欧州エネル、2030年までに23兆円投じ脱炭素化を加速 120GWまで再エネを拡大 | EnergyShift

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欧州エネル、2030年までに23兆円投じ脱炭素化を加速 120GWまで再エネを拡大

欧州エネル、2030年までに23兆円投じ脱炭素化を加速 120GWまで再エネを拡大

EnergyShift編集部
2020/12/07

ヨーロッパ最大のエネルギー企業、イタリアのエネル(Enel)は2020年11月24日、2030年までの10年間に1,900億ユーロ(約23兆円)を投じ、脱炭素化を推進する2030ビジョンを発表した。再生可能エネルギーへの投資も積極的に行い120GWまで拡大させ、持続的な成長を目指す。

巨額投資によって、持続的な成長を目指す

ヨーロッパ最大のエネルギー企業、イタリアのエネル(Enel)は、2020年11月24日、2021年から2030年までの10年間に1,900億ユーロ(約23.5兆円)を投資し、脱炭素化を推進する2030ビジョンを発表した。脱炭素を加速させるため、2030年までに再生可能エネルギーへ約700億ユーロ(約8.6兆円)を投じ、現在約45GWの2.7倍となる約120GWに拡大させる。

エネルは20兆円を超える巨額投資により、中長期的な収益を生み出すことができるとし、2030年までにEBITDAは年率5〜6%、経常利益は年率6〜7%の成長を見込んでいる。

2030年ビジョンは、従来型のエネルギービジネスをデジタル化によって収益性を高める「オーナーシップ」ビジネスモデル、そしてサードパーティーと提携し新たな事業を構築する「スチュワードシップ」ビジネスモデルの2つから構成されている。

エネルグループは約1,600億ユーロを直接投資する計画であり、そのうち1,500億ユーロを「オーナーシップ」モデルに投資し、残り100億ユーロを「スチュワードシップ」モデルに直接投資する計画だ。さらにスチュワードシップモデルには、サードパーティーから約300億ユーロ調達する予定で、合計1,900億ユーロの巨額投資を可能にするという。

再エネ投資額は700億ユーロ

1,500億ユーロを投じるオーナーシップモデルでは、まず再エネに約700億ユーロを投資し、2030年までに現在約45GWの2.7倍となる約120GWまで拡大する。これは140GWを超える成長するパイプラインや、世界規模のエネルギープラットフォームのビジネス開発、エンジニアリング、およびO&Mの強みを発揮することで成し遂げられるとする。

またインフラ増強やデジタル化を推進するために資産価値ベースで約700億ユーロを投じ、さらに9,000万ユーロを費やしスマートメーターを導入する。残りの投資額は、電化によるエネルギー効率の上昇など、顧客価値の向上に充てられる。スチュワードシップモデルへの投資は、再エネならびにファイバー、eトランスポート、フレキシビリティ分野を中心に、総額約400億ユーロを投じる計画だ。

エネルグループでは、2030ビジョンを実現することでCO2排出量を2017年比で80%削減し(SBTi認定)、再エネと電化による投資を通じて、エネルグループが展開する国々において、2,400億ユーロ(約30兆円)を超えるGDPの創出に貢献できるという。

2021年から2023年の戦略プラン

エネルグループでは、2021年から2023年までの3年間の戦略プランとして、400億ユーロを直接投資し、このうち380億ユーロをオーナーシップモデルへ、20億ユーロをスチュワードシップモデルに投資する計画で、さらにサードパーティーから80億円の融資を得る予定だ。

再生可能エネルギーへは170億ユーロが充てられ、2023年までに60GWまで増やす。脱炭素化を加速させる結果、2023年までに30%以上CO2排出量を削減できるという。

さらに、DR(デマンドリスポンス)などを手がけるグループ会社、エネルXは2023年までに電気バスを現在の6倍以上となる約5,500台へと増やし、DR容量を10.6GW(2020年比1.8倍)、ストレージ容量を527MW(2020年比4.2倍)へと引き上げる目標を掲げている。エネルXは、2023年に公共・家庭用のEV充電スポットを世界規模で約780,000基まで増やす計画だ。

再エネのスーパーメジャーを目指す

3年間の戦略プランの結果として、すべての事業において2ケタ成長を見込んでいる。2023年のEBITDAは207億~213憶ユーロ、経常利益は年率8〜10%の成長を遂げ、65億〜67億ユーロを予想する。

エネルグループによる2023年までの財政目標

エネルのCEO兼ゼネラルマネージャーであるFrancesco Starace氏は、次のように述べている。

「この新しい戦略計画により、私たちは次の10年間に向けた方向性を定め、目標を達成するために1,900億ユーロを投資します。このビジョンを実現するために、革新的なプラットフォームベースのモデルによって推進される3つの主要な要素にわたり、ユーティリティ分野における明確なリーダーシップを発揮することができます。まず、再エネ分野の『スーパーメジャー』として、世界最大の民間発電所を運営していきます。前例のないグローバルネットワークシステムがあり、プラットフォーム運営モデルによって、品質、レジリエンス、効率性、そしてフレキシビリティが向上します。最後に私たちには革新的サービスと統合された商品を提供できる世界最大の顧客基盤があります。この10年を通して、すべてのステークホルダーに対し、持続可能な価値創造を強化していきます」。

(Text:紺野 真冬芽)

Enel Press Release "Enel’s 2030 vision in 2021–2023 Strategic Plan: a decade of opportunities" 2020.11.24