ブリヂストンと仏ミシュランはタイヤ・ゴム業界におけるサステナビリティの進化へ向けて協力する方針を11月19日に示した。両社は11月22日~23日(現地時間)にオランダ・アムステルダムで開催される「スミサーズ・リカヴァード・カーボンブラック・カンファレンス」において、再生資源、再生可能資源由来の原材料の使用(マテリアル・サーキュラリティ)に貢献する再生カーボンブラックの利用拡大についての公開討論に参加する。
世界では、毎年およそ10億本のタイヤがその役割を終えると推定されており、使用済みタイヤの原材料の再利用や再生技術の研究が進められている。
一方で、よりサステナブルなエコシステムを構築し、タイヤ・ゴム業界全体におけるマテリアル・サーキュラリティを実現するにはさまざまな障壁がある。タイヤの重要な原材料であるカーボンブラックに占める再生カーボンブラックの割合は、再生から使用にいたる循環が未確立であるため、世界全体で1%未満に留まっているという。
今回の公開討論において、両社はカーボンブラックの再生技術の確立と新品タイヤ生産への利用拡大の展望や、その実現に向けてタイヤメーカー各社、カーボンブラックサプライヤー、再生資源への還元技術を持つスタートアップ企業など、タイヤ・ゴム業界にかかわるすべてのステークホルダーとの連携の必要性を訴えるという。
今後、共同イニシアチブの一環として、サーキュラーエコノミーの実現に向けたタイヤ・ゴム業界としての取り組み方針の検討を促進していく。2022年には両社から、再生カーボンブラックの利用拡大に向けた技術要件や課題と対策についての具体的な報告を行なう考えだ。
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