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岸田人事から見る脱炭素の行方 河野外しの狙いも分析

2021年10月01日

岸田陣営に新たに加わる人物とは

安倍元総理の補佐官を務めた経産省出身の今井氏が岸田陣営に入っているのは周知の事実だが、実は、9月30日にひっそりとある人物が陣営に加わる予定となった。

報じられた内容というのが、岸田氏が首相就任後の人事で、政務担当の首相秘書官に嶋田隆・元経済産業次官を起用する方針である、というもの。

あえてみなまで申し上げないが、この政権はそういう色の政権になる、ということだ。やはり極めて安倍色に似た色を帯びる政権になるだろう。


岸田文雄氏のTwitterより

いずれにしても、この傾向から分析をすると、政府主導での脱炭素は、これまでほどの加速度は見せなくなる公算が高い。

もちろん、国際社会の潮流がそれを許さないだろうから、その中で、折り合いをつけつつ、こういう方々はそこに関しては手練れなので、うまくつけながら、メッセージは発出すると思われる。

ただ、重要なのは、アメリカもトランプ政権の間に、脱炭素競争では後塵を拝する格好になってしまい、いま、猛烈にキャッチアップ中であるということ、さらには、国際動向把握に長けているアメリカの民間セクターは政府関係なく、しっかりと動いていたということ。この2つを教訓として日本の民間セクターも見習うべきだろう。

個人的には危機感が募ったが、だからこそ、脱炭素の重要性を発信しなければならないとも同時に感じた人事でもあった。

今回はこの一言でまとめたい。

『脱炭素には逆風だった与党人事』

前田雄大
前田雄大

YouTubeチャンネルはこちら→ https://www.youtube.com/channel/UCpRy1jSzRpfPuW3-50SxQIg 講演・出演依頼はこちら→ https://energy-shift.com/contact 2007年外務省入省。入省後、開発協力、原子力、官房業務等を経験した後、2017年から2019年までの間に気候変動を担当し、G20大阪サミットにおける気候変動部分の首脳宣言の起草、各国調整を担い、宣言の採択に大きく貢献。また、パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略をはじめとする各種国家戦略の調整も担当。 こうした外交の現場を通じ、国際的な気候変動・エネルギーに関するダイナミズムを実感するとともに、日本がその潮流に置いていかれるのではないかとの危機感から、自らの手で日本のエネルギーシフトを実現すべく、afterFIT社へ入社。また、日本経済研究センターと日本経済新聞社が共同で立ち上げた中堅・若手世代による政策提言機関である富士山会合ヤング・フォーラムのフェローとしても現在活動中。 プライベートでは、アメリカ留学時代にはアメリカを深く知るべく米国50州すべてを踏破する行動派。座右の銘は「おもしろくこともなき世をおもしろく」。週末は群馬県の自宅(ルーフトップはもちろん太陽光)で有機栽培に勤しんでいる自然派でもある。学生時代は東京大学warriorsのディフェンスラインマンとして甲子園ボウル出場を目指して日々邁進。その時は夢叶わずも、いまは、afterFITから日本社会を下支えるべく邁進し、今度こそ渾身のタッチダウンを決めると意気込んでいる。

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