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三井不動産、東京大学と共同でEVへの走行中給電の実証実験を開始

三井不動産、東京大学と共同でEVへの走行中給電の実証実験を開始

2021年10月11日

10月8日、三井不動産が東京大学大学院新領域創成科学研究科(以下、東京大学)と、電気自動車(EV)への走行中ワイヤレス給電の実用化に向けた研究プロジェクトを開始し、屋外ロボット開発検証拠点である「KOIL MOBILITY FIELD(コイル モビリティ・フィールド)」にて走行中給電の実証実験に成功したと発表した。走行中ワイヤレス給電の実証実験は民間の開発フィールドでは初の取組となる。三井不動産は東京大学と連携し、走行中給電の早期実用化を目指す。

走行中給電とは、道路に埋め込んだコイルから走行中のEVに電気を送り、EVのバッテリーに自動的に給電される技術のことだ。これにより、バッテリーの供給不足の懸念を払拭すると共にEVの軽量化が可能となり、バッテリー製造や走行によって排出されるCO2の大幅な削減が可能になる。

今年6月にオープンした「KOIL MOBILIY FIELD」は、公・民・学連携で街づくりを推進している「柏の葉スマートシティ」内の135街区において、開発途上のロボットやドローンなどのモビリティの開発をサポートしている首都圏最大級の開発検証フィールドだ。

自動運転やマイクロモビリティ、ドローンなど、成長が期待される日本のロボット関連産業において課題とされてきた開発中のロボットを安全に使い勝手よくテストできるとして、オープン以来、開発に取り組む企業の集積や研究機関の誘致を進めている。

走行中給電プロジェクトは、CO2の排出を抑制する「低炭素社会」を構築するための革新的な技術を創出することを目的として、東京大学藤本博志教授らの研究グループが提案。国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)が「地球規模課題である低炭素社会の実現」領域の研究テーマとして2017年10月に探索研究として採択された。2021年6月には本格研究に移行し、日本初の公道での走行中給電の実証実験を目指し、研究を推進している。

矢野経済研究所の調査によると、世界のワイヤレス給電市場(事業者売上高ベース)は、2021年は前年比111.5%の4,301億円、2031年は1兆5,496億円に達するという。EVでは2030年以降から停車中の給電を皮切りに、走行中の給電へと段階的に普及すると予測している(2021年9月14日時点)。

走行中給電の技術がワイヤレス給電市場の普及と共に発展すれば、EVのみならずさまざまな電動モビリティが活躍する社会の基盤となるとして、期待が高まっている。

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EnergyShift編集部
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