政府・与党は、温暖化ガス(GHG)の排出量に応じて課税する炭素税などのカーボンプライシングの明記を、2022年度税制改正大綱では見送るという。11月19日には環境省が本格導入を提案し、脱炭素を実現するための税制は今後の検討事項であると位置づけたものの、具体的な制度のあり方がみえないままとなった。
カーボンプライシングの本格導入については、これまで、経団連が非化石証書やJ―クレジットなどを有力な選択肢として評価する一方、炭素税と排出量取引には慎重な姿勢を示してきた経緯がある。環境省も「令和4年度税制改正(租税特別措置)要望事項(新設・拡充・延長)」の中で、「炭素税や排出量取引については、負担の在り方にも考慮しつつ、プライシングと財源効果両面で投資の促進につながり、成長に資する制度設計ができるかどうか、専門的・技術的な議論を進める。」としていたが、導入にはつなげられなかった。
また、カーボンプライシング全般については「産業競争力の強化やイノベーション、投資促進につながるよう、成長に資するものについて躊躇なく取り組むこととしている。」と記していた。
11月14日には、欧州連合(EU)が、温暖化対策の足りない国・地域からの輸入品に対して課税する「国境炭素税」を2026年にも導入すると発表。脱炭素に向けて、国内全体の機運を高める必要がありそうだ。
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