経済産業省は9月24日、第57回制度検討作業部会において、企業が再生可能エネルギーによる電気を調達したと示す証書(環境価値)の最低価格を1.3円/kWhから0.3円/kWhに引き下げることを決めた。11月に設ける新たな市場「再エネ価値取引市場オークション」で適用する予定だ。
現在の証書の取引市場では需要家(企業)が証書を活用するには小売電気事業者から電気と証書をセットで購入する必要があったが、市場の新設により、今年11月からはFITの認定を受けた発電所の電気であることを示す「FIT証書」であれば、企業が直接証書を購入できるようになる。
最低価格で応札されることが多くなることが予想されるため、事実上の値下げとなる。企業が証書を直接購入することで環境価値を調達しやすくなるため、RE100に加盟するグローバル企業等からの要請に応えるかたちになるとされている。
一方で、非化石証書の有効期限や税務上の取り扱い、売れ残り証書の取り扱いなど、残された論点は決して少なくない。また、これまで電気と併せて環境価値を取り扱っていた小売電気事業者はどう採算を取っていくのかも注目されている。
環境価値を求めている企業の後押しとなるか、今後の動向を注視したい。
EnergyShift関連記事
・環境価値、企業の直接購入解禁へ
・再エネ拡大を阻害しかねない非化石価値取引の市場分割
ニュースの最新記事