47都道府県の2020年度予算から読み解く脱炭素動向 中部エリア 地域特性活かし水素社会、RE100リゾート目指す | EnergyShift

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47都道府県の2020年度予算から読み解く脱炭素動向 中部エリア 地域特性活かし水素社会、RE100リゾート目指す

47都道府県の2020年度予算から読み解く脱炭素動向 中部エリア 地域特性活かし水素社会、RE100リゾート目指す

2020年05月26日

脱炭素社会実現に向け、「2050年CO2排出量実質ゼロ」を宣言する自治体が増えている。深刻化する気候災害への対応や、人口減少などで産業競争力が低下する地方都市の再生、そして再生可能エネルギーの調達を目指す企業数の増加などが背景にある。
実質ゼロ達成に向け、自治体ではさまざまな施策を実施している。今回は中部エリア9自治体がどのような再エネ・脱炭素化政策に取り組むのか。独自政策を解説する。

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山梨県:2009年「CO2ゼロやまなし」表明

「2050年CO2排出実質ゼロ」を表明した全国の自治体は91にのぼり、人口規模では約6,255万人に達している。表明自治体は今後も増加する見込みであり、日本の総人口の過半数を超えるのは時間の問題だ(2020年5月7日時点)。

中部エリアでは富山県、山梨県、長野県3県が表明済みである。

山梨県は、全国に先駆けてCO2ゼロ宣言を表明した。2009年3月、クリーンエネルギーの導入促進、省エネルギー対策、森林整備による吸収などにより、県内のCO2排出量をゼロにする「CO2ゼロやまなし」を発表した。その後、「CO2ゼロやまなし」の行動指針となる「山梨県地球温暖化対策実行計画」の終了、新たな実行計画の策定などを経て、2020年度も自然環境の保全や地球温暖化対策の推進など、持続可能な社会への転換を進めている。

そうした中、県は「安心『やまなし』充実戦略」の一環として、今年度新たに「太陽光発電設備適正管理等強化事業費」を予算化した。長期安定電源としての再エネの導入拡大に向け、地域と共生した太陽光発電の普及や適切な維持管理の強化を図るのが目的だ。予算額は約358万円である。

今後発生する可能性がある大規模自然災害等を考慮した災害に強い強靭な県土づくりなどを進める「快適『やまなし』構築戦略」では、新たに「災害時電力供給体制検討事業費」を追加した。災害時における電力供給体制の強化を図るため、電力会社等と連携した電力確保対策を検討する。予算額は約11万円。そのほかの主要予算は次の通り。

山梨県

やまなし水素・燃料電池バレー推進事業費
2020年度予算額
1,182.4万円(2019年度予算額:0円)
概要
水素・燃料電池関連産業の集積を図るため、県内企業が行う機器開発や部材供給等を支援するとともに、山梨大学における機器開発等人材養成講座の開設を行う。

太陽光発電設備適正管理等強化事業費
2020年度予算額
358.3万円(2019年度予算額:0円)
概要
太陽光発電設備の適正な導入や適切な維持管理の強化に向けた取り組みを行う。

■ 参照データ

長野県:RE100リゾート化など気候危機突破プロジェクト始動

長野県は、2019年12月、「気候変動は地球上の人間社会の存続を脅かしており、この非常事態を座視すれば、未来を担う世代に持続可能な社会を引き継ぐことはできない」、「気候変動に対する地方政府や非政府組織の果たす役割の重要性」から、「気候非常事態」を宣言した。
この宣言とともに、気候変動対策(緩和)と災害に対応する強靭なまちづくり(適応)の2つに取り組む、2050年CO2ゼロを表明している。

CO2ゼロに向けた具体的な施策が「長野県気候危機突破方針」である。県民一体となった徹底的な省エネや再エネの普及拡大の推進、エネルギー自立地域を確立するため、地域主導による再エネ事業を推進し、災害に強い地域をつくるといったものだ。これら取り組みによって、最終エネルギー消費量の7割*削減、再エネ生産量を3倍*以上に拡大し、2016年度には1,450万トン-CO2だった排出量の実質ゼロを目指す。

2020年度から、CO2ゼロ実現に向けて気候危機突破プロジェクトが始動している。プロジェクトは「脱炭素まちづくり」「環境イノベーション」「地域循環共生圏創出」の3つの戦略からなる。

「脱炭素まちづくり」では以下のプロジェクトに取り組む。

  • コミュニティのコンパクト化やEVシェアリングなどが機能するまちづくりに取り組む、コンパクト+ネットワークまちづくりPJ
  • 豊富な再エネポテンシャルを活かし、資金が地域内で循環する再エネ100%自立地域の確立を目指す、地域と調和した再エネ普及拡大PJ
  • 高性能住宅やEV、蓄電池、ハイテク家電とつながり、暮らしの質の向上を図る、健康エコ住宅普及促進PJ
  • 建物のZEB化を目指す、ゼロカーボンビル化促進PJ

「環境イノベーション」は以下のふたつ。

  • 事業活動やものづくりの脱炭素化を進め、サプライチェーンで選ばれる企業を創出する、SDGs&ESG投資促進PJ
  • ゼロカーボン実現に向けたアイデアを広く募集し、多様な分野でのゼロカーボンを目指す、ゼロカーボン実現新技術等促進PJ

「地域循環共生圏創出」は、小水力発電など豊富な再エネポテンシャルを活用して旅館、ホテル業界、意欲的な事業者等と連携しRE100リゾートを目指す、世界標準のRE100リゾートPJに取り組むというもの。この戦略に基づき、2020年度は徹底した省エネ事業に2億円超、再エネの普及拡大事業には約5.8億円の予算が計上された。主要予算の詳細は次の通り。

長野県

家庭の省エネルギー化の促進
2020年度予算額
408.6万円(2019年度予算額:433.5万円)
概要
電気・ガス事業者等と連携し、各家庭への省エネアドバイスを実施

事業活動の省エネルギー化の促進
2020年度予算額
3,172.4万円(2019年度予算額:2,952.4万円)
概要
温室効果ガス排出量が多い事業者に、削減目標や推進体制等を定めた計画書の作成や計画書に基づく取り組みを助言・指導

環境配慮型住宅の普及促進
2020年度予算額
1億6,866万円(2019年度予算額:1億7,346万円)
概要
  • 高断熱住宅の新築や断熱化リフォーム等の費用への助成を実施
  • 新たに太陽光発電とセットでの家庭用蓄電池の設置を補助金の加算要件に追加

住宅の省エネ改修の促進
2020年度予算額
406.2万円(2019年度予算額:403.5万円)
概要
既存住宅の省エネ性能の向上に向け、簡易診断や省エネアドバイスを実施

自然エネルギー発電の推進
2020年度予算額
1億4,000万円(2019年度予算額:1億4,000万円)
概要
  • 建物所有者が負担なし(初期投資0円)で太陽光発電を導入できるよう、自然エネルギー発電業者が行う設備導入について収益納付型補助制度により支援 
  • 新たに太陽光発電も補助対象に加えることで、太陽光発電の導入を促進
※補助事業により生じた収益を、補助金額を限度に県に納付する制度

住宅・事業所の屋根ソーラーの普及拡大
2020年度予算額
447.9万円(2019年度予算額:2,937.3万円)
概要
建物ごとに太陽光・太陽熱の導入可能性を見える化した「信州屋根ソーラーポテンシャルマップ」を活用し、自然エネルギーの利用を拡大

建築物への自然エネルギーの導入促進
2020年度予算額
0円(2019年度予算額:0円)
概要
建物を新築する場合に、建築主に自然エネルギー導入の検討を義務付けることで、再生可能エネルギーの普及拡大を推進

農業用水を活用した小水力発電施設の整備
2020年度予算額
2億8,354.5万円(2019年度予算額:1億7,838万円)
概要
農業用水を活用した小水力発電施設の建設を支援

木質バイオマスの利用促進
2020年度予算額
1億5,438.9万円(2019年度予算額:3億8,339.4万円)
概要
県産材を活用した木質バイオマスの加工・利用施設の整備等に対して支援

グリーンボンドの発行
2020年度予算額
0円(2019年度予算額:0円)
概要
外部機関の評価を受け、環境改善効果のある事業に使途を限定した県債(グリーンボンド)を発行することで、県内のESG投資を拡大

水素ステーション実証モデルの実施
2020年度予算額
3,290万円(2019年度予算額:3,965.5万円)
概要
企業局の水力発電による電気と水で変換した100%再生可能エネルギー由来の水素の安定供給等の実証モデルを実施

■ 参照データ
*2016年度実績に対する2050年度の比較

富山県:2030年度CO230%削減目指す

富山県は2020年3月、「とやまゼロカーボン推進宣言」を表明した。CO2ゼロに向け、2019年8月策定の実行策「新とやま温暖化ストップ計画」に基づき、省エネの推進、再エネの導入促進、森林吸収源対策の推進に取り組む。2030年度目標として2013年度比30%削減を掲げている。

2020年度は、豊富なポテンシャルを持つ小水力発電や地熱発電への導入促進を実施する。予算額は約1億円。詳細は次の通り。

富山県

地域特性を活かした小水力発電や地熱発電等の導入推進
県営水力発電所の大規模改良
2020年度予算額
8,600万円(2019年度予算額:1億1,648万円)
概要
老朽化対策の一環として固定価格買取制度を活用したリプレースを設計施工一括発注方式で実施 立山温泉地域での地熱資源開発
2020年度予算額
2,000万円(2019年度予算額:12億円)
概要
既存の調査井(2018年度から2ヶ年で1,600メートル掘削)を活用した追加調査を実施

■ 参照データ

新潟県:人口減少対策の一環としての再エネ

地方にとって、人口減少対策は喫緊の課題だ。新潟県では、再生可能・次世代エネルギー分野など成長産業の創出・育成により県内産業の振興と高付加価値化を図ることで、産業競争力の向上を目指している。

2020年度は、離島の電力構造転換に向け「自然エネルギーの島構想事業」に新たに取り組む。予算額は約4,800万円を計上した。
また、「小型燃料電池バス導入支援事業」では小型燃料電池バスの開発や再エネ由来水素サプライチェーンを実現することで、県内企業の水素関連産業への参入促進、活性化を目指す。2019年度比3.7億円増となる約3億7,600万円が予算化された。

予算額は減額したものの、洋上風力発電のポテンシャルを活かし、民間企業と連携した浮体式洋上風力の検討や、県内企業の新エネルギー分野への新規参入を促進する「新エネルギー産業群形成事業」、県内企業の自家消費拡大を目指し、蓄電池などの設備導入を支援する「再生可能エネルギー設備導入促進事業」も継続する。予算額はそれぞれ3,000万円規模となった。

そのほか、気候変動による被害を回避・軽減するため、「地域気候変動適応策検討事業」において、気候変動適応計画策定を実施する。さらに、家庭や事業所の省エネ対策などを推進することで、持続可能な環境づくりに取り組んでいく。主要事業の詳細は次の通り。

新潟県

低炭素社会の構築推進事業
2020年度予算額
1,163.4万円(2019年度予算額:1,300.5万円)
概要
家庭や事業所の省エネルギー対策の推進やカーボン・オフセットの活用促進等の取組を実施

自然エネルギーの島構想事業
2020年度予算額
4,798.1万円(2019年度予算額:0円)
概要
自然エネルギーの島構想の実現に向けた課題解決のために、新たに電力等関係事業者や、地元自治体と連携して離島の電力需給構造の調査に着手

小型燃料電池(FC)バス導入支援事業
2020年度予算額
3億7,602万円(2019年度予算額:585.4万円)
概要
小型燃料電池バスの開発と、再エネ由来水素供給設備の設置により、県内初の再エネ由来水素サプライチェーンを実現するとともに、県内企業の水素関連産業参入を促進し地域産業を活性化

風力発電に係るゾーニング導入実証事業
2020年度予算額
3,999.7万円(2019年度予算額:5,674.8万円)
概要
洋上風力発電の導入を促進するため、県内各地域の自然的・社会的条件を評価し、「導入促進」「環境保全優先」等のエリアを設定

FCフォークリフトモニター事業
2020年度予算額
600万円(2019年度予算額:0円)
概要
新たに、フォークリフト使用事業者に対しFCフォークリフトを貸し出し、水素を利用する機会を設けることで、企業の水素活用意識を向上

新エネルギー産業群形成事業
2020年度予算額
3,740万円(2019年度予算額:6,177.9万円)
概要
  • 県内企業の新エネルギー産業分野への新規参入に向けた調査・研究開発等を支援
  • 新たに、民間事業者と連携した浮体式洋上風力発電の検討や、洋上風車の設置を想定した周辺環境調査を実施

再生可能エネルギー設備導入促進事業
2020年度予算額
3,122万円(2019年度予算額:5,030万円)
概要
  • 県内企業の再生可能エネルギーの自家消費拡大に向けて、発電および蓄電設備の導入を支援
  • 新たに再生可能エネルギー熱利用設備を対象に追加

メタンハイドレート資源開発促進事業
2020年度予算額
400万円(2019年度予算額:400万円)
概要
表層型メタンハイドレート資源開発について、県民理解を深化するほか、地元技術等の活用を検討

地域再生可能エネルギー面的活用促進事業
2020年度予算額
517.9万円(2019年度予算額:1,030万円)
概要
民間団体等が行う地域特性を活かした地産地消型エネルギーシステム導入に向けた計画策定を支援

■ 参照データ

福井県:定住人口増加に向け、スマートコミュニティを整備

成長産業への支援を通じ、人材育成、そして定住人口の拡大に取り組むのが、福井県である。2020年度は「Society5.0時代の新産業創出」の一環として、新たに2つの事業を実施する。

まず1,000万円の予算を計上し、エネルギー関連の製品・サービスの販路開拓を支援する「エネルギー研究成果等販路開拓支援事業」を創設した。

市町や電力事業者と連携し、地域内のエネルギー最適化を図るスマートエリアを整備することで、定住人口の拡大を目指す、「嶺南スマートエリア推進事業」も実施する。予算額は約2.4億円。詳細は次の通り。

福井県

エネルギー研究成果等販路開拓支援事業
2020年度予算額
1,000万円(2019年度予算額:0円)
概要
県内企業がエネルギー関連技術等にかかる共同研究等により開発した製品・サービスの販路開拓を支援する。
補助対象者
電力事業者や若狭湾エネルギー研究センターとの共同研究等により開発した製品・サービスの販路開拓を行う県内企業
補助率
1/2
補助上限額
200万円

嶺南スマートエリア推進事業
2020年度予算額
2億4,161.9万円(2019年度予算額:0円)
概要
定住人口の拡大を目指して、市町や電力事業者と連携し、域内のエネルギー最適化を図るスマートエリアの整備を促進する。
事業内容
  • 嶺南全市町において、EVや充放電機器を活用したVPPシステムの実証
  • 再生可能エネルギーを電源とするムービングウォークを敦賀駅に整備

水素供給設備設置補助事業
2020年度予算額
4,000万円(2019年度予算額:0円)
概要
燃料電池自動車の普及に向け、県内に水素ステーションを整備する事業者を支援し、地球温暖化対策を推進する。
補助対象者
県内で水素ステーションを整備する事業者
補助率
1/3
補助上限額
4,000万円

中小企業スマート省エネ促進事業
2020年度予算額
2,058.1万円(2019年度予算額:1,653.3万円)
概要
  • 業種ごとに、運用改善やICTの活用など、賢い省エネ対策を中心としたガイドラインを作成し、県内中小企業の省エネ対策の強化を図る。
  • 各業種のモデル事業者を選定し、省エネ対策を実施
  • 得られた成果や関連する調査をもとにガイドラインを作成
  • 省エネ対策相談窓口を設置

再エネ活用地域振興プロジェクト事業
2020年度予算額
2,266.1万円(2019年度予算額:2,354.3万円)
概要
再生可能エネルギー導入に意欲のある地元企業が、地域とともにFITによる売電収入の一部を活用した地域還元型の取組を企画・実施することにより、再生可能エネルギーの普及と地域のまちおこしを促進する。 地域協議会による事業化検討に対する支援○域単独で実施する場合
定額補助
30万円
○地域と企業合同で実施する場合
補助率
1/2(補助上限額:100万円) 再生可能エネルギー設備導入に対する支援
補助率
県1/4(市町1/4)(補助上限額:2,000万円)

■ 参照データ

静岡県:経済成長目指しEV、自動運転技術を支援

静岡県は、命を守る安全な地域づくりや富をつくる産業の展開などに取り組むことで、“世界の静岡”を目指している。気候災害に対する防災・減災対策として240億円超を投じる一方、経済成長を取り込むべく次世代産業の創出も狙う。

次世代産業のひとつが、世界的に進むEV(電気自動車)化や自動運転などの技術革新に対応できる県内企業の育成である。2020年度は「EV・自動運転化等技術革新対応促進事業費」に3億円超を予算計上し、研究開発はじめ、EV化や自動運転化に対応する製品開発などに助成する。詳細は次の通り。

静岡県

EV・自動運転化等技術革新対応促進事業費
2020年度予算額
3億510万円(2019年度予算額:3億円)
概要
世界的に進むEV(電気自動車)化や自動運転などの急速な技術革新に対応する県内企業を支援する。 支援プラットフォームの構築
2020年度予算額
4,500万円
概要
次世代自動車への対策を講じる次世代自動車センターの運営支援 研究開発・事業化助成
2020年度予算額
6,500万円
概要
企業が行う研究開発等に対する助成
補助率
2/3
限度額
2,000万円 環境整備○試験・評価機器整備
2020年度予算額
8,350万円
概要
自動車のEV化や自動運転化等に対応する製品開発を支援するため、工業技術研究所に試験・評価機器を整備 自動運転○自動運転実証実験
2020年度予算額
4,000万円
概要
自動運転のための技術支援および実証実験の実施 ○新技術等の導入検討
2020年度予算額
2,000万円
概要
自動運転等に係る新技術や法制度についての検討 ○近未来技術の実装に対する助成
2020年度予算額
2,000万円
補助対象
新技術導入に必要な設備機器等
補助率
1/2
限度額
2,000万円 MaaS促進
2020年度予算額
160万円
概要
新たなモビリティサービスのネットワーク構築のためのセミナーの開催 技術支援・販路開拓等
2020年度予算額
3,000万円 ○コーディネータ事業
概要
中小企業と中堅企業の技術マッチングや製品化支援 ○中核人材育成講座
概要
最新の自動運転システム等の製品・技術開発講座 ○展示会出展支援
概要
展示会に静岡県ブースを設置し、県内企業の出展を支援 ○展示商談会
概要
完成車メーカー、大手部品メーカーと中小企業のマッチング ○企業情報DB
概要
EV・自動運転化に関連する企業情報の収集と公開

新エネ・省エネ設備等導入促進資金
2020年度融資枠
5億円(2019年度融資枠:5億円)
概要
新エネや省エネなどエネルギー転換を図るための資金

■ 参照データ

愛知県:環境首都・産業首都あいち目指す

愛知県でも、環境と経済の好循環を生み出すことで、持続可能な社会の構築を目指している。 2020年度は地球温暖化対策、循環型社会の形成、生物多様性の保全などの施策を実施し、「環境首都あいち」の実現を目指す。

5.3億円の予算を計上した地球温暖化対策では、一般家庭に対する太陽光発電や蓄電池、燃料電池などの導入補助、EV・PHVタウン構想の推進などを進める。

さらに「産業首都あいち」という政策テーマを掲げ、次世代産業として期待する水素社会の実装に向け、「水素ステーション整備促進事業費」などを手がける。予算額は約11億8,000万円を計上している。主要予算の詳細は次の通り。

愛知県

住宅用地球温暖化対策設備導入促進費補助金
2020年度予算額
1億4,000万円(2019年度予算額:1億4,000万円)
補助区分
一体的導入
  • 太陽光発電施設+HEMS+高性能外皮等
  • 太陽光発電施設+HEMS+断熱窓改修工事
  • 太陽光発電施設+HEMS+蓄電池
  • 太陽光発電施設+HEMS+電気自動車等充給電設備

  • HEMS
  • 燃料電池
  • 蓄電池
  • 電気自動車等充給電設備
補助対象
市町村(個人に補助する場合)
補助率
1/4以内

次世代自動車普及促進事業費
2020年度予算額
1,420万円(2019年度予算額:1,303.6万円)
概要
  • EV・PHVタウン構想の推進
  • EV・PHV・FCVの普及加速に向けたプランの策定

先進環境対応自動車導入促進費補助金
2020年度予算額
2億4,371.4万円(2019年度予算額:2億3,526.2万円)
補助対象
  • 旅客・貨物運送事業者
  • 中小企業等の事業者
  • 自動車リース事業者

低炭素水素サプライチェーン事業化推進費
2020年度予算額
610.9万円(2019年度予算額:559.2万円)
概要
再生可能エネルギーを活用した低炭素水素のサプライチェーンの事業化の推進

水素エネルギー産業社会形成パイロット事業費
2020年度予算額
1,615.9万円(2019年度予算額:721.6万円)
概要
燃料電池フォークリフトの普及モデルを構築するための試験的導入・実証

水素ステーション整備促進事業費
2020年度予算額
11億8,009.5万円(2019年度予算額:10億6,237万円)
概要
水素ステーションの整備、需要創出活動、燃料電池フォークリフトの導入への支援

■ 参照データ

石川県、岐阜県:脱炭素社会に向けた取り組みを加速

石川県でも持続可能な社会を目指し、低炭素社会に向けた取り組みの強化を図っている。家庭や学校、地域、事業者における地球温暖化防止活動を推進する「いしかわ版環境ISOの推進」を実施。また、スマートフォンアプリ運用による省エネ・節電効果の見える化によって、一般家庭12万件のエコファミリー化を目指している。

岐阜県では、新たに「『排出ゼロ』を目指した温室効果ガスの排出抑制の推進」を予算化し、2020年度からカーボンゼロに向けた取り組みを本格化させる。石川県および岐阜県の詳細は次の通り。

石川県

いしかわ工場・施設版環境ISOの創設
2020年度予算額
2,200万円(2019年度予算額:0円)
概要
県独自の中小事業所向け環境マネジメントシステムの登録制度の導入、専門家による省エネ診断、モデル的な省エネ設備導入に対する支援など

民間企業の再生可能エネルギー事業への参入促進
2020年度予算額
5億円(2019年度融資枠:5億円)
概要
再生可能エネルギー導入支援融資

いしかわ次世代産業創造ファンド(300億円)による支援
2020年度予算額
2億円(2019年度予算額:2億円)
概要
次世代の産業を担う成長分野での新技術・新製品の研究開発への助成(炭素繊維、航空機、ライフサイエンス、エネルギー・低炭素化)

■ 参照データ

岐阜県

「排出ゼロ」を目指した温室効果ガスの排出抑制の推進
2020年度予算額
740万円(2019年度予算額:0円)
概要
削減目標達成状況の検証と将来の温室効果ガス排出量削減の見込みを算定、分析し 「排出ゼロ」を目指した施策を盛り込んだ「地球温暖化対策実行計画」を策定。

「岐阜県気候変動適応センター」の開設
2020年度予算額
532万円(2019年度予算額:0円)
概要
岐阜大学と共同で県内の気候変動への適応を推進する拠点を設置し、気候変動影響に関する情報の収集・整理・分析や共同研究、人材育成や普及啓発などを実施。

■ 参照データ

中部エリアのまとめ

自治体それぞれが持つ産業構造や再エネ導入ポテンシャルなどの条件のもと、限りある財源を投じ、CO2ゼロ達成に向けた取り組みを強化している。とりわけ中部エリアは自動車産業の集積地でもあるため、EVや水素・燃料電池自動車の発展を通じた経済成長を目指している。

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(Text:藤村朋弘)

藤村朋弘
藤村朋弘

2009年より太陽光発電の取材活動に携わり、 その後、日本の電力システム改革や再生可能エネルギー全般まで、取材活動をひろげている。

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