、家庭用ガスに水素を混ぜた燃焼評価を実施している。将来の水素100%燃焼に対応した新製品向けの技術確立を、同社が中心となって各国と連携して開始しており、水素関連機器の技術開発にも力をいれる。
カーボンニュートラルに向けて積極的な投資により、開発・製造・販売でのイノベーションを加速していく方針だ。
EnergyShift関連記事
・リンナイの「ECO ONE」がECHONET Lite通信を活用 太陽光発電や蓄電池システム連携のスマートハウス仕様に
・家庭エネルギーの IoTで、電力消費最適化と再生可能エネルギーの拡大へ / Nature 塩出晴海氏
ニュースの最新記事