確かにイネは元々、寒さに弱い作物であり、麻生氏が言うように北海道産の米が「やっかいどう米」と呼ばれた時期があったことは事実だ。しかしながら、寒さに耐える品種改良と栽培法の確立によって、北海道が現在では全国2位(令和2年)の米どころとなっている点も、誰もが知るところだろう。
気候変動に詳しい農業の研究者は下記のように語っている。
「北海道でお米がおいしくなったのは、選抜育種と栽培法の確立という要因が大きい。10月になれば雪が降る土地では、短い季節で栽培することになる。北海道ではこうした努力を100年以上続けてきた。その結果が、ななつぼしやゆめぴりかだ。」
一般にお米は、アミロース(でんぷんの一種)とタンパク質が適度に少ないものの方が、粘り気が出ておいしいとされる。例えば、ブランド米として有名な新潟県の南魚沼郡のコシヒカリのアミロース含量は16.7%だ。上記のななつぼしは18.2%、ゆめぴりかは15.0%と高品質を保っている(北海道農業研究センターホームページより、2005年から2009年の平均値を抜粋)。
北海道の米がおいしくなったのは、高品質な米を開発し、広い土地を生かして栽培しきった農業関係者の努力の賜物といえる。
「北海道農業研究センター」ホームページより
温暖化と稲作に相関関係はあるのか。温暖化で米はおいしくなるか・・・次ページへ
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