トヨタ、2035年までに欧州での新車販売をEV・FCVへ完全移行と発表 同社が覆したいイメージとは? | EnergyShift

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トヨタ、2035年までに欧州での新車販売をEV・FCVへ完全移行と発表 同社が覆したいイメージとは?

トヨタ、2035年までに欧州での新車販売をEV・FCVへ完全移行と発表 同社が覆したいイメージとは?

2021年12月07日

トヨタ自動車は、12月2日に、2035年までに欧州で販売する新車の二酸化炭素(CO2)排出をゼロにすることを発表した。新車はすべて、電気自動車(EV)や燃料電池車(FCV)といったゼロエミッション車(ZEV)に切り替える予定だ。

トヨタは2035年までに、ハイブリッドを含む内燃機関車の販売を欧州では終了する

欧州連合(EU)では、7月に、2035年に域内で新車が排出するCO2をゼロにすることを義務づける案「European Green Deal」が出ている。ガソリン車はもちろん、トヨタが強みとしてきたハイブリッド車(HEV)やプラグインハイブリッド(PHEV)も実質的に規制対象となるため、これに対応していく姿勢をしめしたのが今回の発表だ。

対象となるのは欧州連合(EU)加盟国と英国、ノルウェーなどで、ロシアなどは含まないが、特定地域の新車販売をすべてゼロエミッション車に切り替えると公表したのは初めてだ。同社の欧州での自動車販売は2021年に過去最高の107万台(ロシア含む)になる見通しと報じられており、世界全体の10%以上にあたる。

トヨタはこれまで、欧州では2030年の新車販売の40%を「ゼロエミッション車」に、残りの60%をHEVやPHEVにすることを目指していた。今回の発表で、充電設備と水素充填設備が十分に整備されていることを前提条件としつつも、ZEVが新車販売に占める比率を2025年に10%、2030年に50%と高め、2035年に100%に修正したことが報じられた形だ。

もちろん、トヨタが開発中の水素エンジン車を投入する可能性もあるが、中心はEVになる見通し。

EV浸透に向けて、トヨタはまず、多目的スポーツ車(SUV)タイプの新型EV「bZ4X」を2022年半ばに発売する。さらに、欧州の消費者の嗜好に合わせたbZ4Xより小型のEVも続けて投入することも報道されている。

bZ4Xはトヨタとスバルの共同開発車で、BEVのために完全に新設計されたプラットフォーム(車台)「E3」を用いているのが特徴。駆動用バッテリーに用いられるリチウムイオン電池は、トヨタとしても初の水冷式のものを採用しており、10年後も90%以上の性能を発揮可能な新開発のものになっている。

また、高級車ブランド「レクサス」からもbZ4Xと同じ車台を使ったSUVのEV「RZ」を発売することも予定している。

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高橋洋行
高橋洋行

2021年10月よりEnergyShift編集部に所属。過去に中高年向け健康雑誌や教育業界誌の編纂に携わる。現在は、エネルギー業界の動向をつかむため、日々奮闘中。

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