「相場の福の神」藤本誠之の 脱炭素銘柄こっそり教えます!第3回 風力発電 | EnergyShift

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「相場の福の神」藤本誠之の 脱炭素銘柄こっそり教えます!第3回 風力発電

「相場の福の神」藤本誠之の 脱炭素銘柄こっそり教えます!第3回 風力発電

2021/09/13

「脱炭素×株式投資」をテーマにした話題の企画。脱炭素ブームに乗って事業の成長、株価の躍進を望めるのはどんな会社なのか。マーケットアナリストの藤本誠之氏に、脱炭素投資ビギナーのマネーライターが聞いた連載も3回目となった。今回は再生可能エネルギーのひとつ「風力発電」をキーワードに、注目の関連銘柄をレポートする。

脱炭素の実現に向け、世界で導入が広がる再生可能エネルギー。日本は発電電力量に占める再エネの比率が約18%(2019年度)と諸外国に比べて低いが、2050年には50~60%に引き上げる方針を打ち出している。

「皆さんご存じのとおり、再生可能エネルギーには太陽光、風力、地熱、バイオマスなどがあります。再エネの中で投資妙味が高いのはどの分野か。私は風力と読み、とくに洋上風力発電に期待しています」(藤本氏、以下同)

風力発電設備には陸上と洋上がある。洋上のメリットは陸上に比べて強い風が吹くため、発電のポテンシャルが高いこと。2019年、国は洋上風力発電のための海域の利用を促進する法律「再エネ海域利用法(海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律)」を施行。これにより以後、多くの洋上風力発電所の設置が見込まれるようになった。

2020年7月、秋田県由利本荘市沖が再エネ海域利用法に基づき、洋上風力発電設備を優先的に整備できる「促進区域」に指定された。同区域では公募で事業者を選定。選定された事業者は最大30年間、海域利用の占有許可を得られるという。

「この地で洋上風力発電事業の検討を進め、注目を集めているのが【レノバ】(東証1部:9519)です。洋上風力において大本命の会社ですね」

同社は再生可能エネルギーの発電所を日本やアジアで開発、運営している。風力だけでなく、太陽光、バイオマス、地熱など幅広く再エネ事業を行っている。

「秋田県沖の洋上風力発電プロジェクトは国内最大規模を誇り、設備容量約700MW(70万kW)を予定しています。日本の原子力発電所の設備容量は1基ざっくり100万kW程度ですから、その7倍にものぼる計画です。これだけ大きな風力発電事業が動きだしたら、レノバにとって大きな収益となるのは間違いない。そもそも日本には洋上風力発電施設を手掛けるメーカーが少ないという点からも、レノバ有利といえます」

レノバ(東証1部:9519)


2021年9月3日時点株価4,245円(最低購入価格424,500円)

風力発電の陸上の設備はすでに日本の各所に設置され、今後も洋上と同様に増えていくことが予想される。ただし設備は永久に使えるわけではない。耐用年数があることをご存じだろうか。

「風力発電設備の耐用年数は15~20年程度とされています。したがって周期的に建て替えをしなければならず、その都度、解体しなければなりません。といっても設備を解体するのは容易ではなく、高度な技術が必要不可欠です。そこで、プラントの解体工事において優れた技術力や発想力を持ち、安全面やコスト面などさまざまな課題をクリアできる【ベステラ】(東証1部:1433)の技術が期待されます」

同社は製鉄所や発電所など各種プラントの解体工事を請け負う。特許を持つ複数の特殊工法が秀悦だ。

ベステラ(東証1部:1433)


2021年9月3日時点株価1,483円(最低購入価格148,300円)

「風力発電設備の解体技術のひとつに、『マトリョーシカ式工法』と呼ばれるものがあります。ロシアの代表的な民芸品であるマトリョーシカ人形の特徴を応用した工法で、大型重機を使わず、コンパクトな解体を実現。工期の短縮や環境にやさしいなどメリット多数です。風力発電設備の増加とともに、ベステラの解体事業の需要も続くため、持続的な成長が望めるでしょう」

一方、風力発電設備には運用時にも課題がある。落雷などにより火災が起きたときの対応だ。高地や海岸などに設置されている設備の場合、消防車が対応できず、消火活動は困難を極めるケースが少なくない。この課題を解決する会社として、藤本氏が注目するのが【ポエック】(ジャスダック:9264)だ。

ポエック(ジャスダック:9264)


2021年9月3日時点株価2,391円(最低購入価格239,100円)

「ポエックは革新的な環境・防災機器を開発しています。そのひとつ、次世代消火装置『ナイアス』が風力発電設備の防災に威力を発揮するでしょう」

同社はポンプに関する高い専門性を持つメンテナンスメーカー。水と空気に重点を置いた環境装置全体に分野を広げ、革新的な機器の開発、製造・販売も手掛けている。

「ナイアスは、世界初の窒素加工方式による消火装置です。送水に動力ポンプを使わないので電気工事不要。水も圧力水槽内のものを使うので水道工事不要。電源、水源なくして災害時に確実に作動する画期的な消火設備なわけです。しかも、化石燃料や電気を一切使わないので環境にもやさしい。今後、風力発電設備への導入が期待されます」

脱炭素社会の実現に欠かせない再生可能エネルギー。今回紹介した風力に限らず、太陽光、地熱、バイオマスなどの分野にも注目企業は潜んでいる。各分野にメリットデメリットはあることを頭に入れつつ、関連銘柄を広くウォッチして、成長の波に乗りたい。

(取材・文 百瀬康司)

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藤本誠之
藤本誠之

「相場の福の神」の愛称で親しまれるマーケットアナリスト。ラジオNIKEEIで5本の看板番組を持つのをはじめ、テレビ出演、新聞・雑誌への寄稿も多数。日本証券アナリスト協会検定会員、ITストラテジスト、All about株式ガイドを務める。1965年生まれ。関西大学工学部卒。日興證券(現SMBC日興証券)、マネックス証券、カブドットコム証券(現auカブコム証券)、SBI証券などを経て、現在は財産ネット株式会社にて企業調査部長を務める。 『<決定版>朝13分で、毎日1万円儲ける株』『株は社長で選べ! コロナ継続・収束問わず確実に勝ち続けるたった一つの株式投資術「はじめてのかぶしき――株のことをよくわからないけど始めたいあなたへ』『儲けに直結!株価チャートドリル』『ポケモンGO!は世界を救う』など著書多数。 出演ラジオ http://www.radionikkei.jp/fukunokami/  http://market.radionikkei.jp/ifudodo/  http://market.radionikkei.jp/tsuyomi/  ツイッター https://twitter.com/soubafukunokami?ref_src=twsrc%5Egoogle%7Ctwcamp%5Eserp%7Ctwgr%5Eauthor  ユーチューブ https://www.youtube.com/channel/UCKWACtKH6FESboA5ndrKalA  フェイスブック https://www.facebook.com/nobuyuki.fujimoto.3