前回、「中編その１」では、主に米国におけるそれぞれの市場での、容量メカニズムに対する取り組みを紹介した。当たり前のことだが、市場ごとに背景も選択した手段も異なっている。また、日本の容量市場のモデルとなったPJMにおいても、課題があることも示した。「中編その２」では、欧州における容量メカニズムへの取り組みについて、環境エネルギー政策研究所の飯田哲也氏が紹介する。

エネルギー

冷静かつ大局的に再考すべき「日本型容量市場」（中編その２）

前回は、なぜ日本において何らかの発電容量を確保するための容量メカニズムが検討されたのか、結果として容量市場が選択されたが、ほかにはどのようなしくみがあるのか、について述べてきた。そこで欧米の電力市場は、どのようなしくみを採用したのか、結果としてどのようなメリット・デメリットがあったのかについて、環境エネルギー政策研究所の飯田哲也氏が紹介する。（２回分割掲載）

冷静かつ大局的に再考すべき「日本型容量市場」（中編その１）


導入されてしまった容量市場に対し、どのように対応していけばいいのか、事業者にとって、あるいは政府にとっての、現実的な解について、京都大学特任教授の安田陽氏に語っていただいた。小売電気事業者は消費者に対する説明責任を負う一方で、DRによる容量市場参入に取り組むチャンスもあるという。

容量市場、事業者や政府は何をするべきなのか 安田陽氏インタビュー

容量市場に関する様々な議論をシリーズでお送りしている「容量市場を考える」。今回登場の京都大学特任教授・安田陽氏は、これまで日本の電力市場のあるべき姿や課題を指摘してきた。今回は、９月に発表された約定結果、およびその後のさまざまな議論を受けて、あらためて日本の電力市場において、容量の確保はどうあるべきなのか、お聞きした。

容量市場に潜む本質的な問題　安田陽氏インタビュー

容量市場に対し、さまざまな議論が起きているが、消費者にとって、生活にどのように影響があるのか、なかなか伝わらないのではないか。例えば、容量市場で支払われる金額が、どのように電気料金にはねかえってくるのか。FoE Japan気候変動・エネルギー担当の吉田明子氏に、消費者・市民の立場から見た容量市場について寄稿いただいた。

容量市場、再エネ新電力や消費者への影響は？

本サイトでは、2020年9月に公表された容量市場の約定結果を受けて、さまざまな方にご寄稿いただいた。あらためて、容量市場はどうあるべきなのか、開かれた議論が必要だと考えたからである。では、読者の方々はどのように考えているのか。このページへのコメント、あるいは寄稿、いずれの形でも、ご意見をいただきたいと思う。


あなたは容量市場をどう考えますか？

原子力資料情報室の松久保肇氏は、早くから容量市場が抱える問題を指摘してきた。たとえば、いわゆる「ベースロード」電源の容量市場参入によって、退出すべき電源である老朽化した石炭火力や原子力の延命がなされるといった点だ。今回、2020年の約定結果を受けて、あらためて、何が問題なのか、解説していただいた。

容量市場の問題　日本の電力市場の最適解とは

容量市場の約定結果が上限価格近くとなったことから、あらためて制度の問題、さらには制度そのものを問いなおすという議論が起こっている。長年、再生可能エネルギーの普及拡大とエネルギーの民主化を訴えてきた、環境エネルギー政策研究所の飯田哲也氏は、あらためて容量市場について、大局的な視点から検討し、日本における発電所の設備容量の確保はいかにあるべきかを、２回にわたって提言する。

冷静かつ大局的に再考すべき「日本型容量市場」（前編）〜RE100の未来に向けて〜

エネルギー戦略研究所　取締役研究所長の山家公雄氏は、本サイトの「シリーズ容量市場を考える」において前回、米国PJMとの比較を行い、日本の第１回入札結果が想像を絶する高価格になったこと、形は似ているものの市場設計そして思想が異なるにことについて解説した（衝撃的な入札結果が示す日本版容量市場の真実）。今回は容量市場を採用していない米国テキサス州の動向を紹介する。テキサス州は卸市場のみで経済性・信頼性の両立を図り、リアルタイム市場の指標のみで予備力を確保している。

容量市場なしで予備力を確保するアメリカ・テキサス州

日本の容量市場において、約定された電源は、火力発電所などの安定電源だけではない。需給がひっ迫した時に対応する、DR（デマンドレスポンス）を含む、発動指令電源もまた、応札し、約定している。DR事業を日本で展開している、エナジープールジャパン代表取締役兼CEOの市村健氏が、独自の視点から、容量市場の問題と可能性について指摘する。

容量市場の問題と可能性　3つのポイントで検証する

容量市場の約定結果は大きな波紋を投げかけた。実際に課題がある一方で、電源の維持管理にあたっては、必要な市場であるという見方もできる。また、脱炭素化を進めるためにフェードアウトを想定した非効率石炭火力発電所に対しては、容量市場とは異なる政策が必要なのかもしれない。電力需給の現状と将来という視点から、容量市場について、東京電力ホールディングス 経営技術戦略研究所の戸田直樹氏にご寄稿いただいた。

容量市場の入札結果は何を語るか　次は大型炭素税だ

2020年度からスタートした容量市場の約定結果（2024年度分）がほぼ上限価格だったことから、制度や約定そのものの見直し論まででている。経産省審議会ではこれに対し、どのような議論や提案が行われているのか、そして、どのような課題が指摘され、あるいは見直されるべきなのか、エネルギージャーナリストの木舟辰平氏が解説する。

議論百出の容量市場、その根本原因と将来とは

2020年の容量市場メインオークションの約定結果は、上限価格よりわずかに１円低いという、予想外の高価格となった。この結果は、あらためて容量市場が抱える課題を浮き彫りにしたと言えるだろう。この結果を受けて、有識者から、何が問題だったのかに関する論考をお寄せいただいた。今回は、東京大学客員教授で、東京工業大学、岐阜大学の特任教授でもある浅野浩志氏による論考をお届けする。

容量市場の課題とは：我が国初の容量市場メインオークション約定結果から

2020年度の容量市場の約定結果は全エリアで1万4,137円／kWと、上限価格より１円安い「だけ」の価格となった。この予想外の高値結果をもって、あらためて容量市場をめぐる議論が巻き起こっており、経済産業省でも再検討に入っている。容量市場オークションは何が問題だったのか、その論点を示していく。

容量市場メインオークション入札結果から問いなおす、容量市場の必要性

2020年９月14日、日本初の容量市場入札結果はkW当り14,137円という世界で例を見ない水準となった。総額1.6兆円もの追加収入が発電事業者に入り、小売電気事業者（消費者）が負担する。日本版容量市場は既存電源の棚ぼたツールなのか。エネルギー戦略研究所所長の山家公雄氏が考察する。

EnergyShift（エナジーシフト）

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容量市場、事業者や政府は何をするべきなのか安田陽氏インタビュー

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