小泉進次郎氏肝いりの「住宅への太陽光設置義務化」、見送りか  | EnergyShift

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小泉進次郎氏肝いりの「住宅への太陽光設置義務化」、見送りか 

小泉進次郎氏肝いりの「住宅への太陽光設置義務化」、見送りか 

2021年05月19日

脱炭素社会の実現に向けて、小泉進次郎環境相の肝いり施策のひとつである「住宅への太陽光設置義務化」が見送りとなる可能性が出てきた。5月19日、国土交通省が開催した審議会で13人の委員のうち、少なくとも8人の委員が義務化反対、もしくは見送りを表明したためだ。

住宅への太陽光設置義務化をめぐる議論は賛否両論渦巻く。

国交省が5月19日に開催した「脱炭素社会に向けた住宅・建築物の省エネ対策等のあり方検討会(第3回)」では、13人で構成された委員のうち、少なくとも8人の委員が反対もしくは、見送りを表明した。明確な賛成意見を表明した委員は3人にとどまった。結論は6月にとりまとめられる予定だが、義務化は見送られる可能性が高くなったといえる。

賛成派の委員からは、「2030年のCO2削減目標が46%に引き上げられた以上、太陽光パネルの住宅屋根への設置義務化は不可欠だ」といった意見が続出した。

一方、反対派の委員からは「雪国など日照条件に地域差があるなか、一律義務化は無理がある」という意見が改めて表明された。

また、ある委員は「中国電力や四国電力でも太陽光発電をつけすぎてオーバーフローの懸念がある。ここで義務化して増やして、さらにオーバーフローさせるという、バカな政策にしか聞こえない」といった手厳しい意見を述べた。

賛成派の委員は、「今回の事務局資料を見ても、義務化は難しいということが滲んでいる。しかし、仮に今回見送ったとしても、近い将来、義務化を再度議論せざるを得なくなる。1990年代以降、気候変動への取り組みは強化される一方で、ますます強化されることが間違いないからだ」と述べた。そのうえで、「たとえば2025年に義務化すると決めたうえで、それまでの期間を課題克服と環境整備の準備期間とすることで合意してはどうか」という譲歩案を提示した。

住宅への設置義務化の結論は6月中にも出される見込みだが、このまま見送りとなるのか。次回の審議会は6月3日に開催される予定だ。

(Text:藤村朋弘)

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藤村朋弘
藤村朋弘

2009年より太陽光発電の取材活動に携わり、 その後、日本の電力システム改革や再生可能エネルギー全般まで、取材活動をひろげている。

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