カナダ天然資源省のマーリーン・クラウス氏は、天然資源のトレーサビリティについてプレゼンテーションを行った。
例えば、同じリチウムであっても、採掘にあたってどのような環境負荷をかけているのか、使われたエネルギーのCO2排出はどうなっているのか、労働者の人権は守られているのか、こうした点はESGの観点から極めて重要なものとなっている。資源や製品にトレーサビリティを付与することで、企業におけるスコープ3のCO2排出削減やグリーン消費者へのアプローチにもつながっていく。こうした点は、将来の競争力の向上のためにも不可欠だという。
同じくカナダ天然資源省のマイケル・ポーネッシュ氏は、カナダの電力の脱炭素化へのビジョンを改めてしめした。現在でもカナダではまだ一部で石炭火力発電所が利用されているが、2050年に向けて、電力のカーボンゼロを実現していくということだ。
今回は日本からの投資を呼び込むことを目的としたセミナーではあったが、カナダがレアメタルからバッテリーリサイクルまで、また使われる電力もCO2排出量が少ないなど、カーボンゼロに向けたバリューチェーンには高いポテンシャルがあることが示される内容だったといえよう。
ヘッダー写真:Li-Cycle - Advanced Lithium-ion Battery Resource Recovery - 2020 Corporate Video
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